住宅ローンの親の援助方法
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- カテゴリ: 住宅ローンの達人が教える
- 作者: 住宅ローン比較
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住宅ローンの親の援助方法
住宅ローンを利用した、住宅購入を考えている場合、親からの援助をもらえる人も多いのではないでしょうか。特に物件購入価格の2割は頭金として用意しておきたいところですが、3000万円であれば、頭金は600万円。貯金だけでこの頭金とインテリア代、諸費用を捻出するのは至難の業です。親からの援助をもらうことは悪いことではありませんが、相続や贈与税なども考慮した援助方法を選択しないと、思わぬ出費が増えてしまう可能性もあるのです。
意外に税負担の思い贈与税
- 基礎控除 110万円
110万円を引いた課税価格 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
200万円以下 | 10% | - |
300万円以下 | 15% | 10万円 |
400万円以下 | 20% | 25万円 |
600万円以下 | 30% | 65万円 |
1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
1,000万円超 | 50% | 225万円 |
基礎控除というのは、「1年の間にこの金額までは贈与税がかかりませんよ。」という控除枠です。おじいちゃんが孫に上げたお年玉に贈与税はかからないのです。1年間に110万円までであれば、贈与税はかかりません。
例えば、特例などがない場合に、頭金として600万円の援助を受けた場合贈与税は
- 600万円 - 110万円(基礎控除) = 490万円
- 490万円 × 30% - 65万円(控除額) = 82万円
と82万円も税金がかかってしまうのです。しかし、住宅ローンに限っては今なら贈与税の特例があるので、それを利用すれば頭金の援助の贈与税を回避することが可能です。
住宅ローンの援助に利用できる特例
住宅購入資金の贈与税の特例
直系尊属(実の祖父、祖母、父、母)から自宅の住宅購入の贈与を受ける場合で、かつ床面積が240平米以下の場合、下記のような非課税枠の特例が用意されています。
- 平成24年中の贈与 1000万円まで非課税(省エネ・耐震性のある住宅 1500万円)
- 平成25年中の贈与 700万円まで非課税(省エネ・耐震性のある住宅 1200万円)
- 平成26年中の贈与 500万円まで非課税(省エネ・耐震性のある住宅 1000万円)
年々、非課税枠が下がっているのにお気づきでしょうか?
親からの資金援助を考えていて、それが高額になりそうな場合は、金利の動向よりも、贈与税の特例があるうちに住宅ローンの援助を受けた方が全体の費用負担は少ない可能性もあるのです。また、基礎控除の110万円は別に利用することが可能なため、上記の非課税枠+110万円までは援助してもらっても非課税になるのです。
住宅ローンの利用を検討しているのであれば、親や祖父祖母へ資金の援助をお願いするというのも賢い方法です。将来的に相続というもので、どちらにしろ相続税が発生してもらう資金であるため、非課税で相続できるのであれば、非常にお得な制度なのです。
相続時精算課税制度
相続をする前に相続分の財産を前払いで受け取ることができるのが相続時精算課税制度です。この制度を利用すれば、2500万円までは受け取り時は課税されません。しかし、実際に贈与をしてくれた方が亡くなってしまい、相続が発生したタイミングで、この金額分も含めて相続税が計算され、相続税を支払う必要があります。
これは、あくまでも、相続の前借りなので、税負担が軽くなるわけではありません。ただし、相続税の方が贈与税よりも、負担額が低いので、このような制度ができたのです。
この制度は、住宅購入資金の贈与税の特例と同時に利用することが可能です。ですので、まずは、贈与税の特例を利用し、それでも足らない分は、相続時精算課税制度を利用すれば、住宅購入時点では税負担はかからずに親からの援助を受けることが可能なのです。
基本的には相続時精算課税制度よりも、住宅購入資金の贈与税の特例の方を優先的に検討しましょう。