住宅ローン金利動向 2017年7月レポート

住宅ローン金利動向 2017年7月レポート

住宅ローンの金利動向・金利推移をまとめた毎月のレポートです。住宅ローンを検討している方は参考にしていただければ幸いです。

主要住宅ローンの2017年6月から2017年7月の金利変動

• 10年もの国債金利（長期金利）は微増
• 10年以上の固定金利もほぼ変わらず
• 欧州中央銀行（ECB）のドラギ総裁が金融引き締めを示唆

（長期金利）は2017年6月5日時点で0.045％でしたが、2017年6月28日時点で0.055％と国債金利は0.01％上昇しました。

長期金利はこの1ヶ月ではほとんど大きな動きはなく、住宅ローン金利も、変動金利から固定金利まで大きな金利変動は起きていません。欧州中央銀行（ECB）のドラギ総裁がデフレの脅威は過ぎ去った」と金融引き締めを示唆する発言をし、続いて英中銀のカーニー総裁も金融引き締めを示唆するなど、世界的に金利引き締めが進む可能性が大きくなりました。

結果として、7月3日時点では長期金利も0.080％まで急上昇しています。

投資家の心理としては「金利が高い国債を買いたい。」のが当然ですので、世界的に利上げの局面になれば、低金利の日本国債から、高金利の海外の国債に資金は流れてしまいます。

日本国債に買い手がつかない状況だと、日本国債の金利も引き上がるため、住宅ローン金利も上昇する可能性が高いことになります。

ただし、日銀は国債金利をプラスマイナス0.100％以内に収める金利ターゲットによる国債買い入れを掲げているため、金利上昇圧力が高くなれば、国債買い入れを強化して対抗する可能性が高いのです。

「世界の金利上昇圧力　vs 日銀の国債買入れ」という構図になりますが、住宅ローン金利は一時的に上昇する可能性があるものの、今の日本の景気の状態では日銀が国債金利の上昇を放置するわけにはいかないため、0.100％程度が関の山という見方が大勢のようです。

固定金利の上昇が見込まれる段階で、変動金利は今なお金利競争で低金利に設定されているため、検討すべき金利タイプと言えます。

主要住宅ローン最新トピック

長期金利は大幅に低下

新発10年国債利回り（長期金利）は、2017年6月5日時点で終値： 0.045％でしたが、2017年6月28日時点で終値： 0.055％と金利はほとんど変わらない、微増という形となっています。ただし、7月に入ると7月3日時点で0.080％と世界の金利上昇の流れで一時的に長期金利が上昇しています。

世界的な金利上昇が進む！日本は？

6月27日：欧州中央銀行（ECB）のドラギ総裁が金融引き締めを示唆
6月27日：英中銀のカーニー総裁も利上げを示唆
6月27日：オーストラリア、米国、ドイツともに10年もの国債が急上昇

日本も、7月3日：10年もの国債が急上昇

出典：日経新聞

今までは、世界的に「金融緩和による低金利政策によって、不景気から脱しよう」という流れがあり、世界中で金融緩和合戦の様相を呈していましたが、米国や欧州など徐々に製造業を中心い経済が回復基調にあるため、金利の正常化の流れが起きつつあるのです。

日本も、この流れにのって金利を引き上げ、金利正常化をしたいところですが、残念ながら日本は経済が回復基調になく、安倍政権や日銀の黒田総裁は「物価上昇」「大規模金融緩和」という旗を降ろせる状況でないのも事実なのです。

国債金利が上昇すれば住宅ローン金利も上昇します。現在は、国債買入れ、金利ターゲットを中止できる状態ではないため、急激な金利上昇とはなりませんが、徐々に金利は上昇する可能性が高まっていることは理解しておく必要があります。

ネット銀行の変動金利競争は抜きつ抜かれつの状況

毎月のように変動するネット銀行による変動金利の低金利競争はじぶん銀行と住信SBIネット銀行がリードしています。無条件の分、若干じぶん銀行が有利と考えて良いでしょう。2017年6月は住信SBIネット銀行は借り換え向けのキャンペーン金利を0.444％まで引き下げ、一躍トップに躍り出ました。借り換えや頭金○割以上という条件付で低金利のプランを打ち出す銀行が増えています。

