住宅ローン金利動向 2013年9月レポート
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- 作者: 住宅ローン比較
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住宅ローン金利動向 2013年9月レポート
住宅ローンの動向をまとめた毎月のレポートです。住宅ローンを検討している方は参考にしていただければ幸いです。
主要住宅ローンの2013年8月から2013年9月の金利変動
銀行 | プラン | 8月 | 9月 | 変動幅 |
---|---|---|---|---|
SBI新生銀行 住宅ローン | 当初5年固定金利 | 1.400% | 1.300% | -0.100% |
当初10年固定金利 | 1.750% | 1.700% | -0.050% | |
当初15年固定金利 | 1.950% | 1.850% | -0.100% | |
住信SBIネット銀行 住宅ローン | 当初5年固定金利 | 1.030% | 0.930% | -0.100% |
当初10年固定金利 | 1.350% | 1.250% | -0.100% | |
当初15年固定金利 | 2.120% | 2.070% | -0.050% | |
35年固定金利 | 2.440% | 2.390% | -0.050% | |
ソニー銀行住宅ローン | 変動金利 | 0.787% | 0.699% | -0.088% |
固定5年変動セレクト | 1.273% | 1.192% | -0.081% | |
固定10年変動セレクト | 1.740% | 1.679% | -0.061% | |
固定15年変動セレクト | 2.286% | 2.193% | -0.093% | |
固定20年超変動セレクト | 2.720% | 2.637% | -0.083% | |
フラット35 | 20年以内固定金利 | 1.680% | 1.630% | -0.050% |
21年~35年以内固定金利 | 1.990% | 1.940% | -0.050% | |
三井住友銀行 住宅ローン | 15年固定金利 | 2.400% | 2.290% | -0.110% |
25年超固定金利 | 2.660% | 2.520% | -0.140% | |
みずほ銀行 住宅ローン | 固定5年上限 | 1.700% | 1.600% | -0.100% |
固定10年上限 | 1.850% | 1.750% | -0.100% | |
固定15年 | 2.200% | 2.150% | -0.050% | |
固定25年 | 2.450% | 2.400% | -0.050% | |
固定35年 | 2.550% | 2.500% | -0.050% | |
三菱UFJ銀行 住宅ローン | 固定5年上限 | 1.200% | 1.100% | -0.100% |
固定10年上限 | 1.700% | 1.500% | -0.200% | |
固定25年 | 2.860% | 2.560% | -0.300% | |
固定35年 | 2.960% | 2.660% | -0.300% |
- 全銀行とも、0.05%~0.10%金利引き下げ
- ソニー銀行はさらに変動金利を引き下げ
- 大手都市銀行は、当初10年固定が1.5%台に
新発10年物国債の金利が0.745%と5月末の0.9%はもちろん、先月の0.795%よりもさらに低下した。これによって、各銀行ともさらに金利を下げたのである。
さらには、消費増税による駆け込み需要を取り込む意味でも住宅ローンの競争が激化していると言っていいだろう。4月、5月には、株価上昇、円安というアベノミクス効果が出たことから、多くの方が将来の金利上昇を危惧して、変動金利から当初固定金利に流れ、変動金利利用者の割合が約45%から約35%に減ったのだが、5月末の国債金利上昇によって、6月からほとんどの銀行の長期固定金利が上昇したのだが、変動金利は逆に下がり続けたため現在は、変動金利を選ぶ方の割合は元に戻っているのである。
変動金利といえば、SBI新生銀行、住信SBIネット銀行、ソニー銀行などのネット銀行の強い部分であり、これにイオン銀行も参戦してきた。
大手都市銀行はシェアを奪われてきてしまったこともあり、9月から来年に向けての金利引き下げ競争に加わるべく、当初10年固定金利を引き下げてきたものと思われる。
消費増税が回避という判断にならない限り、来年3月までサービス競争、金利競争は激化すると予測される。例え、消費増税が回避されても、すでに不動産業界は、売るためのマンションを作りすぎているため、価格を下げてでも販売せざるを得ず、住宅購入者は増えると思われる。
主要住宅ローン最新トピック
国債金利がさらに低下で軒並み住宅ローン金利が低下
新発10年国債利回りは、5月末の0.92%から、7月末で0.79%、8月末0.74%まで低下。そもそも、日銀が国債の買い入れを示したことから、本来は国債金利は低下するものだったはずであるが、株式市場の好調により、投資家が国債に避難させていた資金の現金化を急いだために5月は国債が急上昇したのである、このまま国債金利はなだらかに下がっていくのではないだろうか。
ネット銀行の変動金利競争がさらに激化している
先月は、イオン銀行が変動金利競争に参戦し、いきなり一番低金利の0.77%を打ち出して顧客の獲得を強化した。今月はソニー銀行がさらに変動金利を押し下げ、変動セレクトプランでは、0.699%と未知の0.6%台に載せてきた。疾病保証が付いている住信SBIネット銀行も0.815%と金利を引き下げ、事務手数料が安いSBI新生銀行が今後どういう形で金利を引き下げるのかが見ものという状況である。
7月新設住宅着工、前年同月対比12.0%増
住宅の着工戸数が止まらない。国土交通省が発表した平成25年7月の住宅着工の動向では、新設住宅着工戸数は前年同月比12.0%増の8万4459戸。これは11カ月連続の増加という結果である。消費増税の来年1月~3月の駆け込み需要を狙ったディベロッパーが売り物の物件数をそろえるために分譲マンションを着工している。このことからも、消費増税の回避という判断は非常に少ないといっていいだろう。各ディベロッパーは、消費増税の駆け込み需要を目論んで作ってしまっているのである。ここで消費増税が回避され、思った以上に販売が売れ残ってしまえば、住宅購入者は価格が下がって嬉しい限りであるが、ディベロッパーのダメージは計り知れない。不動産市場の冷え込みは、景気に大きな影響を与えるため、よほどの材料がない限り、安倍内閣も増税はこのまますすめるのではないだろうか。
戸建価格は下降、マンション価格は下降
首都圏の戸建て価格の平均は2013年7月で3212万円と前月の3088万円から約124万円も上昇。首都圏のマンション価格の平均は2013年7月で2574万円と前月の2572万円から微増という結果になった。今後も年末から来年春に向けては消費増税の駆け込み需要を狙う形で毎月価格が上昇していく可能性が高い。
住宅ローン政策関連トピック
消費増税の議論が白熱
10月には判断を下すとされている消費増税をめぐる論議が加熱してきている。有識者60名に意見を聞くというよくわからないパフォーマンスをしながらも、政府はすでに消費増税の実施を決めているのではないだろうか。
消費増税による景気冷え込みの影響が大きく、さらには税収入も伸びない可能性があろうとも、不動産業界も含めて、国際社会にも、公言してしまって大きく動いている状況を今更なしにするのは、これもまた大きな影響があるのである。
来年の税制要望の要点
不動産関連団体が政府に2014年度の税制要望を提示した。内容としては、中古住宅の流通対策として、不動産取得税などの免除と、リフォームでの住宅ローン減税の強化を求めている。人口は減少するのにもかかわらず作りすぎた物件があるため、中古住宅市場とリフォーム市場が主役になるという産業構造の転換が予測される。
住宅購入を考えている人は、そもそも消費増税があろうと、なかろうと、消費増税の前後で負担は変わらない。まどわされずに検討すべきである。