当初期間終了後の住宅ローン金利に注意!
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- カテゴリ: 住宅ローン金利比較
- 作者: 住宅ローン比較
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当初期間終了後の住宅ローン金利に注意!
住宅ローンには、「全期間固定金利」「当初固定金利(一定期間固定金利)」「変動金利」の3種類の金利があるのですが、この中で「当初固定金利(一定期間固定金利)」の存在感が年々高まっています。
「当初固定金利(一定期間固定金利)」が人気の理由
当初期間は変動金利並みの低金利
当初固定金利に人気が集まる理由は、「当初固定金利(一定期間固定金利)」は当初期間の金利が「変動金利」なみの低金利になっているケースが多いからです。
2014年9月時点では
- 住信SBIネット銀行の当初個年固定金利は0.50%
- 一番低金利のイオン銀行の変動金利は0.57%
です。
変動金利 > 当初固定金利
という状態になっているのです。
あまり、住宅ローンに詳しくない人からすると
「当初固定金利の方が変動金利よりも、はじめが固定金利なのでリスクが少ない。その上、金利が安いならこっちの方が良いかな。」
と安易に当初固定金利にしてしまう方が多いのです。
しかし、ここに注意が必要!!
あまり知られていませんが、変動金利よりも当初固定金利の方がリスクが少ないのは確かなのですが、当初固定金利の金利が低いからと言って、変動金利よりも低金利とは限らないのです。
どういうことかというと
当初固定金利というのは
「当初期間の金利」と「当初終了後の金利」
の2つの金利があるのです。
CMやウェブサイトでアピールされているのは、この「当初期間の金利」ばかりなのです。
35年ローンだとしたら、5年間だけ当初期間の金利が安くても、残りの30年間の金利が高ければ意味がないのです。
実際にさきほどの例で見てみると
住信SBIネット銀行の当初5年固定金利は
金利変動がなく、3000万円の35年間借入だとすると
- 当初5年間の金利:0.50%
- 6年目~35年目までの金利:0.975%
- 返済額合計:34,843,640円
です。
イオン銀行の変動金利の場合は
- 35年間の金利:0.57%
- 返済額合計:33,221,580円
です。
たしかに、当初5年間はイオン銀行よりも、住信SBIネット銀行の方が金利は低いのですが、当初期間である5年間が終了すると金利は引きあがってしまい、イオン銀行の金利の方が低い状態になるのです。
その結果、総返済額は約160万円も住信SBIネット銀行の当初固定金利の方が大きくなってしまうのです。
当初固定金利は、当初期間だけの金利を見て比較してはいけない
ということなのです。
当初期間終了後の金利がどうなっているのか?を確認する必要があるのです。
「当初期間終了後の金利は載ってないんだけど・・・」
当初期間終了後の金利をどうやって調べるのか?
当初期間終了後の金利は住宅ローンの銀行のウェブサイトにも、○○%という書き方はされていません。
住信SBIネット銀行の当初5年固定金利の場合
特約期間終了後の引下げ幅:年 - 1.8%
と記載されています。
なぜ、こういう書き方なのか?というと5年後の基準になる金利「基準金利」がわからないためにこのような表記になっています。
半分はここを明確に描くと当初固定金利の本当の価値がばれてしまうので、わざとわかりにくくしているという側面もあると推測されます。
しかし、これでは比較のしようがありません。基準金利は銀行ごとに違うからです。
そこで、自分で今の基準金利のままで推移した場合を仮定して当初期間終了後の金利を算出する必要があるのです。
住信SBIネット銀行の基準金利(変動金利)2.775%です。
ここから当初期間終了後の引き下げ幅を引くと
2.775% - 1.8% = 0.975%
ということになります。
これが当初期間終了後の金利です。(金利がそのまま推移した場合)
自分で計算しなければならないことや、基準金利のことを良く知らない人が多いことなどから、この手順を踏まない人が多いのです。
当初固定金利というのは
1か月間無料体験ができるフィットネスジムや
60日間無料プレイができるオンラインゲームや
初年度年会費無料のクレジットカードと
同じ、はじめだけ優遇された住宅ローンサービスであることを理解する必要があるのです。
当初固定金利の住宅ローンがダメというのではなく、当初固定金利の「はじめだけの金利」で比較検討してしまうと、本当にお得な住宅ローンを選べないということなのです。
いちいち当初期間終了後の金利を計算してられないという方は
総返済額の安い順でシミュレーションをしている返済診断を利用して、一番お得な住宅ローンを探してみましょう。