同じ銀行で住宅ローンの借り換えはできるのか?
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- 親カテゴリ: 住宅ローンの達人が教える
- カテゴリ: 住宅ローン借り換え
- 作者: 住宅ローン比較
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同じ銀行で住宅ローンの借り換えはできるのか?
同じ銀行内で住宅ローンの借り換えというのはできるのでしょうか?今回は住宅ローンの借り換えを別の銀行ではなく、同じ銀行で行う方法について解説します。
同じ銀行で住宅ローンの借り換えができるケース
1.同じ銀行で住宅ローンの借り換えができないケース
基本的には同じ銀行内で同じ住宅ローンへの借り換えというのは原則できません。
もし、これが可能になってしまえば、住宅ローン利用者全員が毎回借り換えをすることになってしまいます。
銀行A:住宅ローン商品B 金利1.5%で借入中の方が
金利1.2%になったときにも借り替えて
金利1.0%になったときにも借り替えて
・・・
と常に借り換えが発生してしまうため、銀行にとってみれば融資している方の貸出金利がすべて現行の金利になってしまいます。
金利を引き下げるたびに、現行の利息収入が減ってしまうということを意味するので、そんなことが発生するわけがないのです。
つまり、「同じ銀行内で同じ住宅ローンへの借り換え」というのはありえないのです。
2.同じ銀行で住宅ローンの借り換えができるケース
同じ銀行内でも住宅ローンの借り換えができるケースと言うものがあります。
別の住宅ローンに借り換える場合です。
銀行A:住宅ローン商品Bから
銀行A:住宅ローン商品Cに
借り替えることです。
これが可能かどうかは、銀行によって判断が異なるところなのですが、別の住宅ローン商品に借り換えるのであれば、「他の銀行に借り換えられるよりは良い」と判断してOKとしている銀行が多いのです。
ただし、この場合
- 借り換えの審査も発生
- 借り換えの書類・手続きも必要
- 借り換えの諸費用も発生
するので、同じ銀行内での借り換えにこだわる理由がありません。
諸費用も、審査も、手続きも、発生するのであれば、同じ銀行である必要はなく、他の銀行の住宅ローン商品も合わせて、一番借り換えメリットが大きくなる住宅ローンを選べば良いからです。
借り換えをせずに金利を引き下げる方法もある!
「同じ銀行で同じ住宅ローンに借り換えられないか?」と考える方の狙いは
- 借り換えの手間を発生させたくない!
- 借り換えの諸費用を発生させたくない!
だと思います。その上で、低金利の住宅ローンに借り換えて、返済額の削減メリットだけを享受したいというのが本音だと思います。
前述した通りで、「同じ銀行で同じ住宅ローンに借り換えはできません」が同じような効果が期待できる方法があります。
それは、「借り換えを交渉材料として、現状の銀行に金利の引き下げ交渉をすること」です。
金利の引き下げ交渉の手順
1.借り換えをする銀行を探します
交渉をする前に借り換えを実際にする前提で借り換え先の住宅ローンを検討します。
注意点
借り換え交渉は成立しない、断られる可能性もあります。その場合には借り換えを実行に移す必要性が出てきます。金利の引き下げ交渉が失敗したら、他の銀行に借り換えをするという覚悟を持って行動する必要があるのです。「借り換えを本気で実行する」姿勢が見えなければ、「この人本気で借り換えする気ないな。」とばれてしまい、金利の引き下げ交渉自体が不調に終わることが多いのです。
2.借り換え先の銀行に実際に申込む
借り換えメリットが大きくなる住宅ローンへ実際に申込みましょう。
注意点
この段階では現在借入中の銀行には何も言う必要はありません。逆に「借り換えをしようとしている」ことをこの段階で話してしまうと、はじめから引き留めに合い、面倒なことになるのでまずは黙って行動しましょう。
3.事前審査が通るまで待つ
事前審査が通れるまで待ちます。
4.事前審査が通ったら現在借入中の銀行へ交渉を持ちかける
事前審査が通った段階で
- 借り換え先の銀行名
- 借り換え予定のだいたいの日程
- 事前審査が通った事実
- 借り換えによって得られる返済額軽減メリット
- 借り換え先の住宅ローン金利
が明確になります。
この具体性を持って、交渉に挑むことが重要なのです。
注意点
事前審査通過の段階であれば、借り換え予定先の住宅ローンは断っても問題はありません。契約をする前に現在借入中の銀行へ交渉をしましょう。
5.交渉トーク
交渉トークはケースバイケースですが、参考例はこのような形になります。
本人:「ちょっとご相談があるのですが、現在借入中の住宅ローンの件ですが他の銀行に借り換えると○○円総返済額が安くなると言われて、現在住宅ローンの借り換えを考えております。諸費用も発生してしまうため、実行すべきか悩んでいます。ご相談の方は可能でしょうか?」
銀行担当者:「構いませんよ。どういった状況でしょうか?」
本人:「現段階では、○○銀行の住宅ローンで金利○○%での借り換えを検討しています。事前審査までは通っていて、諸費用を含めて返済額の軽減メリットが○○万円出る形になっています。御行のサービス自体に不満はないのですが、今の住宅ローン金利を調整いただくことなどは難しいのでしょうか?」
銀行担当者:
回答パターン
A「金利の引き下げは○○%なら可能です。」
同じ銀行内で住宅ローン金利引き下げの場合は「諸費用」が発生しないので、借り換え先の金利より高くても、お得になるケースがあります。総返済額の軽減メリットを比較したうえで、金利引き下げの方がお得であればOKしましょう。逆に借り換えをした方が軽減メリットが大きいのであれば、手間のコストも踏まえて検討し、借り換えを実行する選択肢もあります。
B「当行では借入中の金利の引き下げという要望にはお応えしかねます。」
「わかりました。では借り換えを実行したいと思います。」と回答し、実際に借り換えをすることをおすすめします。「やっぱりいいや。」と引き下がることもできなくはありませんが、メリットを考えれば借り換えをしてしまった方が良いのです。
C「当行では借入中の金利の引き下げはできないのですが、別の住宅ローンへの借り換えであれば可能ですよ。審査はもう一度行う必要がありますが・・・」
この場合は、同じ銀行の別の住宅ローンへの借り換えということになるので、諸費用も、審査も、手間も発生します。であれば「金利や諸費用などの情報を教えてください。現在借り換え予定の銀行の住宅ローンと比較して検討してみたいと思います。」と回答し、一旦持ち帰り、借り換えメリットを計算の上、借り換えメリットが高い方を選べばよいのです。諸費用も、審査も、手間も発生するのであれば、同じ銀行にこだわる必要性がありません。
まとめ
同じ銀行の同じ住宅ローンに借り換えることは原則できません。
同じ銀行の別の住宅ローンに借り換えることはできる銀行があります。ただし、この場合、諸費用や審査、手間が発生するので他の銀行に借り換えるのと変わらないため、他の銀行の住宅ローンへの借り換えと借り換えメリットを比較する必要があります。借り換えメリットが他の銀行の住宅ローンよりも小さいのであれば、同じ銀行にこだわる理由がありません。
諸費用を発生させずに金利を下げる「金利引き下げ交渉」という方法もあります。この方法は銀行のスタンス次第で成功するか?失敗するか?が変わってきます。失敗した場合には、速やかに借り換えを実行する覚悟が必要です。