住宅ローンの頭金はいくら必要?
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- 親カテゴリ: 住宅ローンの基礎知識
- カテゴリ: はじめての住宅ローン
- 作者: 住宅ローン比較
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住宅ローンの頭金はいくら必要?
住宅ローンを利用するときに頭金はいくら必要なのでしょうか?これは時代によって大分変ってきています。最新の情報を解説します。
住宅ローンの頭金は0円でも借りられてしまう事実
2010年ぐらいまでは
頭金は借入額の2割が必要
というのが大方の相場でした。
しかし、2010年から現在に至るまでは
- ネット銀行の台頭
- マイナス金利の導入(銀行が日銀に預けると利息がとられる)
- 競争激化
により
銀行は「なんとかお客さんに自社の住宅ローンを借りてもらいたい。」
と考える時代になってしまいました。
その中で
「頭金ゼロでも住宅ローンが借りられる。」
とか
「頭金ゼロにさらに諸費用分も合わせて借りることができます!」
とか
融資条件もかなり柔軟になってきているのです。
現実として、頭金は0円であっても、住宅ローンは利用することが可能になっています。
理想は、頭金は物件価格の2割を確保しておくべき
頭金0円でも住宅ローンは借りられる
というのは事実ですが
実際に住宅ローンを借りるのであれば、物件価格の2割ぐらいの頭金は確保しておきたいものです。
理由としては
理由その1.2割も貯められないのに本当に返せるの?
物件価格が3000万円だとして、30歳の方が35年ローンを組むと仮定します。
22歳で社会人になってから、8年間生活をしていて、2割の600万円、少なくとも1割の300万円も貯められない場合に、どうやって残りの35年で5倍~10倍の3000万円が返せるのでしょうか?
「家賃の代わりににローン返済だから返せるでしょ?」
という反論もあるかと思いますが
「貯金ができていない」ということは「計画的な返済もできない可能性が高い」とも言えるのです。「貯金したけれども、大きな支出に遣ってしまって今はない。」という方でなければ、少なくとも、ある程度の貯金ができるようになってから、住宅ローンを検討すべきです。
理由その2.頭金の有り無しは住宅ローン審査に影響する
住宅ローンでは、購入予定の物件を担保に融資が行われます。
新築の3000万円の物件を担保にして住宅ローンを借りた方が返済できなくなった場合には、銀行は3000万円の物件を売却して、貸したお金の回収に動くのですが・・・
新築で3000万円の物件が、3000万円で売れるわけではありません。
中古になっていますし、不動産は築年数が増えれば増えるほど、価格は下落してしまうからです。
3000万円の担保物件で、自己資金がない場合は3000万円を融資しなければなりませんが
3000万円の担保物件で、自己資金が2割ある方には2400万円の融資で良いのです。
銀行にとって、好ましいのは後者なのです。
「好ましいということは、審査に通りやすい」ということですから、頭金はあればあるほど住宅ローン審査には通りやすくなるメリットがあります。
理由その3.頭金の有り無しは住宅ローン金利に影響する
メガバンクの住宅ローン金利などは
「0.60%~0.80%」というように金利に幅があることが少なくありません。
金利に幅があるということは、審査によって0.60%の可能性もあれば、0.70%の可能性も、0.80%の可能性もあるということです。
この金利を決める重要な決定要因になるのも「頭金の割合」なのです。
ネット銀行やフラット35でも、はじめから
- 「頭金:1割以上の方」の金利プラン
- 「頭金:1割未満の方」の金利プラン
が用意されていることがありますから
頭金が多ければ多いほど、低金利の住宅ローンが利用できる可能性が出てくるのです。
金融機関へのアンケートから頭金の審査基準
金融住宅支援機構のアンケート結果によると
- 頭金の割合が2割以上必要と回答 29.2%
- 頭金の割合が1割以上必要と回答 1.5%
- 頭金はゼロでも大丈夫と回答 51.0%
実際は、上記のように2割以上の頭金が必要と回答している金融機関は3割に過ぎません。年々頭金の重要性は薄れてきているのです。しかし、上記にも記載したように頭金があるなしで審査や融資条件が変わってくるのも事実なのです。頭金がなければ住宅ローンを選ぶ選択肢が狭まると理解しましょう。
最近では、頭金ゼロどころか、諸費用も借りられる住宅ローンが増えてきた
原則は2割というのは住宅ローンの世界では変わっていないのですが、ネット銀行の住宅ローンが台頭してきた2010年ぐらいから、かなり状況は変わってきています。
ネット銀行が知名度で勝る大手都市銀行(メガバンク)からシェアを奪うために、どんどんサービスレベルを引き上げた住宅ローンを提供してきたのです。
その中の一つに頭金ゼロの100%融資があるのです。
今では、ネット銀行の場合は、物件の担保価値があり、正社員で勤続年数も3年以上あれば、100%の借入でも審査に通ることが増えてきているのです。
さらに、諸費用や引越し費用、新居のインテリア代も最高数百万円、物件価格にプラスして貸してあげるという住宅ローンも登場し、「今までの貯金2割というのは何なんだ。」というレベルまで住宅ローンの競争が激化しているのです。
ただし、編集部では「審査に通るかどうか?」ということとは別に頭金を用意することをおすすめします。
なぜなら、自分自身の返済負担が大きくなってしまうからです。特に頭金ゼロでいいという視点で考えてしまうと、貯金がなくても家が買える計算になります。貯金もないのにある程度の物件なら買えてしまうため、身の丈以上の物件を購入してしまうリスクがあるのです。そもそも、貯金がないという時点で住宅ローンの返済を継続できるのかは大きな疑問になってしまうのです。まずは、物件価格の1割を目安に貯金をすることからはじめると良いでしょう。