金利4%でも返済可能かどうか?銀行は4%での返済能力を審査している
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- 作者: 住宅ローン比較
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金利4%でも返済可能かどうか?銀行は4%での返済能力を審査している
2012/5/23 日本経済新聞
マンション購入 トレンドウオッチでは、固定金利の「つもり貯金」を勧めている。変動金利1%で借りていながらも、金利上昇に備えて、固定金利3%分の貯金をしておくことである。金利の今後が見通しにくいが、超低金利という現在ならではのマネープランである。
住宅ローン版「つもり貯金」とは、金利上昇により毎月返済額が増えてもローンの支払いがきつくならないよう、ローン返済と同時並行で金利上昇時のための返済原資を貯金しておこうというマネープランだ。実際は変動型の金利タイプを選択し、融資金利1%の借り入れをしているとしても、それを融資金利3%の固定型タイプを選び、借入金利3%で返済している“つもり”になり、その金利差(2%)に相当する金額を貯金に回す――という発想だ。これにより低金利の恩恵を享受しながら、同時に金利上昇にも対抗できる資金計画が立案可能となる。
とはいえ、口で言うほど簡単に預貯金ができるのか?―― 読者の中には、こう思っている人も少なくないだろう。その点、筆者は「できないはずはない」と申し上げたい。というのも、銀行は住宅ローンを貸し出す際、融資金利4%でその人が返済できるかどうかを審査している。たとえ変動金利での融資を希望しても、審査そのものは金利4%での返済計画が合否の判定基準となる。つまり、銀行は金利上昇を想定し、4%でも返済できる余力がある人にしか貸し出さないのだ。言い換えれば、ローン審査を通過した人は金利4%での返済ができる人といえる。そこで、その余力を「つもり貯金」に傾けてほしいのだ。(※)すべての金融機関が審査金利を4%に設定しているわけではない。銀行によってバラツキあり。
もちろん、返済途中で収入に変動があっても不思議ではない。あくまでシミュレーションによる審査でしかないのだが、「つもり貯金」は決して非現実的な話ではない。運よく金利が上昇しなければ、「つもり貯金」は繰り上げ返済の原資に充当できる。完済時期を早めることにも一役買うのだ。
住宅金融支援機構の「民間住宅ローン利用者の実態調査」(平成23年度第3回)によると、今後1年間の住宅ローン金利の見通しについて、65.9%の人が「ほとんど変わらない」と回答している。「現状よりも上昇する」という人は18.3%にとどまっており、“低金利慣れ”という病魔に多くの国民が侵されている。金利上昇に対するリスク感応度が鈍っている印象をぬぐい去れない。
資金計画の立案で最も重要なことはリスクシナリオを描くことだ。「もし、金利が上昇したら…」「返済が困窮したら、どうしよう」というシナリオプランニングこそが、住宅ローンを成功へと導く。アリのような用意周到さが求められるのだ。金利が上昇してしまってからでは手遅れだということを肝に銘じ、ぜひとも住宅ローン版「つもり貯金」を実践に移してほしい。
住宅ローン比較ラボ編集部コメント
銀行が審査の基準にしている4%のラインは、真実味がある。このラインで貯金をためていれば、よほどのことがないと返済不能には追い込まれないということだ。金利の今後が見通しにくいが、超低金利の今にはうってつけだろう。