住宅ローン金利動向 2016年10月レポート

住宅ローン金利動向 2016年10月レポート

住宅ローンの金利動向・金利推移をまとめた毎月のレポートです。住宅ローンを検討している方は参考にしていただければ幸いです。

主要住宅ローンの2016年9月から2016年10月の金利変動

• 日銀が金利ターゲットを導入
• 金利は大きな変動なし
• フラット35金利は若干上昇
• 物件価格の上昇が続く。前年対比で6.0％増加

10年もの国債金利（長期金利）が2016年9月3日時点で-0.030％でしたが、2016年9月30日時点で-0.085％と国債金利は0.055％下降しました。

9月20日に日銀は金融政策決定会合を開き、金利ターゲットの導入を決定しました。金利ターゲットは今までは7年～12年になるように日銀は国債買い入れをしてきましたが、今後は長期の国債買い入れを減額し、短期の国債買い入れを増額することで、全体の国債買い入れ額は同じ規模を保ちながらも、銀行や保険会社の経営に影響を与える長期金利を下げすぎない形を意図したものです。

実際に10年超25年以下、25年超は100億ずつ減らし、5年超10年以下は9月時点で減らしています。結局、買い手が減れば金利が上昇するのですが、10年もの国債金利は逆に下落しました。日銀は金利が-0.100％を下限として考えている様子で、今月の-0.085％はまだ許容範囲と考えているはずです。

長期金利は日銀が金利ターゲットを導入しても、その通りに金利が操作できるものではなく、市場参加者の取引動向に左右されます。ただし、今後はある程度0.0％～－0.1％の金利幅で10年もの国債金利は安定するという見方が強くなっています。

2016年10月に関しては、10年もの国債金利は低下しましたが、銀行も慎重な姿勢を崩さず、ほとんど住宅ローン金利は維持という形になっています。

10年もの国債金利の影響が遅れて出てしまうフラット35は金利が上昇しています。フラット35は20年以下が引き下げられ、20年超えが引き上げられた形になり、日銀の金利ターゲットを如実に表した形となっています。

主要住宅ローン最新トピック

長期金利は大幅に上昇

新発10年国債利回り（長期金利）は、2016年9月3日時点で終値： -0.030％でしたが、2016年9月30日時点で終値： -0.085％と0.044％低下しました。これは日銀の金融政策決定会合で金利ターゲットの導入が決定し、10年もの国債金利は買い入れ額が減るため、金利は上昇するはずですが「日銀も様子見をしながら減額を進めていること」「市場参加者も金利ターゲットの影響を様子見していること」で逆の金利低下という結果になっています。

住信SBIネット銀行が「Mr.住宅ローン」の販売を強化

住信SBIネット銀行はネット銀行ですが、住信SBIネット銀行の「ネット専用住宅ローン」と同じ商品スペックで「Mr.住宅ローン」を提供しています。「Mr.住宅ローン」は来店相談型の住宅ローンで、ネット銀行と同等のスペックの住宅ローン商品を、実際に店舗で相談しながら入ることができる商品です。住信SBIネット銀行は店舗を持たないため、販売しているのは銀行代理業としてのSBIマネープラザとARUHIになります。ネット銀行の低金利の商品を実際に対面で相談しながら入れるのは大きなメリットと言えます。

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ネット銀行の変動金利競争はキャンペーンでSBI新生銀行が低金利に

毎月のように変動するネット銀行による変動金利の低金利競争はじぶん銀行と住信SBIネット銀行がリードしています。ただし、10月はSBI新生銀行が0.45％まで変動金利を引き下げたのでSBI新生銀行がトップに躍り出ています。ただし、SBI新生銀行の変動金利は、実質的には当初6ヶ月固定金利であり、半年後には金利が上昇してしまうので注意が必要です。

1. SBI新生銀行：0.450％
2. じぶん銀行（無条件）：0.497%
3. 住信SBIネット銀行（借り換え・頭金2割以上）：0.497%
4. ソニー銀行（頭金1割以上）：0.499%
5. イオン銀行：0.570％

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日銀が金利ターゲットを導入

日銀が9月20日の金融政策決定会合で金利ターゲットの導入を決定しました。長期の国債金利の買い入れ額を減らして、短期の国債金利の買い入れ額を増やすオペレーションです。住宅ローン金利も、国債金利に連動するので当初2年、当初3年、当初5年という短期金利は金利低下が見込まれますが、当初10年以上の長期固定金利は金利上昇が見込まれます。日銀の金利ターゲットは、銀行や保険会社へのマイナス金利の経営への影響を減らすことと投資家や市場参加者に対して国債買い入れ額を減らさないことをアピールするための苦肉の策となっています。

財務省が配偶者控除の見直し検討を表明

麻生太郎財務相は9月2日の閣議後の記者会見で、専業主婦世帯などの所得税額を軽くする「配偶者控除の見直し」を検討することを表明しました。専業主婦の方が働いてしまうと、配偶者控除から外れてしまうため、働かない、働いても年間103万円以内の収入にするという方が多い為、共働き世帯を増やしたい政府の意向と反する税制だからです。夫婦控除というような一律の控除にすることが検討されているとのことですが、内容はまだ不透明です。住宅ローンを利用する専業主婦がいる世帯にとっても大きな影響があるため、返済プランは控除なしで考える必要があるでしょう。

8月新設住宅着工、前年同月対比2.5％増加。2ヶ月連続の上昇

8月の新設住宅着工戸数は前年同月対比で2.5％増の8万2242戸を記録しました。2ヶ月連続の上昇です。「持家」が4.3％増、「分譲住宅」が12.7％減、「貸家」が9.9％増と相続税対策での貸家の建設需要が増加しているのが全体の着工数を押し上げています。先月落ち込んだ分譲住宅も回復しています。ローン金利の低下が長期化していることも、着工数増加の後押し要因となっています。

8月のマンション価格は、戸建て価格とも若干上昇

マンション価格が前月対比0.33％増の3009万円。戸建て価格は前月対比0.92％増の3379万円という結果になりました。前年対比でみると、マンション価格は 6.17％増、戸建ては6.27％増とマンションと戸建ての前年対比の伸び幅が近い数字になっています。マイナス金利での住宅ローン金利、不動産担保ローン金利の低下によって投資需要が伸び、売り手市場になっているためマンション、戸建と共に昨年対比で約6％の増加になっているということです。

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