住宅ローン金利動向 2015年3月レポート

住宅ローン金利動向 2015年3月レポート

住宅ローンの動向をまとめた毎月のレポートです。住宅ローンを検討している方は参考にしていただければ幸いです。

主要住宅ローンの2015年2月から2015年3月の金利変動

• 国債金利の低下が一服

• 各銀行とも10年以上の固定金利が１月の状態に戻る

• フラット35sの金利が低下

2015年2月には過去最低水準の国債金利0.285％に伴い、各銀行とも10年以上の固定金利を引き下げました。これが3月時点ではやや上昇し、0.345％になっています。

理由としては、日銀は1月21日の金融政策決定会合で「追加的な（金融緩和）措置はいらない」（黒田東彦総裁）と発言し、各金融機関が日銀の買取が見込めないのであれば、積極的に国債を購入しにくいという状況が生まれ、国債を買うための入札が不調になり、金利が上昇したという形になっています。

また、同時にアメリカの雇用統計が良い数字を発表するなど、アメリカ経済の好調ぶりが日本国債の入札が不調に終わった理由とも言われています。

結果として、住宅ローン金利は全体的に1月の水準に戻った形になりました。

とはいえ、金利が低金利である状況は大きく変わってはいません。逆に金利の上昇の転換点にあるとするのであれば、今こそ空前のチャンスと言っても良いでしょう。固定金利はもちろん、変動金利も、当初10年固定金利も、すべてが低金利の状態なので、住宅価格は高止まりしてしまっていますが、金利のことを考えれば消費増税前に決断するタイミングと言っても過言ではないと思います。

また、大きなトピックとして平成26年度補正予算の閣議決定の結果をうけて、省エネルギー性、耐震性などに優れた住宅に適用される「フラット35s」の金利が0.3％も低くなりました。新築購入を考えている方にはフラット35sも大きな検討事項になるでしょう。

主要住宅ローン最新トピック

長期金利がやや上昇

新発10年国債利回り（長期金利）は、2015年2月3日時点で終値： 0.23％でしたが、2015年3月3日時点で終値： 0.345％とやや上昇した形になります。日銀の黒田総裁が追加の金融緩和は必要ないと発言したことで、各金融機関が国債の入札に積極的にならなかった結果、長期金利が微増という形になってのです。長期金利の影響を受けて、各銀行の住宅ローン金利もやや上昇しています。

フラット35sの金利が引き下げ

省エネルギー性、耐震性などに優れた住宅で適用されるフラット35sの金利が平成26年度補正予算の閣議決定をうけて引き下げられました。

楽天銀行フラット35の2015年3月時点の金利では

金利の引き下げ幅が　▲年0.3％　→　▲年0.6％

• 15年以上～20年以下：0.60％（11年目以降 年1.20％）
• 21年以上～35年以下：0.87％（11年目以降 年1.47％）

となり、当初10年間の金利引下げが拡大しているのです。変動金利並みの低金利でフラット35の固定金利が利用できるので見逃せないポイントと言っていいでしょう。

楽天銀行フラット35はこちら

三菱ＵＦＪ銀行がネット銀行仕様の住宅ローンを展開

三菱ＵＦＪ銀行が三菱ＵＦＪ銀行の出資している子会社「じぶん銀行」専用のネット住宅ローンのサービス提供をはじめました。ここ数年、ネット銀行の登場によって、メガバンクの存在感が希薄化してしまっていたのですが、それを取り戻すべく、三菱ＵＦＪ銀行ブランドの住宅ローンをネット銀行仕様に仕立て直したのです。

具体的には、通常メガバンクは保証料が金利に0.2％上乗せされる分、事務手数料が32,400円と安くなっているのですが、金利の0.2％上乗せというのが保証料が無料のネット銀行と比較すると大きな負担になってしまうのです。

そこで、じぶん銀行が販売する三菱ＵＦＪ銀行ネット住宅ローンでは、保証料を無料にして、その代わりに事務手数料を借入額の2.16％にする形にしたのです。これはネット銀行とほぼ同じ設定なのです。

信頼性の高いメガバンクの住宅ローンでありながら、ネット銀行と同じ諸費用と低金利で利用できるメリットがあると言っていいでしょう。

三菱東京ＵＦＪネット住宅ローン[じぶん銀行専用] はこちら

りそな銀行の住宅ローンが借り換え限定で低金利に

りそな銀行は昨年末から借り換え専用の「りそな借り換えローン」をサービス提供しています。特徴はネット銀行並みの低金利とネット銀行と同じ形の諸費用設定です。

2015年2月時点の金利は

• 変動金利　0.650％
• 当初10年固定金利　0.850％
• 一般的なネット銀行：「保証料0円」＋「事務手数料借入額の2.16％」
• 一般的なメガバンク・地方銀行：「保証料金利＋0.2％」＋「諸費用 3万2400円」
• りそな借り換えローン：「保証料0円」＋「事務手数料借入額の2.16％」＋「諸費用 3万2400円」

と諸費用が3万2400円分ネット銀行よりも高くなってしまいますが、ほとんどネット銀行と変わらない諸費用設定に変更したのです。金利もネット銀行並みの低金利であるため、借り換えを検討している方には非常に有効な選択肢となっているのです。

りそな銀行住宅ローンはこちら

1月新設住宅着工、前年同月対比13.0％減。11か月連続の減少

1月の新設住宅着工戸数は前年同月対比で13.0％減の6万7713戸を記録しました。これで11か月連続の減少となっています。「持家」が18.7％減、「分譲住宅」が11.2％減と消費増税の1年半の延期もあり、消費者の購入が慎重になった結果、住宅関連企業の投資もより一層慎重になったことが浮き彫りになっています。

マンション価格は大きな動きはなし。戸建て価格が上昇

マンション価格が前月対比1.75％減。戸建て価格は前月対比3.87％増という結果になりました。前年対比でみると、マンション価格は4.47％増、戸建ては4.70％増という状況です。マンション価格が低下し、戸建て価格が上昇したことで、昨年対比で見ると、マンション、戸建てともに約5％の価格上昇という形になっています。日銀のインフレ施策がやや住宅に反映されていることがうかがえます。

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