住宅ローン金利動向 2016年3月レポート

住宅ローン金利動向 2016年3月レポート

住宅ローンの動向をまとめた毎月のレポートです。住宅ローンを検討している方は参考にしていただければ幸いです。

主要住宅ローンの2016年2月から2016年3月の金利変動

• マイナス金利導入で長期金利(国債金利）マイナス金利へ
• マイナス金利の影響で各社の住宅ローン金利引下げ
• フラット35の金利低下が目立つ
• 不動産価格は今後さらに上昇する見込み

2016年2月の国債金利は0.070％で、2016年3月の国債金利は-0.040％とかなり低下したといよりは、日本の歴史史上初めてのマイナスに突入した形になっています。これは完全に日銀のマイナス金利政策の影響を受けています。

銀行や金融機関は日銀の預金と同じかそれ以上に日本国債での資産運用を行っているため、国債利回りがマイナスになれば、銀行各社は預かっている資金の運用を別の投資先に割り振る不必要がでてきてしまっているのです。

当然、投資先のひとつとして住宅ローンは有望な融資先であることは間違えなく、今後住宅ローンの顧客獲得競争もさらに激化することになり、今も尚金利引下げ競争が起きているのです。

しかし、一方で銀行や地方銀行の日銀への預金や国債がマイナス金利になるということは、金融機関の経営の安定性が大きく崩れることを意味しています。

各銀行ともに

「住宅ローン金利を引き下げて住宅ローンで融資するお金を増やしたい。」
「これ以上金利を引き下げても、経営は大丈夫だろうか？」

という矛盾した考えの板挟みになっているのです。そのため、競合他社の金利を見ながら、自行の金利を決定するような形がここ数か月は続くことが考えられます。毎月、一番低金利の住宅ローンが変わるというような現象が予測できるのです。

同時に競合他社の影響を受けないフラット35のみ、長期金利の低下に伴って大幅に金利が下がっています。金利上昇リスクがないという意味では、フラット35の全期間固定金利を選ぶ絶好のタイミングと言えるでしょう。

主要住宅ローン最新トピック

長期金利は低下

新発10年国債利回り（長期金利）は、2016年2月1日時点で終値： 0.070％でしたが、2016年3月1日時点で終値： -0.040％と低下しました。「日本初の10年もの国債利回りのマイナス金利」は当然ながら「日銀のマイナス金利導入」が要因となっています。マイナス金利に設定したものの、日本株安に歯止めがかかっていない状況では、日銀の買いオペも続くので、マイナス金利でも買い手がいる状態になっています。

フラット35sの金利が引き下げ優遇が終了

フラット35は他の住宅ローンと異なり、競合他社の金利に左右されずに、シンプルに国債利回りの影響を受けるので、引き下げ幅が大きくなっています。全期間固定金利のフラット35は、金利上昇リスクもない為、検討すべきチャンスと考えらえます。

フラット35（融資額90％以下）

全期間固定金利(15～20年)　1.210%　→　1.020%　：　-0.190%
全期間固定金利(21～35年)　1.480%　→　1.250%　：　-0.230%

フラット35s

当初固定金利(10年) 0.910%　→　0.720%　：　-0.190%
当初固定金利(10年) 1.180%　→　0.950%　：　-0.230%

楽天銀行フラット35はこちら

住宅ローン借り換え顧客が殺到！

• 三菱ＵＦＪ銀行：「申込が2倍に増加」
• SBI新生銀行：「４～５倍に増えた」
• その他銀行：　「相談会は予約が取りにくくなっている」

とマイナス金利発表後に、迅速に金利低下を行った銀行各社では、住宅ローンの借り換えに関する相談が急増している状態です。申込みの大半は借り換え需要と考えられており、借り換え限定のプランを用意する銀行も少なくありません。

借り換え限定プランを用意している注目の住宅ローン

りそな銀行住宅ローン（2016年3月時点）

変動金利（保証料、優遇込） 0.569%
当初10年固定金利（保証料、優遇込） 0.500%

と変動金利は他の銀行と大差はありませんが、当初10年固定金利で0.5％というのは他社を引き離す低金利になっていることは間違えありません。変動金利よりも当初10年固定金利の方が低金利という状況はかなり珍しいのです。借り換え限定のプランなので、借り換え利用者の方にはおすすめです。

りそな銀行住宅ローンはこちら

日銀がマイナス金利導入、国債金利もマイナス金利突入

日銀が2016年1月29日に「マイナス金利の導入」を発表しました。銀行が日銀に預金をする当座預金の一部の金利を－0.1％にする決定です。

影響としては

銀行はマイナス金利を避けるため日銀への預金や国債資金を別の融資先にお金を振り分ける必要があります。その融資先として有望なのは担保がありある程度安全の高い住宅ローンなのです。

また、日銀への当座預金と同じようにほぼノーリスクで資産を運用できる日本国債にも、銀行や金融機関は投資をしていましたが、こちらもマイナス金利になってしまい、さらに融資先が限定されている状況なのです。

この状況が続けば、銀行や金融機関の住宅ローンの顧客獲得競争はさらに激化することが予測されるのです。

1月新設住宅着工、前年同月対比0.2％増。2ヶ月ぶりの増加

1月の新設住宅着工戸数は前年同月対比で0.2％増の6万7815戸を記録しました。2か月ぶりの増加です。「持家」が0.1％減、「分譲住宅」が5.7％減と減少した一方で「貸家」が5.3％増と相続税の増税による相続税対策や投資需要が目立っています。横浜市マンションの杭打ちデータの改ざん問題が表面化した影響が徐々にでてきていることが予測されますが、2月以降はマイナス金利による住宅特需が発生しているため、着工数も伸びることが予測されます。

1月のマンション価格は低下、戸建て価格は上昇

マンション価格が前月対比4.12％増の2987万円。戸建て価格は前月対比3.13％増の3325万円という結果になりました。前年対比でみると、マンション価格は 6.33％増、戸建ては1.14％減とほぼ前年対比とかわらない状態になっています。3月の需要期に向けてマンション価格も上昇傾向にありますが、マイナス金利の影響で住宅ローン金利が低下し、住宅需要が伸びているので強気の価格設定に向かう可能性が高いと考えられます。

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