住宅ローンの疾病保障徹底比較!保障内容の違いに注意。疾病保障の相場は約180万円!?
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- カテゴリ: 住宅ローンと保険
- 作者: 住宅ローン比較
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住宅ローンの疾病保障徹底比較!保障内容の違いに注意。疾病保障の相場は約180万円!?
住宅ローンを選ぶ際に、当サイトでも、「総返済額」+「付加価値」で選ぶべきという方法論を推奨しています。
簡単に言えば、金利と諸費用を合算したものが「総返済額」で、それ以外の住宅ローンごとにあるプラスαの価値「付加価値」を加えて住宅ローンを比較検討するべきという考え方です。
この「付加価値」には、「イオン銀行住宅ローンのイオンでの買い物5年間5%OFF」といような割引や「SBI新生銀行住宅ローンの家事代行、チャイルドケアクーポン」のような特典、「住信SBIネット銀行の疾病保障無料」などの保障の充実、などが挙げられます。
今回はこの中で「疾病保障無料付帯」に注目して解説していきたいと思います。
疾病保障の相場は約180万円!?
通常は、住宅ローンで疾病保障を付帯すると金利にプラス0.3%というのが相場です。0.3%というのは決して小さな金額ではありません。
例えば
- 金利1.0% 3000万円35年借り入れ 金利変動なし 総返済額 → 35,567,998円
これに疾病保障+0.3%を付けると
- 金利1.3% 3000万円35年借り入れ 金利変動なし 総返済額 → 37,356,775円
つまり、1,788,777円も返済総額が増えるのです。
「金利に0.3%上乗せ」ということだけを見てしまえば、それほど大きな負担になるイメージはないかもしれませんが、「疾病保障は178万円です。」と言われてしまえば、車1台分ほどの費用が掛かる大きな選択であることが理解できるかと思います。
これだけ高い「疾病保障」が無料付帯している住宅ローンがあるなら、それが良いのではと思ってしまいますが、疾病保障にも保障内容に違いがあるのです。疾病保障の保障内容を比較してみます。
疾病保障徹底比較
住信SBIネット銀行住宅ローンの疾病保障
サービス名: ネット専用住宅ローン「8疾病保障」
費用:無料
保障される病気
- 3つの特定疾病(がん(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中)
- 5つの重度慢性疾患(高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎)
保障内容
月々のローン返済に対する保障
- 保障開始:責任開始日から3ヵ月を経過した日の翌日以降
- 保障条件:所定の就業不能状態(被保険者本人の経験・能力に応じたいかなる業務にもまったく従事できない状態)
- 保険金:月々の住宅ローン返済金相当額
- 保険金支払い期間:最長12か月
ローンの残債務に対する保障
- 保障開始:就業不能状態となった日からその日を含めて12ヵ月を経過した日
- 保障条件:12ヵ月を経過した日の翌日午前0時まで就業不能状態が継続した場合
- 保険金:ローン残高相当額
イオン銀行住宅ローンの疾病保障
サービス名:8疾病保障付住宅ローン
費用:金利+0.3%の上乗せ(約150万~200万程度)
保障される病気
3つの特定疾病(がん(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中)
5つの重度慢性疾患(高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎)
保障内容
月々のローン返済に対する保障
脳卒中・急性心筋梗塞保障
- 保障開始:ローン実行日から3カ月を経過した日の翌日
- 保障条件:所定の就業不能状態(入院、医師の指示による自宅療養などにより、被保険者本人の経験・能力に応じたいかなる業務にもまったく従事できない状態)
- 保険金:月々の住宅ローン返済金相当額
- 保険金支払い期間:最長2か月
5つの重度慢性疾患保障
- 保障開始:ローン実行日から3カ月を経過した日の翌日
- 保障条件:所定の就業不能状態(入院、医師の指示による自宅療養などにより、被保険者本人の経験・能力に応じたいかなる業務にもまったく従事できない状態)
- 保険金:月々の住宅ローン返済金相当額
- 保険金支払い期間:最長12か月
ローンの残債務に対する保障
ガン保障
- 保障開始:ローン実行日より91日目以降
