住宅ローン選びよくある勘違い10選
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- カテゴリ: 住宅ローンの達人が教える
- 作者: 住宅ローン比較
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住宅ローン選びよくある勘違い10選
住宅ローンを比較検討して選ぶ際にやってしまいがちな失敗、よくある間違いについてまとめました。
1.住宅ローンは、メガバンクが倒産しないから安心と勘違い
そんなことはありません。そもそも、住宅ローンは借りるものです。預金であれば銀行が倒産した際に保障されるのは1000万円までですが、ローンはお金を借りている側です。銀行が倒産しても、影響はないのです。つまり、倒産するかどうか?経営の健全性で住宅ローンを選ぶのは間違いということです。ちなみに、住宅ローンを組んでいる銀行が倒産しても、返済義務がなくなるわけではなく、債権を引き継いだ銀行に返済することになります。
2.変動金利は毎月金利が変動すると勘違い
変動金利は、毎月金利が変動するものではありません。1年に2回、半年に1回のペースで金利が見直しがされます。また、返済額は借り入れから5年間は一定のままです。5年間の間は返済額は変わりませんが、金利は変動しているので元本に充当する割合は変動していきます。
3.フラット35は全期間固定金利の中なら一番低金利と勘違い
これは完全に間違えではありません。フラット35の金利は民間銀行の全期間固定金利と比較すると0.3%~0.5%ほと低金利で利用することが可能です。しかし、注意しなければならないのは「団体信用生命保険」の加入が有料ということです。フラット35を利用して団信に加入する場合には約200万円前後の団信料が発生するため、金利換算で0.3%ほどの負担増になるのです。それでもフラット35の方が若干金利は低いことになりますが、大きな違いはないことに注意が必要です。
4.当初10年固定金利は、変動金利と全期間固定金利の中間と勘違い
金利上昇リスクはあるがベースの金利が低い「変動金利」と金利上昇リスクはないがベースの金利が高い「全期間固定金利」、この間に位置するのが10年間だけ金利変動リスクがなく、ベースの金利は中間ぐらいの「当初10年固定金利」です。しかし、本当に中間なのか?と言われるとそれは間違えです。約30年ぐらいの借入の中で3分の1の期間だけが固定金利であり、当初10年間というのは金利変動リスクも少ないのです。また、当初期間が終われば、はじめから変動金利の人よりも高い変動金利になってしまいます。まったくもって中間でないことを知る必要があるでしょう。
5.貯金0円でも住宅ローンは利用できる、家は買えると勘違い
厳密に言えば、たしかに貯金0円でも住宅ローンは利用可能です。また、イオン銀行などが提供しているつなぎ融資であれば、諸費用、引っ越し代、新居のインテリア・家具まで借り入れが可能です。しかし、やはり貯金0円で家を買うというのは大きなリスクであるのは事実なのです。当然審査も厳しくなるため、購入できる住宅の価格帯は下げざるを得ませんし、つなぎ融資をしてもらったところで、感覚がマヒしてしまって自分のお金のように新居の家具などをそろえてしまい、借入額が増大する方も多いようです。まずは、1年間貯金して、最低でも200万~300万円ぐらいが貯まったところで住宅購入を考えるべきと言えます。
6.住宅ローンの疾病保障と医療保険の疾病保障は同じものと勘違い
住宅ローンには、団信に加えて、疾病保障や介護保障などの特約が無料で付与されている住宅ローンがあります。もちろん、何もない団信の住宅ローンよりは特約がついて、しかも無料で加入できるため大きなメリットがあるのですが、注意すべきポイントがあります。それは、普段目にしている医療保険と団信の特約では、保障が適用される条件に大きな違いがあるのです。医療保険では診断された段階で入院給付金が受け取れたりしますが、団信の疾病保障の場合、診断され働けなくなった状態が数か月維持されてはじめて保障が実行されるというようにハードルが高く設定されているのです。そもそも、保険料を毎月支払い医療保険と無料でついてくる団信の特約には大きな差があって当たり前なのです。
7.借り換えは金利1.0%以上、10年の残期間がなければメリットはないと勘違い
これも、昔から言われている「基準」です。しかし、今では金利が0.3%ほどであっても、住宅ローンの借り換えメリットが享受できる可能性があります。銀行によって違うため、慎重にシミュレーションする必要がありますが、少しでも金利差があれば借り換えを検討してみても良いのです。金利競争が激しくなっている今は昔とは状況が変わっているのです。
8.住宅ローンは1社しか同時に申込めないと勘違い
住宅ローンは複数社に同時に申し込みをすることが可能です。というか、複数の住宅ローンに同時に申し込みをすべきなのです。仮審査通過後、もしくは本審査通過後、最終的な意思確認の依頼がありますが、そのときに利用しないところには返答すれば良いのです。複数に申込むメリットは、審査落ちをした場合でも、すぐに対処ができることです。またはじめから申込をしていては、さらに1か月半ほどの時間がかかってしまうのです。
9.メガバンクの住宅ローンの保証料は、借り換え時には返ってくると勘違い
メガバンクの諸費用である保証料は、万が一途中で借り換えをした場合には戻ってくるもので、ネット銀行の事務手数料は戻ってこないから、メガバンクの方が有利。という勘違いをしている方も多いようです。完全に間違えではありませんが、思ったほど戻ってくるものではありません。30年の借り入れがあって10年目に借り換えをしたら、残りの3分の2の期間分ぐらいは戻ってくるだろうと思ってしまいますが、実際は10年目では戻ってくる保証料ほぼ0円です。5年目で50%ほどしか戻ってこないのです。借り換えをしようとしたら、借り換え先の諸費用分にとあてにしていた保証料返還がなくて、結果借り換えができなかったという人も多いのです。
10.住宅ローン選びで重要なのは「金利」だけという勘違い
住宅ローン選びで重要なポイントは、「金利」や「諸費用」というよりは、「金利タイプ」と「総返済額」です。どんなリスクに対応するかという「金利タイプ」を選ぶことと、利息の返済と諸費用から算出する最終的な「総返済額」が重要になるのです。