住宅ローン金利動向 2017年4月レポート

住宅ローン金利動向 2017年4月レポート

住宅ローンの金利動向・金利推移をまとめた毎月のレポートです。住宅ローンを検討している方は参考にしていただければ幸いです。

主要住宅ローンの2017年3月から2017年4月の金利変動

• 10年もの国債金利（長期金利）は維持
• 全体的に金利は変わらず
• メガバンクは当初10年固定金利を1.0％台に引き上げ
• 予算案が可決され「フラット35子育て支援型」がスタート
• ゆうちょ銀行は住宅ローン参入を断念

10年もの国債金利（長期金利）は2017年3月30日時点で0.060％でしたが、2017年3月1日時点で0.060％と国債金利は維持しました。

アメリカ大統領ドナルド・トランプ氏が日銀の国債買入れをはじめとした金融政策に対して「円安誘導だ。」と名指しでクレームを入れて、若干日銀は国債買入れに対して及び腰になっていたものの、トランプ氏就任による円安ドル高も沈静化し、再び国債買入れによる金利コントロールが強化されている様相です。

日銀は金利ターゲットで10年もの国債金利を0.000％（プラスマイナス0.100％）にすることを目標にしているので、3月の月中には一時的に0.090％に近づきましたが、国際買入れの影響で0.060％と前月と同水準に戻った形になります。そのため、各銀行の住宅ローン金利もほとんど変わっていませんが、繁忙期である3月までのキャンペーンを展開していた銀行も多い為、キャンペーンが終了した結果が金利が上昇している銀行もあります。また、メガバンクは当初10年固定金利を1年2か月ぶりに1.0％台に引き上げています。

大きなトピックスとしては、2017年度の政府予算が成立し、「フラット35子育て支援型」がスタートしました。また、ゆうちょ銀行が住宅ローンやカードローン、企業融資の金融庁への申請を取り下げ事実上、参入を断念しています。競合する地方銀行からの圧力に配慮したことが大きな理由と考えられています。

主要住宅ローン最新トピック

長期金利は横這い

新発10年国債利回り（長期金利）は、2017年3月1日時点で終値： 0.060％でしたが、2017年3月31日時点で終値： 0.060％と金利は横ばいとなっています。一時的に0.090％まで上昇しましたが、日銀の国債買入れによって再び低下し、結果、前月対比は横ばいで推移した形になります。トランプ大統領就任による円安／ドル高も陰りが出てきたことが要因と考えられます。

ネット銀行の変動金利競争は抜きつ抜かれつの状況

毎月のように変動するネット銀行による変動金利の低金利競争はじぶん銀行と住信SBIネット銀行がリードしています。無条件の分、若干じぶん銀行が有利と考えて良いでしょう。2017年2月は住信SBIネット銀行は借り換え向けのキャンペーン金利を0.447％まで引き下げ、一躍トップに躍り出ました。借り換えや頭金○割以上という条件付で低金利のプランを打ち出す銀行が増えています。

1. 住信SBIネット銀行（借り換え）：0.447%
2. じぶん銀行（無条件）：0.497%
3. 住信SBIネット銀行（頭金2割以上）：0.497%
4. ソニー銀行（頭金1割以上）：0.499%
5. SBI新生銀行：0.550％
6. イオン銀行：0.570％

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借り換えで住信SBIネット銀行が主要銀行で一番の低金利に

住信SBIネット銀行の変動金利が

• 住信SBIネット銀行（借り換え）：0.447%
• 住信SBIネット銀行（頭金2割以上）：0.497%
• 住信SBIネット銀行（その他）：0.568%

となり、借り換えではりそな銀行やSBI新生銀行を抜いてトップの低金利となりました。

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メガバンクは揃って金利を引き上げ。1.0％台に入る銀行も

各銀行の当初10年固定金利（保証料0.2％込）

• 三菱ＵＦＪ銀行　1.050%
• 三井住友信託銀行銀行　0.750%～1.050%
• 三井住友銀行　1.050%
• りそな銀行　1.1％　→　1.15％
• みずほ銀行　1.075%～1.550%

メガバンクは、ネット銀行と比較して当初10年固定金利を打ち出していますが、長期金利の上昇に伴い、徐々に金利を引き上げています。2017年4月は三菱ＵＦＪ銀行、みずほ銀行と1.0％台を超える銀行が増えてきています。

フラット35子育て支援型がスタート

「フラット35子育て支援型」は政府が進める希望出生率1.8という目標のために住宅金融支援機構が導入した新しいフラット35の金利プランです。

• 当初5年間 年0.25％引き下げ
• 利用条件：若年子育て世帯、若年子育て世帯・親世帯等による同居・近居
• フラット35S、フラット35リノベとの併用可能

となっていて、フラット35Sと併用すれば、当初5年間は0.55％以上の金利引き下げとなり、全期間固定金利がさらに当初期間金利が引き下げられることになります。利用条件などはまだ決まっていないものの、要チェックのフラット35新制度と言えるでしょう。

ゆうちょ銀行が住宅ローン参入を断念

ゆうちょ銀行は2012年に住宅ローン、カードローン、企業融資の申請を金融庁に提出していましたが、金融庁が認可しない状態が続き、結果的にゆうちょ銀行は申請を取り下げ、住宅ローン、カードローン、企業融資への参入を断念しました。金融庁が認可しない理由は、マイナス金利ですでに収益性が圧迫されてしまっている地方銀行に配慮したものと考えられています。

日銀が金利ターゲットを導入

日銀が9月20日の金融政策決定会合で金利ターゲットの導入を決定しました。長期の国債金利の買い入れ額を減らして、短期の国債金利の買い入れ額を増やすオペレーションです。買い手が多ければ金利は低下するので、傾向としては長期の固定金利は金利が上昇し、短期の固定金利は金利が低下することになります。逐一金利を見ながら、国債買い入れの量をコントロールしていくため、金利の安定が予測されるのです。ただし、トランプ氏の円安誘導批判により「日銀がどう動くのか？」不透明な部分が広がっています。

配偶者控除は150万円以下に上限引き上げで2017年度の税制改正大綱決定

配偶者控除は配偶者の年収が103万円以下の場合に所得税から38万円を控除できる仕組みですが、2017年度の税制改正大綱決定で150万円以下への引き上げが決定しました。配偶者の所得が150万円以下であれば、引き続き所得税から38万円を控除できることになります。一方で、歳出を変えないために、世帯主の年収制限を設定し、世帯主の年収が1120万円を超える世帯の場合には、控除額が減る設定となっています。

配偶者控除上限引き上げ詳細はこちら

2月新設住宅着工、前年同月対比2.6％減。8か月ぶりの減少

2月の新設住宅着工戸数は前年同月対比で2.6％減の7万912戸を記録しました。8か月ぶりの減少です。「持家」が1.6％増、「分譲住宅」が17.9％減、「貸家」が6.8％増となっています。「分譲住宅」は大型分譲マンションの建設に大きく左右されるため、2月は大幅な減少となっています。一方で、相続税対策の貸家建設は順調に増加しています。

2月のマンション価格は減少、戸建て価格は上昇

マンション価格が前月対比0.44％増の3152万円。戸建て価格は前月対比0.86％減の3358万円という結果になりました。前年対比でみると、マンション価格は3.51％増、戸建ては2.16％増となっています。長期化する低金利の影響を受けて、昨年対比で見るとマンション価格も、戸建て価格も上昇傾向が続いています。4月を過ぎると繁忙期を過ぎるため、若干価格は低下することが予想されます。

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