住宅ローン崩れた借り換え3か条。低金利時代が追い風
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- 作者: 住宅ローン比較
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住宅ローン崩れた借り換え3か条。低金利時代が追い風
2012/9/5 日本経済新聞
住宅ローン金利が史上最低の水準で低下を続け、今は返済負担軽減のための借り換えには絶好の機会だ。実際に借り換えを考える際は、知っておきたい新常識がある。返済期間を短くしたり、ローンを分割したりと、ひと手間を加えるともっと家計負担を軽くできる。ポイントをまとめた。
「借り換えの試算をしてもらったら、総返済額が150万円減るといわれた」。都内在住の会社員、Aさん(45)は4年前に当初10年固定の年2.3%で3千万円を借り、年間約240万円を返済している。別の銀行で相談すると、残り2千万円を10年固定、金利1.4%で借り換えた場合、年間返済額は約20万円も減るという。
住宅ローンは今、空前の低水準にある。三菱UFJ銀行やみずほ銀行などは8月、固定金利期間選択型の住宅ローンの主力である当初10年固定金利を年1.35%(優遇後、以下同じ)に引き下げた。複数の金融機関が扱う住宅金融支援機構の長期固定金利の住宅ローン「フラット35」も、返済期間が21年以上の最低金利が1.84%と2003年の開始以来、最低を記録した。ファイナンシャルプランナー(FP)の浅井秀一氏は「今はまさに借り換えの最後の好機」と話す。
「3条件」崩れる
かつては「残高が1千万円以上」「返済期間の残りが10年以上」「借り換え後の金利が1%以上下がる」という3条件が、住宅ローンの借り換えの前提とされていた。だが、それも崩れたとFPの深田晶恵氏はみる。「3条件は固定金利の旧住宅金融公庫のローンから、銀行の当初10年固定金利へ借り換える、10年以上前のセオリー」と指摘。現在は変動金利型や2~5年の短期固定金利型で借りている人が多いため、「短期固定金利型か変動金利型で2%以上で借りている人は当初10年固定への借り換えを検討してよい」と話す。
浅井氏も「長期から長期の借り換えや民間銀行間の乗り換えでも、実質金利で0.3%の金利差があれば検討できる」とみる。対象者は多い。
例えば長期固定金利を志向し、返済期間21年以上の「フラット35」を利用している人の場合。最低金利に0.15%を上乗せした実質金利で、今のローン金利よりも0.3%以上低くなるなら「フラットからフラットへの借り換えもあり」(浅井氏)とみる。
フラットの場合、借り換えに残高の2.1%など数十万円の融資事務手数料がかかることがあり、それを考慮した目安の数字が0.15%の上乗せ。すると05年と10年の一時期に借りた一部の人を除く、多くの利用者が対象になる。
借り換えの際は「月々の返済額は減らさず、返済期間の短縮を目指すのがポイント」と深田氏。例えば70歳時点の完済を予定して借りたローン残高が2千万円強というBさん(50)の場合、現在の全期間固定で年2.5%の金利で月々約10万7千円の返済を続けても、60歳時点で約1140万円の残高がある。
これを当初10年間固定の1.35%のローンに借り換え、借り換え前と同じ70歳で完済すると、当初10年間の毎月の返済額は約9万5千円。さらに返済額を毎月1万5千円増やすと65歳で完済でき、60歳時点の残高は約700万円になる。
住宅ローン比較ラボ編集部コメント
現在は、0.3%の金利差があれば借換えをすべきという低金利時代の新法則の紹介である。借換え時の事務手数料2.1%を勘案すると1.5%の金利差になるとのこと、ということは事務手数料が5万円などのSBI新生銀行などの住宅ローンであればさらに金利差が少ない方でも借換えメリットは享受できる。フラットからフラットの借換えもありであれば、2000年代前半までに住宅ローンを借りた方はほとんどが借換えの対象になるのではないだろうか。
返済年齢を下げられる住宅ローン借換えは、一度は検討してみるべきだろう。