住宅ローン金利動向 2015年10月レポート

住宅ローンの動向をまとめた毎月のレポートです。住宅ローンを検討している方は参考にしていただければ幸いです。

主要住宅ローンの2015年9月から2015年10月の金利変動

•  長期国債金利さらに低下

• 長期金利低下だが銀行によって金利判断が違う結果に

• 住信SBIネット銀行が変動金利を引き下げ

• フラット35金利が上昇

2015年9月の国債金利は0.385％で、2015年10月の国債金利は0.325％と先月に続いてさらに下降しました。背景には中国経済の衰退による世界同時株安による投資家資本が安全な投資先として日本国債に集まったことが挙げられます。

しかし、今回はフラット35金利が上昇するなど、国債金利が低下したにもかかわらず金利を引き上げた銀行と金利を引き下げた銀行があり、銀行によって金利判断が異なる結果となりました。

銀行の金利は月中の国債金利を基準に決められることが多いのですが、この時点では先月対比をやや上回る国債金利だったからです。そのため、判断が早かった銀行ほど金利引下げ、金利維持を選択したということになります。

また、注意したいのは国債金利の利回りが0.3％近くの水準になってしまったということです。0.2％～0.3％では投資家が国債を投資対象として買うには低すぎる利回りということで、これ以上の国債金利低下は見込めないのではないか？という水準なのです。今年の1月に一時的に0.2％近くの水準になりましたが、0.2％～0.3％が限界ラインと考えて良いでしょう。

また、大きなトピックとしては、住信SBIネット銀行が変動金利を0.65％から0.588％へ引き下げたことです。変動金利はネット銀行の主戦場であり、ここ1年ほどはぴったりと張り付いたまま動かなかったのですが住信SBIネット銀行がさらに金利を引き下げて勝負に出たということです。しかも、住信SBIネット銀行の住宅ローンは疾病保障が無料付帯された状態での金利引下げです。

牛丼チェーンが再び価格引き下げをするなど、実体経済では政府のインフレ目論見が崩れつつあり、またデフレに戻れば変動金利のニーズが高まることを予想しての判断なのではないでしょか。

主要住宅ローン最新トピック

長期金利が下降

新発10年国債利回り（長期金利）は、2015年9月1日時点で終値： 0.385％でしたが、2015年10月1日時点で終値： 0.320％と先月に続いてさらに下降した形になります。ただし、今月は国債金利の低下が月中を過ぎて下降したため、銀行によって金利引下げと金利引き上げの判断が異なる結果になりました。

ただし、金利を引き上げた銀行も来月には今の下がった国債金利で住宅ローン金利を見直すため、今住宅ローンを検討している方は申込んでしまっても問題ないでしょう。金利が適用されるのは融資実行時点の金利なので、今申込んでも来月以降の融資実行になる可能性が高いからです。

フラット35sの金利が引き下げ

省エネルギー性、耐震性などに優れた住宅で適用されるフラット35sの金利が平成26年度補正予算の閣議決定をうけて引き下げられました。

楽天銀行フラット35の2015年10月時点の金利では

金利の引き下げ幅が　▲年0.3％　→　▲年0.6％ 

15年以上～20年以下：0.72％（11年目以降 年1.32％）
21年以上～35年以下：0.99％（11年目以降 年1.59％）　

となり、当初10年間の金利引下げが拡大しているのです。変動金利並みの低金利でフラット35の固定金利が利用できるので見逃せないポイントと言っていいでしょう。

楽天銀行フラット35はこちら

ARUHIフラット35はこちら

住信SBIネット銀行が変動金利を引き下げ

住信SBIネット銀行が2015年10月時点の金利を

0.650％　→　0.588％

へ引き下げました。変動金利の低金利競争はソニー銀行0.589％、イオン銀行0.570％と住信SBIネット銀行0.588％の3社の熾烈な争いが繰り広げられていることになるのですが、大きな特徴としては住信SBIネット銀行は疾病保障無料付帯でかつこの低金利ということです。

多少、疾病保障の充実度は違うもののの、メガバンクで疾病保障を付帯する場合には金利＋0.3％ほど、総返済額にして200万円～300万円ほどの返済負担がある疾病保障が無料でこの低金利というのは大きなメリットと言えるでしょう。

住信SBIネット銀行住宅ローンはこちら

牛丼大手3社、客数減少で値下げ

住宅ローンと一見関係ないニュースに思えますが、牛丼チェーンの価格というのはデフレ経済の象徴でもあります。日銀の国債買取によって、株価が上昇し、給料も増えたというニュースが飛び交う中で、牛丼チェーンは価格を引き上げたのですが、この結果客離れが起こり、採算が取れなくなってしまったのです。

当然、牛丼というサービスと価格の問題もあるとは思いますが、政府が思っているアベノミクスによるインフレ、企業収益の拡大から従業員給与の上昇というのが崩れてしまうサインとも言えるのではないでしょうか。

デフレが続くようであれば住宅ローン金利も低金利の状態が続くことになるため、住宅ローンと関係ないことではないのです。

8月新設住宅着工、前年同月対比8.8％増。6か月連続の上昇

8月の新設住宅着工戸数は前年同月対比で8.8％増の8万255戸を記録しました。6か月連続の上昇です。消費増税の反動での需要減が底打ちしたことと、相続税の引き上げによる相続税対策の需要増加が原因との見方になっています。「持家」が4.1％増、「分譲住宅」が2.6％増、「貸家」が17.7％増と、分譲住宅が反転して増加に転じています。相続税の節税や資産運用目的の需要が強い「貸家」が大きく伸びています。

マンション価格、戸建て価格ともに微減

マンション価格が前月対比1.27％減の2832万円。戸建て価格は前月対比1.35％減の3174万円という結果になりました。前年対比でみると、マンション価格は0.46％増、戸建ては0.82％減という状況です。昨年対比では大きな変動はない形に落ち着いています。

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