住宅ローン金利動向 2016年4月レポート

住宅ローン金利動向 2016年4月レポート

住宅ローンの動向をまとめた毎月のレポートです。住宅ローンを検討している方は参考にしていただければ幸いです。

主要住宅ローンの2016年3月から2016年4月の金利変動

• メガバンクが当初10年固定金利を0.10％引き上げ
• 変動金利が0.4％台に突入
• 10年未満の固定金利が上昇、10年超の固定金利が低下する傾向
• フラット35の金利低下が目立つ
• 不動産価格は今後さらに上昇する見込み

2016年3月の国債金利は-0.040％で、2016年4月の国債金利は-0.050％とマイナス金利の影響を受けて国債金利もマイナス金利の状態が続いていますが、先月対比でみると小幅に下がったという状態になります。

このマイナス金利状態を受けて、メガバンクとネット銀行で異なる動きが出てきています。

ネット銀行　→　変動金利をさらに引き下げ。0.4％台に
メガバンク　→　当初10年固定金利を引き上げ。1.100％に
フラット35　→　金利引き下げ

ネット銀行は日銀や国債などの安全な融資先がなくなってしまったため、住宅ローンへの貸し出しを増やす必要性が急務になり、変動金利を中心にさらに引き下げを行って顧客獲得を進めている状態です。

逆にメガバンクは足並みをそろえて、当初10年固定金利を0.1％引き上げました。これは国債金利の動きとは逆になってしまいますが、人件費や店舗コストの発生するメガバンクは金利引き下げを積極的に行えない事情もあり、談合的に引き上げたと言えるでしょう。

フラット35は国債金利に素直に連動する住宅ローンであるため、金利は国債金利と同様に小幅の低下となっています。

マイナス金利は時間が経てばたつほど、売り手側の不動産業者が強気の価格設定で不動産価格を上げてくるため、新規購入を検討している方は早めにジャッジすることをおすすめします。

主要住宅ローン最新トピック

長期金利は低下

新発10年国債利回り（長期金利）は、2016年3月1日時点で終値： -0.040％でしたが、2016年3月31日時点で終値： -0.050％と小幅に低下しました。「日銀のマイナス金利導入」の影響がそのまま国債金利に反映されている状態です。

ネット銀行の変動金利争いが0.40％台に

じぶん銀行　変動金利　：　0.568%　→　0.497%
ソニー銀行　変動金利　：　0.519%　→　0.499%

ついに変動金利の金利が0.4％台に突入しています。マイナス金利の影響を受けて、ここがチャンスと判断して、顧客獲得を強化する意向を持ったネット銀行を中心に変動金利を一段と引き下げる結果となっています。

じぶん銀行住宅ローンはこちら
ソニー銀行住宅ローンはこちら

フラット35は国債金利の影響を受けてさらに低下

フラット35は他の住宅ローンと異なり、競合他社の金利に左右されずに、シンプルに国債利回りの影響を受けるので、引き下げ幅が大きくなっています。全期間固定金利のフラット35、ならびにフラット35sは、金利上昇リスクもない為、検討すべきチャンスと考えらえます。

フラット35（融資額90％以下）

全期間固定金利(15～20年)　1.020%　→　1.020%　：　-0.000%
全期間固定金利(21～35年)　1.250%　→　1.190%　：　-0.060%

フラット35s

当初固定金利(10年) 0.720%　→　0.720%　：　-0.000%
当初固定金利(10年) 0.950%　→　0.890%　：　-0.060%

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住信SBIネット銀行フラット35が事務手数料を引き下げ

住信SBIネット銀行のフラット35が事務手数料を引き下げました。返済口座を住信SBIネット銀行に設定すると事務手数料は借入額の1.0％（税別）、他の銀行口座の場合は借入額の1.5％（税別）となっています。基本的に返済口座はその銀行の口座にすることにコストもデメリットも発生しないので、借入額の1.0％（税別）と考えて良いでしょう。フラット35はどこの銀行から入っても最低水準金利が同じであるため、事務手数料の安い銀行の方がお得なのです。住信SBIネット銀行のフラット35はこれで楽天銀行フラット35と並ぶおすすめのフラット35となっています。

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住宅ローン借り換え顧客が殺到！

• 三菱ＵＦＪ銀行：「申込が2倍に増加」
• SBI新生銀行：「４～５倍に増えた」
• その他銀行：　「相談会は予約が取りにくくなっている」

とマイナス金利発表後に、迅速に金利低下を行った銀行各社では、住宅ローンの借り換えに関する相談が急増している状態です。申込みの大半は借り換え需要と考えられており、借り換え限定のプランを用意する銀行も少なくありません。

借り換え限定プランを用意している注目の住宅ローン

りそな銀行住宅ローン（2016年3月時点）

変動金利（保証料、優遇込） 0.569%
当初10年固定金利（保証料、優遇込） 0.500%

と変動金利は他の銀行と大差はありませんが、当初10年固定金利で0.5％というのは他社を引き離す低金利になっていることは間違えありません。変動金利よりも当初10年固定金利の方が低金利という状況はかなり珍しいのです。借り換え限定のプランなので、借り換え利用者の方にはおすすめです。

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メガバンクは金利引き上げ

ネット銀行や国債金利とは逆にメガバンクの３行は主力の当初10年固定金利を1.0％引き上げました。

当初10年固定金利（保証料込）　1.000%　→　1.100％　：　＋0.100％

理由としては、3月は繁忙期だったため、本来の金利水準よりも引き下げていたものを元に戻したという形になります。そのため、4月金利は国債金利が小幅に下がったのにもかかわらず、金利を引き上げるという動きになっています。

2月新設住宅着工、前年同月対比7.8％増。2ヶ月連続の増加

2月の新設住宅着工戸数は前年同月対比で7.8％増の7万2831戸を記録しました。2か月連続の増加です。「持家」が0.8％増、「分譲住宅」が9.6％増、「貸家」が12.5％増と相続税の増税による相続税対策が目立っています。マイナス金利の影響はローン金利低下による投資需要の引き上げに限られているようです。2月の着工数なのでマイナス金利の影響は「持家」にはほとんど反映されていない実績データと言えます。

2月のマンション価格は上昇、戸建て価格は低下

マンション価格が前月対比1.9％増の3045万円。戸建て価格は前月対比1.16％減の3287万円という結果になりました。前年対比でみると、マンション価格は 3.91％増、戸建ては3.91％減とほぼ前年対比とかわらない状態になっています。これは2月のマイナス金利導入直後のデータになるのでそれほど影響は出ていませんが、ローン金利が下がる分需要が増えるため、3月、4月と時間を追うごとにマンション価格を中心に物件価格が値上がりすることが予想されます。

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