繰り上げ返済で返済負担の軽減と金利上昇リスクの回避
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- 親カテゴリ: 住宅ローンの基礎知識
- カテゴリ: 住宅ローンの種類やサービス
- 作者: 住宅ローン比較
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繰り上げ返済で返済負担の軽減と金利上昇リスクの回避
住宅ローンの返済方法としては、以前は「ボーナス返済」が注目されていました。しかし、近年はボーナス返済よりも、繰り上げ返済で返済負担の軽減を目指す方が増えています。その仕組みを解説します。
繰り上げ返済で返済額が減る仕組み
なぜ、繰り上げ返済をすると返済負担額が減るのか?
というと
元本の減りが早くなるから。
です。
元本が通常の返済よりも、早く減れば元本にかかる利息も減り、最終的な総返済額が軽減されるのです。
論より証拠ですので、実際にシミュレーションしてみます。
借入額3000万円、金利1.0%、35年返済の住宅ローンを「繰り上げ返済(期間短縮型)」をした試算例です。
パターン | 金利 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 差 | 返済期間 |
---|---|---|---|---|---|
繰り上げ返済なし | 1.0% | 84,686円 | 35,567,795円 | 0円 | 35年 |
繰り上げ返済月5千円 | 1.0% | 84,686円 | 35,196,284円 | 371,511円 | 32年9ヶ月 |
繰り上げ返済月1万円 | 1.0% | 84,686円 | 34,860,237円 | 707,558円 | 30年9ヶ月 |
繰り上げ返済月2万円 | 1.0% | 84,686円 | 34,304,472円 | 1,263,323円 | 27年4ヶ月 |
月5000円の繰り上げ返済を続けるだけで、最終的には約37万円も総返済額が安くなり、かつ完済時期が2年3か月も前倒しにできるのです。
月1万円の繰り上げ返済であれば、約70万円も総返済額が安くなり、かつ完済時期が4年3か月も前倒しにできるのです。
繰り上げ返済には、総返済額を大きく削減できる力があるのです。
また、ボーナスのタイミングで必ず返済額が増額されてしまう「ボーナス返済」とは違って
繰り上げ返済は、いつ返済しても、いくら返済しても良い返済方法ですので
- 急な出費があったときは繰り上げ返済をしない。
- ボーナスが出なかった年は繰り上げ返済をしない。
という柔軟な対応ができるのです。これはボーナス返済よりも、優れた点と言えるでしょう。
民間銀行の住宅ローンの場合は、オンライン上で1円単位で繰り上げ返済が手数料無料でできるので「繰り上げ返済をどう駆使するのか?」が住宅ローン返済のコツとなっているぐらいです。
繰り上げ返済を活用するコツとしては
毎月〇〇円の繰り上げ返済
と自動設定してしまうことです。
今月は、生活費が余ったから少しだけ繰り上げ返済
とか
今年は、ボーナスが多かったから繰り上げ返済
とか
柔軟な返済が繰り上げ返済のメリットでもあるのですが、無計画にやろうとするとそのうち面倒くさくなってやらなくなってしまうので、ある程度計画的に繰り上げ返済を継続する方法をおすすめします。