1. 住信SBIネット銀行：0.444％
2. じぶん銀行（無条件）：0.497％
3. ソニー銀行（頭金1割以上）：0.499％
4. イオン銀行：0.570％
5. SBI新生銀行：0.600％

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住信SBIネット銀行の疾病保障の保障範囲が拡大

2017年5月以前

8疾病保障のみ（女性はガン診断給付金）

ガン（悪性新生物）、急性心筋梗塞、脳卒中、高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎

2017年6月～

精神障害等を除く。すべての病気・ケガの疾病保障（女性はガン診断給付金）

ガン（悪性新生物）、急性心筋梗塞、脳卒中、高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎、その他の病気やケガ

となります。

どちらも、

• 就業不能状態になると住宅ローン返済額が保険で支払われる。（8疾病保障以外の病気・ケガは入院での就業不能状態）
• 就業不能状態が1年経過すると住宅ローン残債が保険で支払われる。

保障で、無料付帯です。住宅ローンの中で非常に有利な保障設定と言えます。

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メガバンクは揃って金利を引き上げ。1.2％台に入る銀行も増加

各銀行の当初10年固定金利（保証料0.2％込）

• 三菱ＵＦＪ銀行　1.200%
  三井住友信託銀行銀行　1.275%～1.750%
  三井住友銀行　1.250%
  りそな銀行　1.250％
  みずほ銀行　1.050％～1.500％

メガバンクは、ネット銀行と比較して当初10年固定金利を打ち出していますが、長期金利の上昇に伴い、徐々に金利を引き上げています。2017年6月は三菱ＵＦＪ銀行、三井住友銀行と1.2％台を超える銀行が増えてきています。

日銀が金利ターゲットを導入

日銀が9月20日の金融政策決定会合で金利ターゲットの導入を決定しました。長期の国債金利の買い入れ額を減らして、短期の国債金利の買い入れ額を増やすオペレーションです。買い手が多ければ金利は低下するので、傾向としては長期の固定金利は金利が上昇し、短期の固定金利は金利が低下することになります。逐一金利を見ながら、国債買い入れの量をコントロールしていくため、金利の安定が予測されるのです。ただし、トランプ氏の円安誘導批判により「日銀がどう動くのか？」不透明な部分が広がっています。

配偶者控除は150万円以下に上限引き上げで2017年度の税制改正大綱決定

配偶者控除は配偶者の年収が103万円以下の場合に所得税から38万円を控除できる仕組みですが、2017年度の税制改正大綱決定で150万円以下への引き上げが決定しました。配偶者の所得が150万円以下であれば、引き続き所得税から38万円を控除できることになります。一方で、歳出を変えないために、世帯主の年収制限を設定し、世帯主の年収が1120万円を超える世帯の場合には、控除額が減る設定となっています。

配偶者控除上限引き上げ詳細はこちら

5月新設住宅着工、前年同月対比0.3％減。3ヶ月ぶりに反転

5月の新設住宅着工戸数は前年同月対比で0.3％減の7万8481戸を記録しました。「持家」が1.5％増、「分譲住宅」が3.9％減、「貸家」が1.6％増となっています。相続税対策の貸家建設は順調に増加していますが、分譲マンションの着工数が減ったため、全体として着工数減という結果になっています。

5月のマンション価格は上昇、戸建て価格は低下

マンション価格が前月対比2.27％減の3173万円。戸建て価格は前月対比0.48％減の3313万円という結果になりました。前年対比でみると、マンション価格は6.08％増、戸建ては2.22％増となっています。長期化する低金利の影響を受けて、昨年対比で見るとマンション価格も、戸建て価格も上昇傾向が続いています。たたし、直近で見ると3月の繁忙期をすぎて価格は若干低下傾向にあります。

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