10年当初固定の本当の使い方
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- カテゴリ: 住宅ローンの達人が教える
- 作者: 住宅ローン比較
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10年当初固定の本当の使い方
各金融機関が大きく金利を引き下げている住宅ローンの金利タイプに、10年当初固定というものがある。とくに2012年12月から各銀行とも、当初10年固定金利の金利引き下げを行っている。
たとえば、三井住友銀行の住宅ローンの2012年12月時点の金利は、固定金利特約型10年固定限定というものが1.3%という金利まで引き下げられている。店頭金利が3.5%なので、-2.2%も優遇されることとなる。
変動金利の方がもちろん低く0.875%~1.075%という金利設定なっているが、それでも、金利上昇リスクがあり、今回の政権交代だけでも、円高や株価が急激に動いていることを勘案しても、変動金利の金利上昇リスクは大きいといえよう。しかし、全期間固定金利だと2.48%まで金利が上昇してしまう。
その中間に位置する金利タイプが当初10年固定金利なのである。ここまでを見れば、いたれるつくせりで、これにしよう。と単純に思われるかもしれないが、「0.3%金利低下なら借入すべき」で述べたように、当初10年固定金利というものには、注意すべきポイントがある、それは、当初固定期間終了後の11年目からの金利である。
三井住友銀行の例を見れば、10年間は店頭金利-2.2%、つまり1.3%の金利だが、そのあとは、-1.4%の優遇幅に戻ってしまう。同じ10年固定を選んだとしても、現在の店頭金利でみると2.1%なのである。決して安い金利とは言えない。
当初固定金利の住宅ローンで、当初固定期間が終わったら借り換え
では、どうすればいいか?当初固定期間が終了したのちに、他の銀行の当初固定期間の住宅ローンに借り換えをするのである。
「0.3%金利低下なら借入すべき」で、借換えの削減効果が得られる金利幅が0.3%ということを書いたが、三井住友銀行の住宅ローンの場合、当初固定金利の当初期間と当初固定期間終了後の金利幅は0.8%。つまり、ほぼ確実に借り換えメリットがでてくるのである。
もちろん、10年後の時点で、金利が大幅に上昇していた場合は、はじめから全期間固定にしておいた方がいいし、まったく金利が変わっていなかったら、はじめから変動金利にしておいた方が、お得である。
しかし、どちらも不安だ。という方がいれば、まずは10年当初固定金利を利用し、11年後には、借り換えを検討するという住宅ローンの借り方もお得な方法といえるだろう。