アベノミクスと住宅ローン金利
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- 作者: 住宅ローン比較
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アベノミクスと住宅ローン金利
2013/3/21
アベノミクスの効果というよりは期待が市場の株価と円安を加速させています。また、多くのメディアでは住宅ローンの金利上昇を危惧する声が増えています。ではなぜアベノミクスが成功すると金利が上がるのでしょうか?
アベノミクスはデフレからインフレを誘導する政策
アベノミクスというのは、日本に出回っているお金の量が少ない分、物価が下がってしまったデフレを改善するための政策です。物価が下がっているのは消費者からすればいいことではありますが、物価が下がって利益が薄くなれば、必然と給料も下がってしまうため、さらに消費が落ち込むというデフレスパイラルが日本では長いこと起こっていたのです。
で「これはまずい」と気づいた安倍総理がインフレ。日本に出回っているお金の量を増やして消費を加速させて、その結果給料をあげようという方針を打ち立てました。これがアベノミクスと呼ばれているものの根幹です。日本に出回っているお金を増やすのは、お金を作っている日本銀行が流通しているお金の量を増やすことで対応できるので、日銀総裁の交代など、政府は日銀にプレッシャーをかけました。今は「インフレのターゲット(目標)を物価上昇率2%」と定めています。
インフレと住宅ローン金利の関係
物価が上がれば、物件価格が上がるなら理解できると思いますが「なぜ、金利が上がるといわれているのでしょうか?」
実は、今日本銀行は民間の銀行へ貸し出す金利を0%にするゼロ金利政策を実行しています。変動金利は、この日銀が民間の銀行に貸し出す金利に連動するため、住宅ローンの変動金利は最低水準のまま1%を切るラインで推移しているのです。
このゼロ金利政策は、景気が悪い今は続けられています。景気が悪いのに、さらに民間銀行への貸出金利を上げてしまうと、今度は民間銀行が企業へ貸すときの金利が上がってしまうため、投資がされなくなり、景気はさらに悪化してしまうからです。
インフレターゲットが成功して、物価が上がれば、そのあとに各個人の給料が上昇します。そして、好景気になったときにはじめて日銀は民間銀行への貸出金利を上げる必要に迫られるのです。デフレも良くないですが、過度なインフレも、バブルが起きてしまうのです。インフレが成功して、好景気になって、そこでインフレの引き締めをするために、日銀が銀行への貸出金利を上げると、住宅ローンの変動金利が上がるのです。
実は、意外に変動金利の上昇までは長い道のりがあるといえるでしょう。今すぐに変動金利が上がるわけではないのです。
金利上昇までの流れ
- ゼロ金利政策
- インフレターゲット
- インフレ成功
- 給料上昇成功
- 好景気
- 日銀の貸出金利上昇
- 住宅ローンの変動金利上昇