団信の審査に通らず住宅ローン審査に落ちてしまう場合の対策
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- カテゴリ: 住宅ローン審査
- 作者: 住宅ローン比較
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団信の審査に通らず住宅ローン審査に落ちてしまう場合の対策
住宅ローン審査に落ちてしまう理由の一つに「団信(団体信用生命保険)の加入審査が通らない」というものがあります。
では、実際に団信の審査に通らず住宅ローン審査に落ちてしまった場合にはどうすれば良いのでしょうか?ここでは原因と対策について解説します。
団信の審査基準とは?
- 直近3ヶ月の病歴
- 直近3年以内の手術や2週間以上の治療歴
- 現在の身体の状態(傷害)
です。
治療歴や病歴で告知しなければならない症状は以下の通りです。
- 狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症、先天性心臓病、心筋症、高血圧症
- 脳卒中(脳出血・脳梗塞、くも膜下出血)、脳動脈硬化症
- 精神病、ノイローゼ、てんかん、自律神経失調症、アルコール中毒
- ぜんそく、慢性気管支炎、肺結核
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、すい臓炎
- 肝炎、肝硬変、肝機能障害
- 腎炎、ネフローゼ、腎不全
- 緑内障、網膜の病気、角膜の病気
- ガン、血腫、白血病、腫瘍、ポリープ
- 糖尿病、リウマチ、膠原病、貧血症、紫斑病
- 子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫、乳腺症
3年以内の手術や治療歴を告知することになるのため、逆に言えば3年以上前に治癒している症状については団信の審査では問われないことになります。
告知書では、さらに下記のように詳細を書く部分があるため
前述した症状に該当したら団信審査に通らないわけではなく、さらにその症状の内容に応じて審査が決まることになるのです。
直近3か月の通院歴などは多くの方が該当してしまうものなので、それがそのまま審査落ちの要因にはなりません。
告知事項が「あり」のときは、初診から詳しくすべてご記入ください。
複数の病気等がある場合すべてご記入ください。
- 【病気やけがの名前(診断名)・障害内容・けがまたは障害の原因】
- 【治療(指示・指導を含みます。)・投薬を受けた年月】
- 【入院の有無および期間】
- 【手術の有無・時期および名前または部位】
- 【症状経過】
- 治療中の場合、現在の症状・治療内容・薬剤名・用法・用量等をご記入ください。
- 〔高血圧症と告知された場合、最近の血圧値をご記入ください。〕
- 最高(収縮期圧)、最低(拡張期圧)
- 〔糖尿病と告知された場合、ご記入ください。〕
- 最近の空腹時血糖値 、インスリン治療、合併症
- 〔肝臓に関する病名を告知された場合、ご記入ください。〕
- 最近の肝機能検査数値
基本的に団信の審査は、「前述した症状への3年以内の該当」と「その詳細情報:治療歴や症状の現状」を元に住宅ローンの保険を引き受けている生命保険会社が自社の基準に基づいて審査をするものです。
生命保険会社によって審査基準は異なるのです。
それでも、団信の審査に落ちてしまった場合にはどうすれば良いのでしょうか?
団信審査落ち対策その1.「別の住宅ローンに申込む」
住宅ローンの団信というのは、生命保険の一種なのです。
住宅ローン契約者が死亡した場合に保険金で銀行に保険会社が残債を返済するという形になるものなのです。
そのため、住宅ローンの審査は銀行が行いますが、生命保険の審査は銀行と提携している生命保険会社が行うのです。
生命保険会社が違えば、団信の審査基準も違うということになります。
主要住宅ローンの団信の引受保険会社
- SBI新生銀行:第一生命・太陽生命
- 住信SBIネット銀行:カーディフ生命
- イオン銀行 :カーディフ生命
- ソニー銀行:ソニー生命・クレディ・アグリコル生命
- 三井住友銀行:住友生命
- 地方銀行:地銀協・明治安田生命
上記には重複している生命保険会社もありますが、団信の引受先保険会社を変えることで団信の審査が通る可能性があるのです。
団信審査落ち対策その2.「ワイド団信に申込む」
ワイド団信というのは、団信の審査基準が緩く設定されている団信のプランのひとつです。
通常の団信よりも、審査条件が緩和されている一方
通常の団信では発生しない保険料が発生するのです。
ワイド団信の保険料負担は
金利+0.3%増
というのが一般的です。
ソニー銀行などネット銀行の場合は、金利+0.2%増と負担額を少なくワイド団信を用意している銀行もあります。
ワイド団信の場合は、糖尿病、高血糖値、高血圧など既往症があっても、団信審査に通る可能性が高くなるのです。
ただ、金利+0.3%増というのは一見それほど大きな負担に見えないかもしれませんが、総返済額で見ると100万円~150万円の負担増となってしまいます。
ワイド団信にするまえに他の団信審査通過の対策を試してみましょう。
団信審査落ち対策その3.「医師の診断書を提出する」
団信の告知書に医師の診断書を一緒に提出することで団信の審査通過の可能性が上がります。
絶対というわけではありませんが、医師に症状が安定している旨を書いてもらった診断書を用意してもらって、それを提出することで保険会社の審査でも、評価がプラスになる可能性があるのです。
基本的に団信の生命保険会社の審査は告知書だけで行うものなので、告知書と同時に検討できる有利な材料は出しておくに越したことはないのです。
団信審査落ち対策その4.「フラット35」
フラット35は、団信に加入することが任意の住宅ローンです。
民間銀行の住宅ローンの場合、団信加入が必須要件なので、団信審査に落ちてしまったら、イコールで住宅ローン審査に落ちてしまうことになります。
しかし、フラット35の場合は団信に加入しなくても良いことになっているので、団信審査が落ちた方でも利用できる住宅ローンなのです。
フラット35は独立行政法人が提供している国の機関の住宅ローンなので、審査も民間銀行よりは通りやすいので、最終手段としては有望な選択肢と言えるでしょう。
団信審査落ち対策その5.「生命保険を担保に借りる」
すでに生命保険に加入している方の場合は、その保険金額を担保にすることで団信に入らなくても、住宅ローン審査に通る可能性があります。
そもそも、団信自体が生命保険の一種なので、別の生命保険だとしてもその保険金額を優先的にローン返済に回してくれるのであれば銀行としては何の問題もないのです。
ただし、当然「担保」にするということは、万が一契約者が死亡したとしても生命保険の保険金を自由に使うことはできません。まずは住宅ローンの残債の返済が優先されてしまうからです。
また、生命保険の保険金額の設定が融資額に満たない場合は、銀行との相談になり、担保が不足するため借りられないケースもあります。利用予定の銀行に相談すると良いでしょう。
まとめ
団信審査が通らなかったとしても、取れる対策はいくつかあります。
- 別の生命保険会社が引き受けている住宅ローンに申込む
- ワイド団信に申込む
- 医師の診断書を告知書に添付して提出する
- 団信が必要ないフラット35に申込む
- すでに加入済みの生命保険を担保に借りる
というものです。
団信審査に落ちたからといって、住宅ローンが利用できないわけではありません。自分にあった対策を選んで住宅ローン利用にこぎつけましょう。