住宅ローン借り換え未経験者の借り換えをしない理由とは?
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- 親カテゴリ: 住宅ローンの達人が教える
- カテゴリ: 住宅ローン借り換え
- 作者: 住宅ローン比較
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住宅ローン借り換え未経験者の借り換えをしない理由とは?
「住宅ローンの借り換えをしようか?どうしようか?」迷っている方に参考になる情報があります。 SBIモーゲージ株式会社と株式会社オールアバウトが行ったアンケート調査「住宅ローンの借り換えに関する調査」では、借り換え未経験者に対して借り換えをしない理由を聞いています。
借り換えをしない方の理由とする方の理由がわかれば、自分が借り換えをすべきかどうか?ジャッジしやすいのではないでしょうか?
住宅ローンの借り換えに関する調査
調査主体:SBIモーゲージ株式会社と株式会社オールアバウト
調査期間:2014年12月15日(月)
調査地域 :東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県
有効回答数:671件
2001年~2002年購入者116名
2003年~2004年購入者110名、
2005年~2006年購入者119名
2007年~2008年購入者108名、
2009年~2010年購入者116名
2011年~2012年購入者102名
に対して調査を行っています。
10年前の方でも住宅ローン借り換え経験者は5割に満たない
住宅ローン借り換え経験の有無
上記のグラフを見ると、今2015年から14年前の2001年~2002年に借り入れた方でも住宅ローンの借り換え経験者というのは、42.1%です。今から10年前の2005年~2006年に借り入れた方の場合は、26.9%しか借り換え経験者はいません。
しかし、下記のグラフを見てください。
10年間の長期金利の推移
これは新発10年物の国債金利です。住宅ローンの10年以上の固定金利はこの長期金利と連動しています。実際に10年前は1.5%~2.0%ぐらいの間で推移していますが、現時点の2015年11月時点では0.335%です。
つまり、10年前は1.2%以上金利が高かったのにも、かかわらず借り換えをしていない人が多いという不思議な現象が起きているのです。住宅ローンの借り換えでは、0.3%~0.5%金利が低ければ借り換えメリットが発生するため、10年前に借りた方であればほとんどの方が借り換えによって、借り換えメリットがでるはずなのですが、借り換えをしている方は5割に満たない現実があるのです。
なぜ、借り換えをしないのか?
住宅ローンの借り換えを行わない理由
1位:47.1% 借り換えをする理由が特にないから
借り換えをする理由というのは「総返済額が安くなるから」といことになるのですが、それをする必要がないという回答が一番多いようです。
これは単純に「総返済額が安くなるということを知らない」、もしくは「お金に困っていないため、総返済額を安くする必要がない」ということだと推察されます。
この結果だけではわかりませんが「知らない」「借り換えを理解できていない」という方が大井のではないでしょうか。
2位:32.9% 手数料がかかるから
確かに借り換えをすると事務手数料などの諸費用が必要になります。しかし、これは事前にわかっていることで、それ以上に金利による返済額の軽減効果が大きくなる場合にのみ、借り換えは実行するものです。そうでなければ借り換えメリットがないからです。
ですので、「手数料がかかる」という理由が意味しているものは、やはり「借り換えというものを正確に理解していない」ということが考えられます。
3位:31.2% 手続きが面倒だから
これはある程度理にかなっている回答です。確かに住宅ローンを組むときには色々な書類を集めるなど、かなり面倒だった記憶のある方も多いと思います。
「また同じ時間を取られるなら、多少返済額が安くなってもやらないでいいや。」と思うのは、理解できる部分です。
4位:17.8% 今の金利が高いとは思わないから
