金利低下が続くフラット35、ずさんな審査に黄色信号
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- 作者: 住宅ローン比較
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金利低下が続くフラット35、ずさんな審査に黄色信号
2012/12/6
住宅金融支援機構が発表した12月金利は、返済期間が21年以上で1.81-2.76%。20年以下で1.53-2.48%と3ヶ月連続で低下した。しかし、会計検査院の報告から、ずさんな審査が明らかになり、フラット35の今後のあり方が問われている。
会計検査院がフラット35の取り扱いをしている金融機関338の中で、著しく不適切な事案が多い39の金融機関を調査した結果、収入などの申告内容の調査を実行せずに融資を決定し、その債権を住宅金融支援機構に買い取らせていた金融機関が8割以上にのぼるという現状があきらかになった。
無職の人に4000万の融資をしていたり、別人名義の人に融資をしていたり、本来銀行の住宅ローン審査では、とおり得ない人への融資が多く行われていたのである。
利用者にとって見れば、「フラット35は審査が通りやすいってことでしょ?」となるんだが、ことはそう「単純ではなく、このままでは、債務不履行デフォルトが続き、結局は税金で穴埋めされることになる。
また、この状況が続くのであれば、フラット35の存在自体国会での懸案事項になり、「フラット35がなくなる」「フラット35の審査が厳格化され、それにかかる審査コストが事務手数料にアドオンされる」「フラット35のデフォルトリスクが高いため金利のベースが上がる」など、利用者にとって好ましくない結果になりかねない。
大きな原因は、住宅金融支援機構が債権を買い取るため、各銀行はフラット35の審査がゆるくて、債務不履行が起きてもなんの痛手もないことである。このため、各銀行は自分の銀行の住宅ローンの審査は厳しく審査する一方、その審査が通らなかった人への回避ルートとして「フラット35」を案内したり、フラット35の審査自体にかけるコストを削減したりしてしまうのである。銀行のモラルも問題だが、銀行自体に債務不履行時のリスクがないビジネス構造にも大きな欠陥がある。
ゆうちょ銀行の住宅ローンの認可や、政権交代、減税の延長など、住宅ローンまわりでの大きな変革が行われるタイミングだけに、フラット35のあり方も再度改善する必要がある。