住宅ローン金利動向 2013年11月レポート

住宅ローン金利動向 2013年11月レポート

住宅ローンの動向をまとめた毎月のレポートです。住宅ローンを検討している方は参考にしていただければ幸いです。

主要住宅ローンの2013年10月から2013年11月の金利変動

• 20年以上の長期固定金利は0.15％～0.20％の引き下げ
• 10年固定金利は0.05％～0.10％の引き下げ
• 住信SBIネット銀行が新しい住宅ローン「Mr.住宅ローン」を投入し、変動金利一番低金利に

長期固定金利の算定基準になる新発10年物国債の金利が5月末の0.9％に比べて、0.605％と低下した。これは前月の0.69％から約0.085％下がったことになる。各銀行とも、この長期国債金利の低下を受けて、さらに金利を引き下げた。当初10年固定以上で0.05％～0.10％の引き下げ、20年以上の固定金利は0.15％～0.20％引き下げた銀行が多かった。

大きなトピックスとしては、住信SBIネット銀行が独自商品の住宅ローン「Mr.住宅ローン」をはじめたことだろう。今までは、三井住友信託銀行の商品を販売する形式をとっていたが、自社商品に切り替えたことで、さらに金利の引き下げを実現している。変動金利は0.698％とソニー銀行を抜いて一番の低金利に。当初10年固定金利でも、1.15％とほかを引き離す低金利を実現している。

フラット35は、全体に比べて金利の引き下げ幅が少なかった。1.610%→1.520%、1.930%→1.810%と微減にとどまった。

全体として、10年ものの国債金利の低下と来年の消費増税の駆け込み需要を狙って、金利引き下げ競争が一段と激しくなっているようだ。来年の3月まではこの傾向が続くと思われる。

主要住宅ローン最新トピック

国債金利がさらに低下で軒並み住宅ローン金利が低下

新発10年国債利回りは、5月末の0.92％から、7月末で0.79％、8月末0.74％、9月末0.69％、9月末0.605％まで低下。日銀の国債買い入れ時の0.50％ぐらいまでは低下してもおかしくない。引き続きこの国債金利の低下とそれに伴う10年以上の固定金利の低下が続いていくものと思われる。

住信SBIネット銀行の「Mr.住宅ローン」

イオン銀行が変動金利に参入し、0.77％の最低金利を更新したと思ったら、ソニー銀行が0.699％まで変動金利を引き下げてきた。今月は住信SBIネット銀行が「Mr.住宅ローン」という新商品を投入し、さらに低い0.698％の金利で住宅ローンを提供する形になった。「Mr.住宅ローン」は、住信SBIネット銀行の住宅ローンの特徴であった、疾病保障付き団信無料付帯も引き続き提供されている。また、震度６強以上の地震が発生した場合、被害状況に関係なく地震見舞金（保険金）が支払われる地震補償制度も当初1年間は無料付帯など、特典も強化されながら、変動金利も業界1位の低金利と、かなり強力な商品になっている。

住信SBIネット銀行の「Mr.住宅ローン」はこちら

SBI新生銀行住宅ローン「頭金300万円以上で金利0.1％優遇」キャンペーン

SBI新生銀行は、頭金を300万円以上にした場合の金利優遇キャンペーンをはじめた。変動金利での金利面で他の銀行よりもおくれをとってしまっている形だが、事務手数料が10万円という格安であるメリットは健在である。さらに優遇キャンペーンを展開し、借り換え需要を狙っていく作戦と言えるだろう。

SBI新生銀行住宅ローン「頭金300万円以上で金利0.1％優遇」キャンペーンはこちら

8月新設住宅着工、前年同月対比19.4％増

住宅の着工戸数が止まらない。先月が8.8％の伸びだったことを考えると、さらに着工数が伸びて19.4％の増加になっている。国土交通省が31日に発表した平成25年9月の住宅着工の動向では、新設住宅着工戸数は前年同月比19.4％増の8万8539戸。これは13カ月連続の増加という結果で、リーマンショック以来の高い結果となった。住宅ローン減税などの政策も虚しく、消費増税前の駆け込み需要が本格化していると言い切れるレベルになってきた。4月以降の反動が景気に与える影響が危惧されるが、住宅ローン利用者にとっては、供給が過剰になれば価格が下がるので歓迎できる展開と言えるだろう。

戸建価格は下降、マンション価格は下降

9月のマンションの平均価格は2654万円と前月対比+3.69％と価格が高騰している。前年対比で見ると6.1％の価格増加になっている。戸建は平均価格は3256万円で前月比+6.51％、前年同月対比+2.95％とマンション同様に平均価格が上がっている。インフレの前触れと考えることもできるが、実際には消費税駆け込み需要を狙った強気の価格設定と言えるだろう。しかし、供給過多になれば物件価格は下がらざるを得ない。

住宅ローン政策関連トピック

住宅向け火災保険料、2015年度にも3～5%引き上げで検討

損害保険会社は、住宅ローンの火災保険料を2015年には、3%～5％引き下げる形で検討している。温暖化の影響か、近年台風や竜巻、ゲリラ豪雨、震災などの災害発生の確率が上昇し、損害保険会社の収益が悪化している現状が要因となっている。負担増は年間数百円～数千円程度なので、致し方ない部分と言えるだろう。

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