こちらも的外れな回答です。今の金利が高いか低いかで借り換えを検討するものではなく、借り換えは、借入中の金利よりも借り換え先の金利が低くて、借り換えをすると総返済額が安くなる借り換えメリットがあるかどうか?で実施を判断するものなのです。
今の金利が高いか低いか?は重要ではなく、借入中の金利と現在の適用金利を比較して借り換えメリットがあるかどうか?が重要なのです。
5位:15.3% 事務手数料がかかるから
これも「手数料がかかるから」と同じ理由です。
考察
「お金に余裕があるから、わざわざ貴重な時間を使って総返済額を安くする必要がないよ。」という理由は、理にかなっている理由ですが
それ以外の方は、単に「住宅ローンの借り換えという仕組みを正確に理解していないだけ。」ということがわかります。
そもそも、このアンケートに数百円の謝礼で回答しているのに「お金に余裕があるから、わざわざ貴重な時間を使って総返済額を安くする必要がないよ。」というお金持ちの方は非常に少ないのではないでしょうか。
結論としては
借り換え経験者が5割に満たない理由は、「住宅ローン借り換え」という仕組みについて理解していない方が多いから
ということが推察されるのです。
実際に「借り換えをしないと思う」と回答した方に「どうなったら借り換えしますか?」と質問したところ、下記のような結果になっています。
54.4%が「そもそもする気がない」なのです。
住宅ローン借り換えを検討している方へのアドバイス
住宅ローンの借り換えをしない方の声で明確なデメリットがあるのであれば、現在借り換えを検討している方も注意すべきことがでてくるのですが、アンケート結果からもわかる通り借り換えをしない方のほとんどは借換のことを知らない、知ろうともしていないだけの方です。
借り換えをしない妥当な理由というのは
- 「手続きが面倒だから」:17.8%
- 「忙しく時間がないから」:12.7%
- 「借り換えると金利が高くなるから」:4.9%
- 「全期間固定金利型で借りていて将来の金利上昇に備えているから」:4.7%
- 「今の金融機関で住宅ローンに関する以外のお得なサービスがあるから」:4.1%
ぐらいです。その中でも、もっと突っ込んで考えると、全期間固定金利だとしても全期間固定金利へ借り換えれば良いだけですし、住宅ローン以外のお得なサービスは借り換え先の銀行でも提供している可能性が高いので、上記の理由ですら、借り換えをしない理由としては弱いのです。
編集者が考える住宅ローンの借り換えをしないべき方というのは
忙しい、手続きが面倒という負担感が金銭的な借り換えメリットよりも大きい方
だけなのです。それ以外の方は住宅ローンの借り換えメリットがいくらになるのか?によっては前向きに検討すべきものと言えます。
住宅ローンの借り換えを行った方の理由
- 1位:61.9% 適用金利が下がるから
- 2位:33.1% 返済額が軽減できるから
- 3位:21.5% より早く完済したいから
これはすべて同じです。借り換えによって適用金利が下がれば、借り換えメリットが発生します。そのメリット分早期完済をすることもできますし、毎月の返済額を単純に減らすこともできます。
借り換えを行う理由というのは、単純に借り換えメリットがあるからということになるのです。
借り換えを検討すべきタイミングというのは
借り換えをする手間(労力) < 借り換えによる総返済額の軽減メリット
になったタイミングです。
これは人それぞれで
「50万円借り換えメリットがあるなら、多少書類集めの手間があっても借り換えしたい」
という方もいれば
「50万円ぐらいなら面倒だから、借り換えしないでいいよ。もっとメリットがでるならその時に」
という方もいます。
まずは借り換えメリットが今ならいくらなるのか?定期的にチェックしたうえで、タイミングを図るべきということなのです。借り換えシミュレーションは当サイトでもトップページに設置していますが、10秒もかからずに「いくらお得になるのか?」を知ることができるのです。
注意しなければならないケース
全期間固定金利から変動金利への借り換えをするケースで、この場合は借り換えメリットが大きくなりますが、その分金利上昇リスクが発生していることを忘れないようにしましょう。全期間固定金利で借入中の方は全期間固定金利への借り換えを検討すると良いでしょう。