変動金利から固定金利への金利タイプの変更は至難の業
- 詳細
- 親カテゴリ: 住宅ローンの基礎知識
- カテゴリ: 住宅ローンの種類やサービス
- 作者: 住宅ローン比較
- 参照数: 66980
変動金利から固定金利への金利タイプの変更は至難の業
住宅ローンの金利タイプは、あとから切り替えることも可能です。「固定金利」から「変動金利」、「変動金利」から「固定金利」と比較的自由に切り替えができるのです。金利タイプ変更手数料が発生する銀行もありますが、数千円の出費なのでそれほど痛くはありません。しかし、現実問題として金利タイプの変更は至難の業なのです。その理由を解説します。
変動金利から固定金利への金利タイプの変更は至難の業
変動金利から全期間固定金利へ金利タイプを変更するケースを考えてみると
3000万円の借入で35年返済だった場合
- 変動金利:0.5% → 毎月の返済額:77,876円、総返済額:32,707,559円
- 全期間固定金利:1.4% → 毎月の返済額:90,393円、総返済額:37,964,808円
毎月の返済額:12,517円の上昇
総返済額:5,257,249円の上昇
となります。
変動金利は金利上昇リスクがあり、全期間固定金利には金利上昇リスクがありません。
から、金利タイプを変更する意味はあるのですが
果たして、あなたは毎月の返済額が12000円上昇し、総返済額が500万円上昇する金利タイプの変更を決断できるでしょうか?
なかなか、この決断ができる方というのはいないのです。
そもそも、金利上昇しないと判断して変動金利を一旦は選んでいるのですから、尚更です。
「変動金利で金利が徐々に上昇し始めたら、固定金利に金利タイプを切り替えれば良いのでは?」
- 変動金利が上昇する
ということは
- その時点での固定金利も上昇している
ということに他なりません。
つまり、どの時点で変動金利から固定金利に切り替えても、その金利差は変わらないのです。
変動金利で金利が徐々に上昇し始めたら
固定金利も金利が徐々に上昇し始めているのです。
決め手にはなりません。
だからこそ、「変動金利から固定金利への金利タイプの変更が至難の業」なのです。
固定金利から変動金利への金利タイプの変更は簡単だが、あとで後悔しないように!
固定金利から変動金利への借り換えの場合は、先ほどの逆ですから
- 全期間固定金利:1.4% → 毎月の返済額:90,393円、総返済額:37,964,808円
- 変動金利:0.5% → 毎月の返済額:77,876円、総返済額:32,707,559円
毎月の返済額:12,517円の低下
総返済額:5,257,249円の低下
なので、決断はしやすいはずです。
しかし、このメリットと抱き合わせで「金利上昇リスク」が発生してしまうことを忘れてはいけません。
- 住宅ローン借入時 → 「金利が上がるかもしれないから全期間固定金利にしよう。」
- 金利タイプ変更時 → 「やっぱり金利上がらなそうだから変動金利に変えよう。」
と、考え方が変わっているのですが、変動金利に変えたとたんに金利が上昇するケースもあるということなのです。
- 金利タイプ変更後、金利上昇時 →「やっぱり、金利タイプ変かえなきゃよかった。」
となりかねないのです。
金利タイプの変更は上記の通りで至難の業ですので、はじめの金利タイプ検討時に慎重に選ぶことをおすすめします。