住宅ローン金利動向 2016年9月レポート

住宅ローン金利動向 2016年9月レポート

住宅ローンの金利動向・金利推移をまとめた毎月のレポートです。住宅ローンを検討している方は参考にしていただければ幸いです。

主要住宅ローンの2016年8月から2016年9月の金利変動

• 長期金利が約5か月半ぶりに高値を付ける
• 長期金利上昇に連動して住宅ローン金利は10年固定金利を中心に上昇
• フラット35金利も上昇幅が大きい
• 財務省が配偶者控除の見直し検討を表明

10年もの国債金利（長期金利）が2016年8月3日時点で-0.095％でしたが、2016年9月3日時点で-0.030％と国債金利は0.06％も上昇し、3月16日以来の高値を記録しました。7月29日の日銀の金融政策決定会合で「これまでの金融緩和策を総括する」と発表した影響で、今までの日銀の金融政策に関して上手くいっていないことが総括されれば、今までの国債大量買入れというのが制限されるかもしれない。と投資家は考え、国債を売る動きが活発化し、国債金利が上昇しているのです。「7月末の発表だったため、8月金利には反映されずに9月金利に大きく反映された。」というのが9月の住宅ローン金利上昇の背景にあります。

さらにイエレンFRB議長がCNBCのインタビューで9月の利上げの可能性に言及したため、円安株高が進行し、投資家が国債から株式へ資金を移行する動きも、国債金利上昇の要因となっています。

結果として住宅ローンの9月金利はメガバンク、ネット銀行、フラット35ともに変動金利を除く当初固定金利、全期間固定金利が上昇する形となっています。

ここにきて、住宅ローン金利が上昇する方向性となっていますが、いまだに10年もの長期金利がマイナス金利であるのは変わらず、日銀の黒田総裁も量・質・金利のいずれについても「追加緩和の余地は十分にある」と述べているため、マイナス金利の方針が変わらなければ、すぐに金利が上昇するものではないと予想されます。

また、消費者に影響があるトピックスるとしては財務省が配偶者控除の見直しを検討することを表明したことです。見直しの方向性は決まっていませんが、全体の税負担が変わらない形での検討をするため、専業主婦がいる世帯では控除額の減少は避けられず、住宅ローンの返済計画に影響することは間違えありません。住宅ローン選びの際には返済計画で「控除がないこと」「共働き」も視野に検討する必要があるでしょう。

主要住宅ローン最新トピック

長期金利は大幅に上昇

新発10年国債利回り（長期金利）は、2016年8月3日時点で終値： -0.095％でしたが、2016年9月3日時点で終値： -0.030％と0.06％の大幅に上昇しました。これは日銀の金融政策決定会合で「これまでの金融緩和策を総括する」と発表があったからです。総括で「金融緩和は失敗だった。規模を縮小しよう。」となってしまえば、国債価格は下がるため、国債を保有する投資家は損をしてしまいます。結果、この発表があったため国債を手放す投資家が増え、金利が急上昇したのです。日銀の金融緩和策の総括がどうなるか？は今後の国債金利の決定に大きな影響を与えるはずです。注視しておく必要があります。

住信SBIネット銀行が「Mr.住宅ローン」の販売を強化

住信SBIネット銀行はネット銀行ですが、住信SBIネット銀行の「ネット専用住宅ローン」と同じ商品スペックで「Mr.住宅ローン」を提供しています。「Mr.住宅ローン」は来店相談型の住宅ローンで、ネット銀行と同等のスペックの住宅ローン商品を、実際に店舗で相談しながら入ることができる商品です。住信SBIネット銀行は店舗を持たないため、販売しているのは銀行代理業としてのSBIマネープラザとARUHIになります。ネット銀行の低金利の商品を実際に対面で相談しながら入れるのは大きなメリットと言えます。

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ネット銀行の変動金利競争はキャンペーンでSBI新生銀行が低金利に

毎月のように変動するネット銀行による変動金利の低金利競争はじぶん銀行と住信SBIネット銀行がリードしています。ただし、8月はSBI新生銀行が-0.15％のキャンペーンを実施して、0.40％まで変動金利を引き下げたのでSBI新生銀行がトップに躍り出ています。

1. じぶん銀行（無条件）：0.497%
2. 住信SBIネット銀行（借り換え・頭金2割以上）：0.497%
3. ソニー銀行（頭金1割以上）：0.499%
4. SBI新生銀行：0.550％（キャンペーン適用0.400％）
5. イオン銀行：0.570％

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りそな銀行の借り換え金利が驚くほど低金利に

りそな銀行は借り換えを中心に顧客獲得をしている都市銀行ですが、りそな借りかえローンの当初10年固定金利は0.35％と過去に例のない低金利になっています。りそな借りかえローンは保証料も無料なので、0.45％で10年固定で借りられるのは大きなメリットと言えます。

りそな借りかえローン10年固定金利：0.45％（保証料無料）

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財務省が配偶者控除の見直し検討を表明

麻生太郎財務相は9月2日の閣議後の記者会見で、専業主婦世帯などの所得税額を軽くする「配偶者控除の見直し」を検討することを表明しました。専業主婦の方が働いてしまうと、配偶者控除から外れてしまうため、働かない、働いても年間103万円以内の収入にするという方が多い為、共働き世帯を増やしたい政府の意向と反する税制だからです。夫婦控除というような一律の控除にすることが検討されているとのことですが、内容はまだ不透明です。住宅ローンを利用する専業主婦がいる世帯にとっても大きな影響があるため、返済プランは控除なしで考える必要があるでしょう。

7月新設住宅着工、前年同月対比8.9％増加。2ヶ月ぶりの上昇

7月の新設住宅着工戸数は前年同月対比で8.9％増の8万5208戸を記録しました。2ヶ月ぶりの上昇です。「持家」が6.0％増、「分譲住宅」が9.1％減、「貸家」が11.1％増と相続税対策での貸家の建設需要が増加しているのが全体の着工数を押し上げています。先月落ち込んだ分譲住宅も回復しています。

7月のマンション価格は、戸建て価格とも大きな変動はなし

マンション価格が前月対比0.57％減の2999万円。戸建て価格は前月対比3.97％増の3346万円という結果になりました。前年対比でみると、マンション価格は 4.50％増、戸建ては4.04％増とマンションと戸建ての前年対比の伸び幅が近い数字になっています。マイナス金利での住宅ローン金利、不動産担保ローン金利の低下によって投資需要が伸び、売り手市場になっているためマンション、戸建と共に昨年対比で約4％の増加になっているということです。

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