Yahoo!のトップニュースでも危惧される住宅ローン競争での消耗戦
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- カテゴリ: 住宅ローン比較最新ニュース
- 作者: 住宅ローン比較
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Yahoo!のトップニュースでも危惧される住宅ローン競争での消耗戦
2013/9/19
9月18日のYahoo!のトップニュースで「住宅ローン客争奪、危うい消耗戦 金利競争が銀行経営圧迫」という記事が掲載された。どういうことかをここでは解説したい。
まずは、2014年4月に控えた消費増税のための駆け込み需要が本格化している。これは8月のマンション供給が前年同月対比で5割増を記録したこともわかるとおり、不動産業界全体で駆け込み需要への取り組みが激化しているのだ。
ここで、住宅ローンを提供する銀行も、駆け込み需要に向けて金利の引き下げ競争をしているということである。
背景としては、景気が良くなったと言われているものの、実際の景気回復には程遠く、大企業が積極的に新規事業などへ投資することを敬遠しているため、銀行の貸付先がないという実態がある。その中で利益が薄くても、貸付先の第一候補に挙げられるのが住宅ローンなのである。
実際に10年前は、銀行の貸付残高に占める住宅ローンの割合は、20%から27%へ増加している。もちろん、住宅ローン自体は本来は債務不履行(デフォルト)のリスクが少ない、担保のあるローンなので、問題がないように見えるのだが、
日銀が4月に発表したとおりに、「金利低下と融資基準の緩和が続けば信用コストが増大し、住宅ローンの採算が一段と悪化する可能性がある」のである。
金利が下がり、銀行の収益が薄くなっている一方、顧客獲得競争により、融資基準の緩和が起きていけば、自ずと債務不履行(デフォルト)の発生率が増え、銀行としては非常に経営状況が悪化することになる。しかも、バブル時代とは違い、不動産の担保価値は年々下がっていくのである。
利用者としては、どうすれば良いのだろうか?
住宅ローンの利用者としては注意すべきことは以下であろう。
- 銀行の収益性の悪化が続けば、足並みを揃えて金利を引き上げる可能性がある
- 融資基準が緩和されても、自己資金は最低でも1割は用意してから借り入れをする
- 不動産担保価値が高い住宅購入を検討する
つまり、金利引き下げ競争によって、宣伝された住宅ローンに「自己資金がない状態で」申し込むは危険であるということである。もちろん、金利は上昇してしまうかもしれないが、自己資金がないなかで住宅を購入しても、債務不履行になる確率が高まってしまうのだ。