住宅ローン借入拡大サービスに注意
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- カテゴリ: 住宅ローンの達人が教える
- 作者: 住宅ローン比較
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住宅ローンの借入拡大サービスに注意
住宅ローンのネット銀行を中心とした低金利競争が激化しています。金利は上がる上がると言われながら、逆にどんどん低下する現象が起こっていますが、それ以外にも住宅ローンのサービス見直しで付加価値を強化する住宅ローンが増えてきているのです。そのひとつが借り入れ枠の拡大、借入しやすいサービスの導入です。しかし、これは手放しで喜んでよいものではありません。
ネット銀行を中心に増加する借入拡大サービス
SBI新生銀行住宅ローン
リフォーム資金も、住宅ローンと同じ金利でリフォーム費用の100%の借り入れが可能。中古住宅を購入している方が同時に行うリフォーム費用が借りられるサービス。
住信SBIネット銀行住宅ローン
借入時にかかる事務取扱手数料や諸費用(収入印紙代、登記費用、火災保険料)も、住宅購入金額と合わせての借り入れが可能。完全に初期費用無料での住宅ローン利用がが可能。
イオン銀行住宅ローン
最高300万円までは住宅ローンにプラスしての借り入れが可能。諸費用、太陽光発電、ガーデニング、家具などに利用可能。ただし、SBI新生銀行、住信SBIネット銀行と違ってこの借り入れは基準金利+1.5%と割高な金利が設定される。
借入拡大サービスには注意が必要
今までは、頭金が最低1割必要という時代が長く続いていました。そのため、3000万円の住宅を購入するためには最低でも300万円、平均で600万円もの自己資金が必要だったのです。当然、住宅購入を検討できる人は多くなく、賃貸に住み続けるという人が多かったのです。
しかし、2010年以降、頭金0円でも借り入れができる住宅ローンが急激に増えてきました。ただし、この場合でも、本当に自己資金0円で住宅を購入することはできず、諸費用や引越し費用、新居の家具の購入費用などは必要だったのです。
しかし、最近ではそれすらも本当に不要になり、諸費用ローンを利用すれば、貯金0円で住宅が購入できるほど住宅購入に対するハードルが低くなったのです。
これは住宅ローン利用者にとっては「貯金がなくても、家が買える」ということでメリットのように思ってしまいますが、「自己資金が必要ない=返済する金額が増える」ということでしかないのです。
厳しい言葉で言えば「貯金がない」「貯金ができていない」家計の状態なのに、「住宅ローンを30年ほどの期間きちんと返済できるのか?」というところは、慎重に判断しなければならないと言えるのです。貯金をしたことがないということは、どのくらい住宅ローンの返済にまわせるのかの実体験がないということになります。
編集部の意見としては、まずは1年貯金をしてみて自己資金分の150~200万円ほど貯められるようであれば、ローンの返済も問題なくできると判断して住宅購入に踏み切るという形でも良いのではないか。と考えています。自己資金が多い方が金利も、審査も有利になりますし、当然返済する額も減ります。
住宅購入をあおってくる借入拡大サービスに、そのままのっかって貯金0円で買ってしまうのではなく、まずは自分でどれだけ返済できるのか?十分に検討してから住宅購入をするべきなのです。