当初10年固定金利で損をしない住宅ローン選びの方法
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- 作者: 住宅ローン比較
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当初10年固定金利で損をしない住宅ローン選びの方法
当初10年固定金利というのは、変動金利に次いで人気のある住宅ローン金利ですが「当初優遇金利にだまされるな!」でも解説している通りに落とし穴が多い金利タイプでもあるのです。
ここでは、当初10年固定金利を選ぶ際に損をしない住宅ローン選びの方法について解説します。
当初10年固定金利の特性
当初10年固定金利を選ぶときに注意しておかなければならない点があります。
当初期間が終われば当初終了後は高い金利が適用される!
当初固定金利なので、当初期間は一定の金利が適用されるので一見お得な金利タイプに思ってしまうのですが、大きな落とし穴として、たとえば当初固定金利の終了後に変動金利に変更した場合には、はじめから変動金利を選んだ人よりも高い金利が適用されてしまうということです。
例えば
住信SBIネット銀行住宅ローンの場合 ※2015年9月時点
ネット専用住宅ローン適用金利 <当初引下げプラン>
- 当初10年固定金利:0.91%(基準金利 -1.70%)
- ※当初期間終了後 基準金利 -0.70%
となっています。これが何を意味しているかというと
はじめから変動金利に入る場合 ※2015年9月時点
- 変動金利:0.65 %(基準金利 -2.125%)
- 変動金利の基準金利:2.775%
ですので、住信SBIネット銀行そこから-2.125%が引かれて0.65%で借入ができます。
しかし、当初10年固定金利を利用して11年目に変動金利に切りかえた場合は(基準金利 -0.70%)しか優遇幅がないのです。
10年後の変動金利の基準金利が今と同じだと仮定した場合に、変動金利なのに適用される金利は
- 変動金利:2.075%(基準金利 -0.70%)
です。そうです。当初期間終了後はビックリするほど高金利になってしまうのです。
これは住信SBIネット銀行の<当初引下げプラン>だからという言い方もできますが、<通期引下げプラン>でも、(基準金利 -1.30%)なので
- 変動金利:1.475%(基準金利 -1.30%)
と高いことには変わりないのです。
つまり、見落としがちなのは、当初期間終了後の金利であり、ここは「基準金利からの引き下げ幅」でしか記載されていないので、計算せずに借りてしまう方が多いということなのです。
「変動金利よりも高い金利で当初固定にすることで安心しよう」と思ったら、11年後ははじめから変動金利にした方よりもかなり高めの金利で借りてさらに高金利のリスクが高まるという事態に陥ってしまうのです。
実際に金利変動後の総返済額を比較してみると・・・
3000万円の借入、35年返済の場合
金利状況 | 項目 | 変動金利 | 当初10年固定金利 | 差額 |
---|---|---|---|---|
金利変動なし | 10年目までの金利 | 0.650% | 0.910% | - |
金利変動なし | 11年目以降の金利 | 0.650% | 2.075% | - |
金利変動なし | 総返済額 | 3,436万円 | 3,953万円 | -517万円 |
10年目1.0%上昇 | 10年目までの金利 | 0.650% | 0.910% | - |
10年目1.0%上昇 | 11年目以降の金利 | 1.650% | 3.075% | - |
10年目1.0%上昇 | 総返済額 | 3,740万円 | 4,292万円 | -552万円 |
10年目2.0%上昇 | 10年目までの金利 | 0.650% | 0.910% | - |
10年目2.0%上昇 | 11年目以降の金利 | 2.650% | 4.075% | - |
10年目2.0%上昇 | 総返済額 | 4,066万円 | 4,654万円 | -588万円 |
「当初10年固定金利って変動金利よりも、金利変動リスクが小さいからはじめの金利が高いんじゃないの?」
と多くの人は思うはずですが、当初期間終了後の基準金利からの引き下げ幅次第で結果は変わってしまい、「変動金利の方が金利変動リスクが低い」という逆転現象が起きてしまうのです。
当初10年固定金利で損をしない住宅ローン選びの方法はあるのか?
あります。
- 今変動金利を選んだ場合の基準金利からの引き下げ幅
と
- 当初10年固定金利の当初期間終了後の基準金利からの引き下げ幅
が同じ住宅ローンを選ぶことです。
当初期間終了後に変動金利を選んでも、今変動金利を選んでも、同じ引き下げ幅で金利が適用されるのであれば、11年目以降の返済額や適用金利は同じになるので、当初10年固定金利を選べば、はじめの10年間の間は固定金利で金利上昇リスクを軽減できることになります。
例えば
イオン銀行住宅ローンの場合 ※2015年9月時点
- 当初10年固定金利:1.10 %(基準金利 -1.800%)
- ※当初期間終了後 基準金利 -1.800%
- 変動金利:0.57 %(基準金利 -1.800%)
となっています。
変動金利の金利引き下げ幅 = 当初10年固定金利の当初終了後の金利引き下げ幅
となっています。
これであれば、本当の意味での当初10年固定金利のメリットである
はじめの10年間は金利は上昇せずに一定の返済額を実現しながらも、11年目以降も、今変動金利を選んだ人と同じ金利が適用されるので
損をすることはなく、当初10年固定金利のメリットを享受することができるのです。
まとめ
当初10年固定金利を選ぶときは
変動金利の金利引き下げ幅 = 当初10年固定金利の当初終了後の金利引き下げ幅
になっている住宅ローンを選びことをおすすめします。