同じ当初固定金利で違う。当初優遇と全期間優遇の比較
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- カテゴリ: 徹底比較!どっちがお得
- 作者: 住宅ローン比較
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同じ当初固定金利で違う。当初優遇と全期間優遇の比較
住宅ローンを探している時に「当初固定金利:全期間優遇プラン」と「当初固定金利:当初優遇プラン」という2つの金利を見たことがないでしょうか?もちろん、同じ当初固定金利なのですが、選び方によって大きく返済額が変わってきます。ここでは、「当初固定金利:全期間優遇プラン」と「当初固定金利:当初優遇プラン」の違いについて解説します。
当初固定金利の当初期間終了後の金利は?
当初固定金利の当初期間終了後の金利は、ほとんどの住宅ローンで高くなります。各銀行とも住宅ローンには基準金利というものを設けていて、当初期間はその基準金利からの優遇割合が高く、当初期間終了後はその基準金利からの優遇割合が低くなるため、実際の金利は高くなるのです。
住信SBIネット銀行のネット専用住宅ローンの場合 ※2013年9月現在
10年固定金利の基準金利 年 2.80 %
<通期引下げプラン>
- 10年固定金利 年 1.50 %
- 基準金利からの引下げ幅 全期間 年 - 1.3 %
<当初引下げプラン>
- 10年固定金利 年 1.25
- 当初10年間の基準金利からの引下げ幅 年 - 1.55 %
- 11年目以降の基準金利からの引下げ幅 年 - 0.7 %
となっているのです。
つまり、通期引き下げプランは、10年固定金利であっても、11年目からも基準金利からの引き下げ幅は変わらないというプランです。もちろん、景気動向によって基準金利は変動するため、金利の上下はありますが、引き下げ幅は変わらないのです。
一方当初引き下げプランというのは、はじめの10年間の引下げ幅が大きく、11年目以降の引下げ幅が小さい金利プランです。
返済額シミュレーション
30年 3000万円で試算
優遇タイプ | 11年目の基準金利の変動 | 借入期間 | 基準金利 | 11年後の基準金利 | 当初10年金利 | 11年目からの金利 | 総返済額 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
当初優遇 | 変動なし | 30年 | 2.80% | 2.80% | 1.50% | 1.50% | 37,272,768 |
全期間優遇 | 変動なし | 30年 | 2.80% | 2.80% | 1.25% | 2.10% | 37,808,694 |
当初優遇 | +0.5% | 30年 | 2.80% | 3.30% | 1.50% | 2.00% | 38,359,742 |
全期間優遇 | +0.5% | 30年 | 2.80% | 3.30% | 1.25% | 2.60% | 39,704,160 |
当初優遇 | +1.0% | 30年 | 2.80% | 3.80% | 1.50% | 2.50% | 39,477,074 |
全期間優遇 | +1.0% | 30年 | 2.80% | 3.80% | 1.25% | 3.10% | 40,057,888 |
当初優遇 | 変動なし | 25年 | 2.80% | 2.80% | 1.50% | 1.50% | 35,994,148 |
全期間優遇 | 変動なし | 25年 | 2.80% | 2.80% | 1.25% | 2.10% | 36,103,841 |
とこのような結果になりました。
つまり、金利が上がろうが、下がろうが、この条件の場合は、当初引下げプランよりも通期引下げプランの方が返済総額は少なくなります。
それもそのはずで、当初10年よりも、その後の20年の方が長いので、長い期間の後半戦に低金利なのは、通期引下げプランの方だからです。
多くの方は、
「当初10年固定金利 1.25%」
だけ見て「10年にしては低金利だ」と思うかもしれませんが、実際にはここに表記している当初引き下げプランよりも、控えめに書いてある通期引き下げプランの方がお得なのです。
住宅ローンで、当初固定金利を検討している方は、終了後の金利の引下げ幅についても、比較してみる必要があるのです。
ただし、当初引下げプランを利用し、当初期間終了後に、借り換えによって他の銀行の当初引下げプランをハシゴする場合は、通期引き下げプランを選ぶよりもお得になる可能性はあります。借り換えの手数料もあるので、状況によって選択する必要があるでしょう。