住宅ローンのキャンペーン金利に騙されるな!
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- カテゴリ: 徹底比較!どっちがお得
- 作者: 住宅ローン比較
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住宅ローンのキャンペーン金利に騙されるな!
住宅ローンの中では、期間限定で固定期間の短い金利タイプでキャンペーン金利を適用して、大々的にキャンペーンを行う銀行が増えてきました。しかし、このキャンペーン金利は落とし穴が多いので注意が必要なのです。
論より証拠。まずは試算してみましょう。
2014年2月のみずほ銀行の増税前のキャンペーン金利は以下のようになっています。
固定2年専用当初期間重視プラン
- 当初2年 年率 0.550% (店頭表示金利よりも▲2.10%)
- 2年目以降 年率 0.775% (店頭表示金利よりも▲1.70%)※金利変動がない場合
となっています。
つまり、同じみずほ銀行の変動金利と比較した場合、変動金利は年率0.775%なので、はじめの2年間だけ0.225%金利低金利になるキャンペーンと言えます。
しかし、これは本当にお得なのでしょうか?
ソニー銀行の変動金利と総返済額で比較してみましょう。
借入額3000万円 35年借り入れ 2014年2月現在の金利で試算
カテゴリ | 項目 | みずほ銀行キャンペーン金利 | ソニー銀行変動金利 |
---|---|---|---|
当初2年間 | 適用金利 | 0.550% | 0.599% |
保証料 | 0.200% | 0.000% | |
実質金利 | 0.750% | 0.599% | |
毎月返済額 | 81,235 | 79,195 | |
年間返済額 | 974,820 | 950,340 | |
3年目以降 | 適用金利 | 0.775% | 0.599% |
保証料 | 0.200% | 0.000% | |
実質金利 | 0.975% | 0.599% | |
毎月返済額 | 84,079 | 79,195 | |
年間返済額 | 1,008,948 | 950,340 | |
総返済額 | 35,210,944 | 33,261,780 | |
諸経費 | 事務手数料 | 31,500 | 630,000 |
その他 | 180000 | 180000 | |
全体 | 総負担額 | 35,422,444 | 34,071,780 |
差額 | - | -1,350,664 |
となります。
ソニー銀行の変動金利が0.599%で、みずほ銀行のキャンペーン金利が2年固定で0.55%と
見た目上は、みずほ銀行の方が金利が低金利で、かつ「固定金利」なので総返済額が低くなるのではと勘違いしがちなのですが
実際にシミュレーションをしてみると総返済額はソニー銀行の方が約135万円も低くなるのです。
理由1 保証料の負担が大きい
メガバンクの場合は、保証料によって金利にプラス0.2%される形になります。たった、0.2%ですがこの0.2%が100万円以上の負担増を引き起こしているのです。ネット銀行の場合は、その分事務手数料が高いのですがそれを差し引いても上記の通りでネット銀行に軍配が上がります。
理由2 固定期間の2年の間に金利が上がったら、みずほ銀行の方がお得じゃないの?
これも間違えです。確かにはじめの2年間だけは固定金利なので、1年後に金利が急上昇した場合は「その後の1年間だけは低金利になります。」しかし、3年目に金利を切り替える際には「すでに上昇している店頭金利」が基準になるため、固定金利のメリットはなくなるのです。はじめから変動金利を選んだ人と同じになるのです。
つまり、たった2年の固定金利では金利が急上昇しても、大きなメリットがないことになります。仮に1年後に金利が急上昇したとしても、30年という長い返済期間の中でお得な金利が適用されるのは残りの1年間だけなのです。30分の1にすぎません。つまり、ソニー銀行との差額約130万円を消しこむことは到底不可能なのです。
まとめ
期間限定で固定期間の短い金利キャンペーンを利用するなら
→ はじめから低金利のネット銀行の変動金利タイプの方が良い
金利上昇のリスクが大きいと判断するのであれば
→ 2年、3年という短期の固定金利ではなく、10年以上の固定金利を選ぶべき
なのです。見た目の金利に惑わされずに住宅ローンを比較検討することが重要です。