- 保障条件:生まれて初めてガン(悪性新生物)に罹患し、医師により診断確定された場合
- 保険金:ローン残高相当額
脳卒中・急性心筋梗塞保障
- 保障開始:60日以上所定の就業不能状態が継続
- 保障条件:60日以上所定の就業不能状態が継続したと医師によって診断された場合
- 保険金:月々の住宅ローン返済金相当額
5つの重度慢性疾患保障
- 保障開始:12カ月以上所定の就業不能状態が継続
- 保障条件:12カ月以上所定の就業不能状態が継続したと医師によって診断された場合
- 保険金:月々の住宅ローン返済金相当額
三菱UFJ銀行・auじぶん銀行住宅ローンの疾病保障
サービス名:7大疾病保障付住宅ローン ビッグ&セブン
費用:年齢と性別、一時金特約の有無によって個別設定
200万円借入で40歳、男性の場合25年後の毎月の保険料10,893円。→返済までの総負担額は約200万前後
保障される病気
3つの特定疾病(がん(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中)
4つの重度慢性疾患(高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変)
保障内容
月々のローン返済に対する保障
- 保障開始:翌々月の初日
- 保障条件:医師の指示による自宅療養により働けない状態が、30日間の免責期間を超えて継続した場合
- 保険金:月々の住宅ローン返済金相当額
- 保険金支払い期間:最長12か月
ローンの残債務に対する保障
- 保障開始:就業不能状態となった日から30日間の免責期間を超えて1年間継続した場合
- 保障条件:医師の指示による自宅療養により働けない状態が、30日間の免責期間を超えて1年間継続した場合
- 保険金:ローン残高相当額
三菱UFJ銀行住宅ローンはこちら
auじぶん銀行住宅ローンはこちら
ここが違う!疾病保障
対象の疾病が違う
イオン銀行と住信SBIネット銀行は下記の8つの病気が対象
3つの特定疾病(がん(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中)
5つの重度慢性疾患(高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎)
ですが、auじぶん銀行の場合は「慢性膵炎」が外されて7つになっています。
免責期間のあり・なし
イオン銀行と住信SBIネット銀行は免責期間はありません。
auじぶん銀行の場合は1ヶ月の免責期間があります。つまり、1か月分は保険金が払われない期間があるということです。
住宅ローンのローン残高を返済してくれるまでの日数が違う
住信SBIネット銀行、auじぶん銀行の場合は就業不能状態が12か月経過した場合、住宅ローン残高分が保険金で全額返金されるのです。
イオン銀行の場合は、ガンなら診断確定後すぐ、脳卒中・急性心筋梗塞保障なら60日と住宅ローン残高分が保険金で全額返金されるまでの日数が短いのです。
費用が違う
住信ネット銀行は無料
イオン銀行は金利に0.3%上乗せ(約150万~200万)
auじぶん銀行の場合は個別に保険料を見積もり(約150万~200万)
auじぶん銀行の場合は、基本的にはイオン銀行と同じ金利に0.3%上乗せしたのとほぼ同じ費用負担になります。金利に載せてしまうと割高と思われてしまうため、保険料として別枠にしているだけです。
就業不能状態の定義が違う
住信SBIネット銀行
被保険者本人の経験・能力に応じたいかなる業務にもまったく従事できない状態
イオン銀行
入院、医師の指示による自宅療養などにより、被保険者本人の経験・能力に応じたいかなる業務にもまったく従事できない状態
auじぶん銀行
医師の指示による自宅療養により働けない状態
とあくまでも書き方の定義ですが、auじぶん銀行の方が条件の縛りは緩いような設定になっています。
何を持って就業不能状態とするのかは、住宅ローンを提供している銀行が提携している疾病保障の保険会社によって違うことになります。
まとめ
上記のように同じ疾病保障でも大きな違いがあることを知っておくと良いでしょう。
上記に挙げた3つの住宅ローンで疾病保障を比較するのであれば
- 費用が一番安いのは無料なので住信SBIネット銀行です。
- 保障が一番手厚いのはガンや脳卒中・急性心筋梗塞でローン残高の支払いまでの期間が短いイオン銀行です。
- auじぶん銀行は一見不利に思えますが、親の介護必要になった時や3大疾病の一時金をセットすることが可能です。
メリットデメリットが違うのです。一口に住宅ローンの疾病保障と言っても、内容に大きな差があることを理解したうえで、住宅ローンを比較検討する必要があります。