住宅ローン「当初固定金利(一定期間固定金利)」の特徴・メリットデメリット・リスク
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- 作者: 住宅ローン比較
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住宅ローン「当初固定金利(一定期間固定金利)」の特徴・メリットデメリット・リスク
変動金利と全期間固定金利の中間に存在するのが「当初固定金利(一定期間固定金利)」です。今回は住宅ローン「当初固定金利(一定期間固定金利)」の特徴・メリットデメリット・リスクについて解説します。
「当初固定金利(一定期間固定金利)」の特徴
住宅ローンの当初固定金利(一定期間固定金利)は、借入から一定期間は同じ金利が設定される金利タイプです。
固定金利には大きく分けて
- 当初固定金利(一定期間固定金利)
- 全期間固定金利
の2つがあります。
全期間固定金利とは
- 借入から完済まで同じ金利が適用される
当初固定金利(一定期間固定金利)とは
- 借入から○年間は同じ金利が適用される
- 当初期間終了後は、その時点の金利で好きな金利タイプを選ぶ
という仕組みになっています。
当初固定金利(一定期間固定金利)のメリット
一定期間は金利上昇リスクがない
当初固定金利(一定期間固定金利)であれば、一定期間は借入から完済まで金利変動の影響を受けません。
- 借入から5年間
- 借入から10年間
- ・・・
プランによって異なりますが、借入直後に金利上昇が予測される場合に有効な金利タイプとなります。
また
- 子供が生まれて、子育て費用が発生する。
- 子供が生まれて、共働きの奥さんが仕事を辞めなければならない。
など、借り入れ当初の返済負担を軽減したい場合にも、当初固定金利はおすすめの金利タイプと言えます。
全期間固定金利よりは低金利
例:2017年11月の三菱UFJ銀行の住宅ローン金利
- 変動金利:年 0.625% ~ 年 0.775%
- 固定10年:年 1.05%
- 固定31年~35年:年 1.39%
となっています。
変動金利ほど低金利ではありませんが、全期間固定金利よりは低金利設定となっています。
当初固定金利(一定期間固定金利)のデメリット
当初期間終了後は、その時点の金利になる
当初期間終了後は、金利タイプをもう一度選ぶことができますが、金利はその時点の金利が適用されます。
つまり、当初10年固定金利で3年目に金利が上昇して
「変動金利にしなくてよかった。10年は固定金利だもんね。」
と思っていても、10年が経過したら、そのあとはその時点の金利が適用されるので、アドバンテージはなくなってしまうのです。
変動金利よりは高金利
前述した通りで、当初固定金利(一定期間固定金利)は、金利で見ると変動金利と全期間固定金利の中間に位置するため、変動金利よりは高金利設定になってしまいます。
当初固定金利(一定期間固定金利)の注意点
当初固定金利(一定期間固定金利)は当初期間終了後金利に注意
当初固定金利には
- 当初期間
- 当初期間終了後
の金利の引き下げ幅が違うものがあります。
例えば、当初10年固定金利で、35年返済の場合
- 基準金利:2.50%
- 当初10年間の金利引き下げ幅:-2.00%
- 当初10年間の金利:0.50%
- 11年以降の金利引き下げ幅:-1.00%
- 当初期間終了後の金利:1.50%
となっていた場合には
はじめの10年間は0.50%の金利なのに
11年目~35年目は1.50%の金利になる
ということです。
銀行としては、売りやすくするために「当初期間の金利:0.50%」しか表示しません。
これに釣られてしまうと、実際には35年中25年も高い金利で返済を続けなければならなくなってしまうのです。
当初期間の金利だけに注目するのではなく、「当初期間終了後の金利引き下げ幅」にも注意して住宅ローンの金利を比較しなければならないのです。