金利上昇に備えるミックスローンと通常の金利タイプを比較
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- 親カテゴリ: 住宅ローンの達人が教える
- カテゴリ: 徹底比較!どっちがお得
- 作者: 住宅ローン比較
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金利上昇に備えるミックスローンと通常の金利タイプを比較
ミックスローンとは、変動金利タイプと固定金利タイプの借入をミックス、合わせることによって変動金利のリスクや全期間固定金利のリスクを軽減することを意味します。
こんな時に活躍するミックスローン
「金利上昇のリスクは怖いけど、変動金利の方が数百万も総返済額低い。どっちも捨てがたい。どうしたらいいんだ。」
なんて、悩んでいる方は実はかなりいらっしゃいます。
単純に変動金利と全期間固定金利を試算してみると
3000万円で35年の借入の場合
金利上昇 | 変動金利(ソニー銀行) | フラット35 | 差額 | ||
---|---|---|---|---|---|
金利上昇 | 適用金利 | 総返済額 | 適用金利 | 総返済額 | 差額 |
変動なし | 0.599% | 33,275,081 | 1.79% | 40,433,531 | -7,158,450 |
10年後1.0% | 0.599% | 36,055,958 | 1.79% | 40,433,531 | -4,377,573 |
10年後2.0% | 0.599% | 39,037,239 | 1.79% | 40,433,531 | -1,396,292 |
10年後3.0% | 0.599% | 42,213,824 | 1.79% | 40,433,531 | 1,780,293 |
ということになります。この場合、11年目から金利が3.599%にならない限りはフラット35よりも、ソニー銀行の変動金利の方がお得ということになります。さらに上記の数字には諸費用を含めていないため、団信料約200万円が必要になるフラット35の方が費用負担は大きいのです。
じゃあ、11年目から金利が3.0%も上昇することがあるのか?
この質問には、誰も回答することができません。バブル期は6.0%~7.0%という金利の時代もあったぐらいですから、もう一度バブル期のような好景気がやってくるかもしれませんが、高齢者が増え人口が減っていく日本では同じような状況はもう来ない、景気は多少良くなった押しても金利が3.0%も上がるなんて考えられない、という方も多いのです。
「自分には到底検討もつかない。わかんないなぁ。」
という場合に、ミックスローンを利用するのです。
ミックスローンとは文字通り、異なる金利タイプで分散して住宅ローンを利用することで
3000万円の借入の場合
- 変動金利 30% 900万円 全期間固定金利 70% 2100万円
- 変動金利 50% 1500万円 全期間固定金利 50% 1500万円
- 変動金利 70% 2100万円 全期間固定金利 30% 900万円
という形に借入を分散できるのです。
例えば、変動金利 50% 1500万円 全期間固定金利 50% 1500万円に分散しておけば
将来金利変動がなかったケースでも、全期間固定金利を選んだ人よりは総返済額は少なくて済みます。
金利上昇 | 金利タイプ | 適用金利 | 総返済額 |
---|---|---|---|
変動なし | 変動金利(ソニー銀行) | 0.599% | 33,275,081 |
変動なし | フラット35 | 1.79% | 40,433,531 |
変動なし | ミックスローン | 0.599%と1.79%半々 | 36,854,056 |
一方、将来金利が大幅に上昇したケースでも、変動金利を選んだ人よりは総返済額は少なくて済みます。
金利上昇 | 金利タイプ | 適用金利 | 総返済額 |
---|---|---|---|
10年後3.0% | 変動金利(ソニー銀行) | 0.599% | 42,213,824 |
10年後3.0% | フラット35 | 1.79% | 40,433,531 |
10年後3.0% | ミックスローン | 0.599%と1.79%半々 | 41,323,423 |
つまり、どちらに転んでもリスクを最小限にすることができるのが「ミックスローン」の特徴なのです。また、上記の例では50%ずつ金利タイプを分けましたが、この比率を変えたり、変動金利と当初固定金利で分散したり、自由にリスクをコントロールすることが可能になります。
「ミックスローン」はほとんどの銀行で利用することが可能なので、借入の際に相談してみると良いでしょう。
金利上昇リスクがある今の時代には必要な住宅ローン利用の方法だと思われます。