住宅ローン金利動向 2015年12月レポート

住宅ローン金利動向 2015年12月レポート

住宅ローンの動向をまとめた毎月のレポートです。住宅ローンを検討している方は参考にしていただければ幸いです。

主要住宅ローンの2015年11月から2015年12月の金利変動

• 長期国債金利はほぼ横ばい

• 全体的に金利も変わらず

• SBI新生銀行が変動金利を引き下げキャンペーン実施

• じぶん銀行が自社商品として住宅ローンサービスの提供を開始

2015年11月の国債金利は0.300％で、2015年12月の国債金利は0.320％とやや微増という形ですが、ほとのど全体的な住宅ローン金利は横ばいに推移しています。

11月はとくに大きな長期金利の変動材料がなく、上がる理由もなければ日銀が国債を買い入れを強化して引き下げを行う水準でもないということです。どちらかというと11月に注目を浴びたのが日本の2年物の国債金利がマイナスになったことで、これは住宅ローン金利には直接的な影響はありません。

民間銀行の大きなトピックスとしては、三菱ＵＦＪ銀行とKDDIが合弁で設立したネットバンク「じぶん銀行」が自社独自の住宅ローンの提供を開始しました。以前は、三菱ＵＦＪ銀行の住宅ローンを代理販売のような形でじぶん銀行仕様にして販売していましたが、その方針を転換し、じぶん銀行が自身で審査をする形の自社の住宅ローン商品を構築したのです。

じぶん銀行住宅ローンの大きな特徴は「変動金利0.585％という低金利」と「がん診断時に住宅ローン残高が50％になるがん診断付き団信が無料付帯されていること」です。疾病保障付団信無料付帯では住信SBIネット銀行が人気が高いのですが、それよりも低金利というメリットがあります。

また、SBI新生銀行が変動金利を0.88％から0.68％に引き下げましたが、さらにキャンペーンを行うことで金利を-0.15％引き下げて0.53％という業界トップクラスの低金利に設定しました。

直接的に住宅ローンとは関係ありませんが、軽減税率が加工食品も含めた上で決定しそうな状況です。家計には影響があるものなので、注視しておきましょう。

主要住宅ローン最新トピック

長期金利は横ばい

新発10年国債利回り（長期金利）は、2015年11月1日時点で終値： 0.300％でしたが、2015年12月2日時点で終値： 0.320％と微増しました。変動材料が11月にはなかったことが要因となっています。長期金利がそれほど変動しなかったため、各銀行とも住宅ローン金利の変動はほとんどありません。

フラット35sの金利が引き下げ

省エネルギー性、耐震性などに優れた住宅で適用されるフラット35sの金利が平成26年度補正予算の閣議決定をうけて引き下げられました。

楽天銀行フラット35の2015年12月時点の金利では

金利の引き下げ幅が　▲年0.3％　→　▲年0.6％

15年以上～20年以下：0.68％（11年目以降 年1.28％）
21年以上～35年以下：0.96％（11年目以降 年1.55％）

となり、当初10年間の金利引下げが拡大しているのです。変動金利並みの低金利でフラット35の固定金利が利用できるので見逃せないポイントと言っていいでしょう。

楽天銀行フラット35はこちら

ARUHIフラット35はこちら

じぶん銀行が「じぶん銀行住宅ローン」を提供開始

じぶん銀行が「じぶん銀行住宅ローン」の提供を開始しました。今までは三菱ＵＦＪ銀行の住宅ローンを代理販売しているような形でしたが、今度はじぶん銀行自身が審査を行う自社商品です。

特徴は

• 変動金利　0.585％という低金利
• がん診断時に住宅ローン残高が50％になる団信無料付帯
• ネットで契約まですべて完結（印紙代約2万円無料）

という住宅ローンです。疾病保障が無料付帯している住信SBIネット銀行の変動金利が0.650％なので、比較すると保障の対象はじぶん銀行の方が狭まるが、その分金利が低いということになります。日本人のがんリスクは3人に1人とされているので、検討すべき住宅ローンが登場したと言えます。

じぶん銀行住宅ローンはこちら

SBI新生銀行が変動金利を引き下げ

SBI新生銀行が2015年11月時点の変動金利を

0.880％　→　0.680％

さらに12月のキャンペーンで-0.15％に設定したため

0.680％　→　0.530％

という低金利になっています。ただし、SBI新生銀行の住宅ローン変動金利は半年後に金利が上昇するので注意が必要です。

SBI新生銀行住宅ローンはこちら

日銀審議委員「2017年度も物価2％上昇の目標は達成困難」

日銀の木内登英審議委員は、講演で「現状の日本経済の実力に比べて高く、金融政策だけでは達成は難しい」と発言しました。日銀は２％目標を「2016年度後半ごろ」に達成するとの見通しを示しているが、それは難しいのでは？と見解を示した形となっています。

物価上昇は、住宅ローン金利と密接に関係があります。日銀の物価目標が達成されないのであれば、金融緩和「国債買い入れ」は、ずるずると続けざるを得ない状況になるため、国債金利、住宅ローン金利もそのまま低金利が続くことになるからです。ただし、「国債買い入れ」にも限界があるため、る買い入れのペースを落とし「安全運転にシフトしていくことが重要」と主張しているのです。日銀がそれを採用するかはわかりませんが、今後の日銀の動きにも注目しておく必要があります。

10月新設住宅着工、前年同月対比2.5％減。8か月ぶりの減少

10月の新設住宅着工戸数は前年同月対比で2.5％減の7万7153戸を記録しました。8か月ぶりの減少です。「持家」が2.4％増、「分譲住宅」が9.5％減、「貸家」が2.6％減と、分譲住宅の中でも分譲マンションの着工減が17.2％減の8690戸と大きく、「貸家」も6カ月ぶりに減少に転じるなど、マイナスが大きく、10月半ばに発覚した横浜市マンションの杭打ちデータ不正問題が影響している可能性も考えられる結果となっています。

9月のマンション価格、戸建て価格ともに大幅増

マンション価格が前月対比0.34％減の2948万円。戸建て価格は前月対比4.84％減の3245万円という結果になりました。前年対比でみると、マンション価格は 4.61％増、戸建ては0.92％増という状況です。大工・職人の人員不足が、物価高に直結してしまっているのですが、戸建てよりもマンションの方が物価上昇の影響は大きくなっています。

軽減税率は加工食品も対象に

自民党と公明党で綱引きが繰り広げられている軽減税率ですが、4000億円の財源を超えることを自民党が容認した形となっています。生鮮食品だけでなく加工食品にも適用するということですが、焦点となるのは「どの範囲まで加工食品の軽減税率を適用させるのか？」です。こちらも家計に影響は小さくないため、注視しておく必要があります。

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