銀行はこういう理由で住宅ローン審査を落とす!なぜ審査に落ちるの?
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- 親カテゴリ: 住宅ローンの達人が教える
- カテゴリ: 住宅ローン審査
- 作者: 住宅ローン比較
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銀行はこういう理由で住宅ローン審査を落とす!なぜ審査に落ちるの?
「住宅ローン審査に落ちてしまったけど・・・理由がわからない。教えてくれない。」
「住宅ローン審査が不安。どんな理由で落とされるの?
と住宅ローン審査に不安を感じる方も少なくありません。社団法人住宅産業団体連合会調査「民間金融機関の住宅融資における選別化の実態について」のアンケート調査の中で、銀行(金融機関)が住宅ローン審査で落とした理由を明らかにしています。今回はこの「審査に落とした理由」を考察しながら、住宅ローン審査の概要を明らかにしていきたいと思います。
銀行(金融機関)が住宅ローン申込みを断った理由
理由 | 割合(%) |
---|---|
自営業だから | 11.6% |
担保不足 | 10.6% |
勤続年数や転職のため | 10.1% |
消費者金融履歴・公共料金引落事故履歴 | 8.1% |
その他 | 8.1% |
自己資金・年収が足りないため | 6.6% |
返済負担率オーバーのため | 6.1% |
勤務先が中小企業のため | 5.5% |
市街化調整区域・保留地のため | 5.1% |
職種のため | 4.5% |
敷地の形状や接道のため | 4.1% |
団体信用生命保険に加入できないため | 3.5% |
定期借地・借地のため | 3.0% |
年収・返済負担率関係その他 | 3.0% |
支店のエリア外のため | 3.0% |
高年齢のため | 2.0% |
職業・勤続年数その他 | 1.6% |
出所:社団法人住宅産業団体連合会調査「民間金融機関の住宅融資における選別化の実態について」
結果と考察
1位:自営業だから:11.6%
自営業というのは住宅ローン審査ではかなり嫌がられるものなのです。理由は簡単で「自営業は収入が安定しないから」です。
自営業者でも、10年以上の営業歴があり、安定して黒字を続けているのであれば住宅ローン審査に通る可能性も出てくるのですが
- 起業間もない会社
- 赤字決算
- 税金未納がある
の場合にはかなり住宅ローン審査に落とされてしまうようです。最低でも、事業の内容をジャッジするためには2期分の決算書が必要になります。
2位:担保不足:10.6%
担保不足というのは借入希望額に対しての担保価値が不足しているということです。
「物件購入価格=借入希望額」なのになぜ担保不足になってしまうのでしょうか?
購入価格≒担保価値だからです。
例えば、立地が悪いけれどもデザイナーズマンションという付加価値のある物件を購入したとした場合、購入者から見ればメリットがあり、適切な価格で購入したと思っていても、銀行が見るのは「いくらで売れるのか?(担保価値)」です。市場では立地の方がデザイナーズマンションという付加価値よりも大きい為、立地の悪いデザイナーズマンションでは売れないと銀行が判断してしまえば、自己資金を増やして借入額を下げない場合には担保不足と判断されてしまう可能性があるのです。
3位:勤続年数や転職のため:10.1%
住宅ローンは何十年と返済を続けれてもらわなければならないものです。そのため、「安定した収入」というのが住宅ローン審査の主要な要件となるのです。
- 勤続年数が1年未満
- 転職回数が過大に多い
場合には、今大手企業に勤めていたとしても、収入が安定しているとは言い難いのです。
4位:消費者金融履歴・公共料金引落事故履歴:8.1%
消費者金融のカードローンやキャッシングが使っていることが自体が問題なわけではありません。
- カードローンやキャッシングの返済遅延歴がある
- カードローンやキャッシングの事故歴がある
- カードローンやキャッシングの借入件数が多い
- カードローンやキャッシングの借入金額が年収に対して高い
というのが問題になってきます。返済遅延があるということは、「自分たちが貸す住宅ローンの返済も滞るんじゃないか?」と銀行が考えるのも当然なのです。
- 返済遅延は2回以上あるとNG
- 借入件数は4件以上あるとNG
- 借入金額の総額は年収の半分以上あるとNG
など、銀行によって審査基準はことなりますが、ある程度の目安はあります。
5位:その他:8.1%
その他が5位にきているということが意外かも知れませんが、それだけ銀行が住宅ローン審査でチェックしている項目は多岐にわたるということが言えます。
6位:自己資金・年収が足りないため 6.6%
この調査が行われた2001年時点では、自己資金(頭金)がどれだけ用意できるのか?も重要な審査要件でした。
当時は、最低1割、2割~3割が一般的とされていたので、かなりの金額の頭金が必要とされていたのですが、この項目は現在はかなりハードルが低くなっています。
頭金なし、諸費用も300万円までプラスして借りられる時代ですので、この審査項目は当時ほど重要度が高くないと言えます。
しかし、自己資金(頭金)が用意できるのであれば、それだけ審査は通りやすくなるのは今も変わりません。
7位:返済負担率オーバーのため 6.1%
返済負担率 = ローン返済額 / 年収
の割合であり、一般的には35%以下であれば住宅ローン審査に通るラインと言われています。
毎月の住宅ローン返済が10万円で年収400万円の方の場合
返済負担率 = 120万円 / 400万円 = 30%
となります。
年収が少ないのにかかわらず高額の借入希望する場合には、この返済負担率が40%、50%となってしまうため、返済負担率オーバーで住宅ローン審査に通らないことになります。
8位:勤務先が中小企業のため 5.5%
勤務先が中小企業の場合に住宅ローン審査に落とされてしまうケースがあります。
「えっ、おれやばいじゃん。」
と思った方も多いと思いますが、中小企業にも色々種類があります。
単純に社員数だけの問題ではなく
- 赤字決算が続いている企業
- 起業間もない企業
- 2人~3人しか社員がいない企業、
- 税金滞納をしている企業
- 借入金額が過大な企業
- ・・・
など、中小企業の中でも、経営状態が不安定と考えられる場合に住宅ローン審査に落ちてしまう可能性があるということです。
中小企業であっても、帝国データバンクなどの信用調査会社の情報で経営情報はまる裸になるのです。
9位:市街化調整区域・保留地のため 5.1%
市街化調整区域は、市街化を抑制する目的の区域ですから、例外的に建物の建築が認められることはありますが、一般の人が住宅を建築することは原則として認められていません。
つまり、建築できたとしても・・・なかなか街として発展しにくいエリアということになってしまいます。当然、街として発展しにくいということは、売りにくい物件ということを意味します。
銀行から見ると担保価値が低くなるのです。これも住宅ローン審査落ちの要件となってしまいます。
10位:職種のため 4.5%
一般的に職種では「事務方」「バックオフィス」関連の経理や人事、事務などの方が住宅ローン審査の評価は高くなります。
バックオフィス系の職種の方が、営業などと比較して収入は少なくなるものの、業績に影響されにくく、安定していると考えられるからです。
営業などは歩合の幅が大きく、結果が出なければ収入が低くなる、クビになってしまうリスクも大きいからです。
まとめ
銀行が住宅ローン審査に落とす理由について解説してきましたが
大きく分ければ
- 努力によって変えられるもの
- 努力をしてもすぐには変えられないもの
の2種類があるかと思います。
例えば、年収を上げようとしてもすぐには挙げられるものではありません。しかし、カードローンを利用している方の場合には住宅ローンに申込む前に完済してしまうという努力はできるはずです。
「努力によって変えられるもの」に注目し、審査の評価を高めて再チャレンジすることで住宅ローン審査に通る可能性を引き上げることができます。