イオン銀行住宅ローンの落とし穴と注意点を徹底解説
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- カテゴリ: 住宅ローン落とし穴
- 作者: 住宅ローン比較
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イオン銀行住宅ローンの落とし穴と注意点を徹底解説
住宅ローンは非常にわかりにくい商品です。仕事がら日常的に金利や経済に精通している方であれば問題ありませんが、ほとんどの方は金利に疎く、住宅ローンを検討するタイミングで、はじめて検討する方も少なくありません。だからこそ、住宅ローンごとのデメリットや落とし穴を理解せずに人生で一番高い買い物をしてしまい、後から後悔するのです。今回は「イオン銀行の住宅ローン」にフォーカスして、その落とし穴を徹底解説します。
イオン銀行住宅ローンの落とし穴「イオンの買い物がいつでも5%OFFはそれほどお得じゃない!?」
イオン銀行住宅ローンは低金利であることはもちろんですが、大きな魅力のひとつに「お買物5%割引特典」というものがあります。
お買物5%割引特典の概要
割引対象店舗において専用カードにより、クレジットでお買物をした場合、ご請求時に5%の割引となります。
対象店舗
- イオン
- マックスバリュ
- メガマート
- イオンスーパーセンター
- フォーラス
- ザ・ビッグ
- イオンショップ
- など
イオン関連の店舗で、いつでも買い物で5%OFFということです。
しかし・・・この特典には上限があります。
期間
- ご入会日からご入会日の5年後の翌月10日まで
割引対象額の上限
- 当初お借入れ金額1,000万円以上2,000万円未満:45万円/年
- 当初お借入れ金額2,000万円以上:90万円/年
要するに
借入額が2000万円以上の方の場合
90万円 × 5.0% × 5年 = 最大22.5万円
借入額が1,000万円以上2,000万円未満の場合
45万円 × 5.0% × 5年 = 最大11.25万円
という金額が割引の最大額なのです。
しかし、ここで考えたいのは
年会費永年無料の「イオンカードセレクト」を持っていれば
毎月20日、30日の「お客さま感謝デー」はお買い物代金が5%OFF
で住宅ローンの特典と割引率は同じなのです。
- 毎日使える5%OFFか?
- 月2回に限定されている5%OFFか?
の違いしかないのです。
まとめ買いすれば月2回に集約できるかも知れません。
しかも、最大22.5万円の割引が得られたとしても、金利に直すと・・・
3000万円の借入なら「0.05%の金利差」にしかなりません。
つまり、「イオンでの買い物で5%OFFが魅力だから、金利はちょっと高いけどイオン銀行の住宅ローンを選ぼう。」
という場合は、一番金利が低金利の住宅ローンとイオン銀行の住宅ローン金利の金利差が「0.05%」以内でないと成立しないのです。
これがイオン銀行住宅ローンの落とし穴と言えます。
イオン銀行住宅ローンの落とし穴「ローン取扱手数料の定額型を選んではいけない!?」
イオン銀行の住宅ローンには、事務手数料(ローン取り扱い手数料)で2つのパターンが用意されています。
定額型:110,000円(税込)
定率型:お借入金額の2.20%(税込)※ 最低取扱手数料220,000円(税込)
2017年8月時点の金利で、実際にシミュレーションをしてみると
タイプ | 借入額 | 変動金利 | 事務手数料 | 総返済額 | 合計 | 差 |
---|---|---|---|---|---|---|
定率型 | 3,000万円 | 0.57% | 324,000円 | 33,098,940円 | 33,422,940円 | -918,420円 |
定額型 | 3,000万円 | 0.77% | 108,000円 | 34,233,360円 | 34,341,360円 | 0円 |
定率型 | 2,500万円 | 0.57% | 270,000円 | 27,582,240円 | 27,852,240円 | -783,420円 |
定額型 | 2,500万円 | 0.77% | 108,000円 | 28,527,660円 | 28,635,660円 | 0円 |
定率型 | 2,000万円 | 0.57% | 216,000円 | 22,065,960円 | 22,281,960円 | -648,000円 |
定額型 | 2,000万円 | 0.77% | 108,000円 | 22,821,960円 | 22,929,960円 | 0円 |
定率型 | 1,500万円 | 0.57% | 216,000円 | 16,549,260円 | 16,765,260円 | -459,420円 |
定額型 | 1,500万円 | 0.77% | 108,000円 | 17,116,680円 | 17,224,680円 | 0円 |
となります。
つまり、いくら借りようが、どの金利プランを選ぼうが・・・
定率型の方が定額型よりも、数十万円単位で安くなる
のです。
借り換え目的などで借り換え時の諸費用の支払いが難しい場合などは、総返済額が高くなっても、諸費用が安い「定額型」を選ぶ理由はありますが、それ以外のケースで「定額型」を選ぶメリットはないのです。
これもイオン銀行の住宅ローンの落とし穴なのです。
イオン銀行住宅ローンの落とし穴の回避法
回避法その1.イオンでの買い物5%OFFは金利換算0.05%で試算する
「イオンでの買い物5%OFF」に魅力を感じて、他の住宅ローンと迷っている場合には
イオンでの買い物5%OFFの価値 ≒ 金利換算0.05%
と考えましょう。
例えば
- 銀行Aの住宅ローン 変動金利:0.55%
- イオン銀行の住宅ローン 変動金利:0.57%
→ 「イオン銀行の住宅ローン」の方がお得
- 銀行Aの住宅ローン 変動金利:0.50%
- イオン銀行の住宅ローン 変動金利:0.57%
→ 「銀行Aの住宅ローン」の方がお得
となるのです。
また、イオンセレクトカードなど、イオンのクレジットカードを作れば、毎日ではないにしろ、20日、30日と月2回は同じように5%OFFになるので、これも加味して住宅ローンを比較するべきです。
回避法その2.ローン取扱手数料は「定率型」を選ぶ
ローン取扱手数料は
どんな借り入れ条件であっても
定率型の総返済額 < 定額型の総返済額
になります。
「定率型」を選ぶことをおすすめします。
まとめ
イオン銀行住宅ローンの落とし穴は
- イオンでの買い物5%OFFは、金利で0.05%の価値でしかないこと
- ローン取扱手数料の定額型は損してしまうこと
の2つです
しかし、これを回避さえしていれば
イオン銀行の住宅ローンには
- 金利が低金利であること
- 当初固定金利の当初期間終了後の金利上昇が少ないこと
- イオンでの買い物5%OFF特典があること
とメリットも多いので、とくにおすすめできる住宅ローンであることには違いはありません。