ペアローンのメリットデメリット
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- 親カテゴリ: 住宅ローンの基礎知識
- カテゴリ: 住宅ローンの種類やサービス
- 作者: 住宅ローン比較
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ペアローンのメリットデメリット
共働き世帯で住宅ローンを借りるときに借入額が不足して、希望している物件が変えない場合に「収入合算」という方法で夫婦の収入を合算して借りられる金額を増やすことができます。これを「収入合算」と呼びますが「収入合算」で最もメジャーな方法「ペアローン」について解説します。
ペアローンとは?
ペアローンというのは、夫婦共働きで収入がお互いにある場合、夫と妻が一つの購入物件に対して、別々の住宅ローン契約をして、借入額を増やすことを意味します。
- 夫の年収:400万円
- 妻の年収:300万円
の場合、一般的に年収の6倍まで住宅ローンで借りることができるのですが
夫だけで借りようとすると
夫の年収:400万円 → 2400万円
となってしまいます。
ペアローンを利用した場合
夫+妻の年収:700万円 → 4200万円
となります。
つまり、ペアローンは、夫婦共働きで夫だけの収入で借りられる金額では希望の物件が購入できない際に利用されるもので、妻も同じ物件に対して別のローン契約を結ぶことが必要になります。また、お互いの住宅ローン契約の連帯保証人になる必要もあるのです。
ペアローンがおすすめの方
- 夫、妻の単独の年収では希望の物件の購入額に届かない方
- 夫婦ともに住宅ローン控除を受けたい方
ペアローンのメリット
借りられる金額が増える
夫、妻の単独の年収で住宅ローンを借りるときよりも、夫婦の年収を合算できるため、借りられる金額が増えます。
住宅ローン控除が互いに利用できる
住宅ローン残高の最大1.0%の所得税、住民税の控除が10年間受けられる住宅ローン控除という制度があります。ペアローンでは住宅ローン契約を夫婦ともに行うため、夫婦ともに各自のローン残高に対して住宅ローン控除が受けられ鵜ます。
団信が互いに利用できる
団信は住宅ローンの契約者が死亡したときに残りの住宅ローン残高が0円になる生命保険の一種ですが、これも住宅ローン契約を夫婦各自で行うため、ペアローンの場合夫婦ともに団信が利用できることになります。
金利プランを分けられる
住宅ローン契約が2本走るので、妻は変動金利、夫は固定金利というような組み合わせで、リスクを抑える住宅ローン設計が可能です。
ペアローンのデメリット
諸費用が増える
住宅ローン契約が2本になるため、登記も2つ必要になります。ということは抵当権設定登記の費用、司法書士報酬、印紙代などが2倍発生してしまうのです。
団信の効果が薄まる
団信がお互いにかけられることはメリットですが、団信で保障される金額というのは、死亡した方が加入している住宅ローンの残債に対してですから、遺族の方の住宅ローンはそのまま残債が残ってしまうのです。団信が夫婦ともに掛けられる分、団信の効果というのは薄まってしまいます。
ペアローンの注意点
妻も返済をしなければならない。ライフスタイルが変化するリスクあり!
共働きの環境が継続できれば問題ありませんが、例えば「子供が生まれた」という状況で、働き続けることが難しくなってしまうことも考えられます。この場合、結果的に夫が年収に見合わない金額の返済(妻分も含めた返済)を継続しなければならなくなってしまいます。
持分割合とローン負担割を同じに設定しないと贈与税が発生する
ローンの負担割合が
- 夫:2000万円(3分の2)
- 妻:1000万円(3分の1)
なのに物件の持分割合(所有権。登記をする時に決定)が
- 夫:2分の1
- 妻:2分の1
となってしまう場合に、妻は負担した額が小さいのに過剰な財産を保有していることになってしまうため、このケースでは夫から妻へ500万円分が無償譲渡されたと見なされてしまいます。これでは贈与税が発生してしまうのです。
持分割合とローン負担割を同じに設定しておけば問題ありません。
離婚した場合に面倒なことになる
物件が一つしかないため
- 「財産の持分割合をどうするのか?」
- 「今後この物件はどちらが住むのか?」
- 「連帯保証人の解消は必要あるのか?」
- 「お互いが各自の住宅ローンを払い続けられるのか?」
- ・・・
など、夫だけで住宅ローンを借りているケースと比較して、離婚時の作業が複雑になってしまいます。
まとめ
ペアローンは、メリットも大きい反面、デメリットやリスクもある住宅ローンの借り方です。十分に検討したうえで利用しましょう。