営業トークのウソ第2回
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- 親カテゴリ: 住宅ローンの達人が教える
- カテゴリ: 営業トークのウソ
- 作者: 住宅ローン比較
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営業トークのウソ第2回
不動産屋さんの住宅営業のセールストークには嘘が満載です。正しい知識を持って、騙されないようにしましょう。
- 住宅購入検討者 : 「ちょっと決め兼ねているんですよね。」
- 不動産の営業 : 「来年の4月以降の引渡しになると消費税が3%も増えてしまうので、今買わないと損しますよ。」
- 住宅購入検討者 : 「そうですよね。」
- 不動産の営業 : 「はい。3000万円の物件ならば90万円も増えてしまうことになります。」
- 不動産の営業 : 「みなさん。そう考えられているのでいい物件は早くしないとなくなっちゃうんですよ。」
- 住宅購入検討者 : 「考えてみます。」
ここでの間違えはどこになるのでしょうか?
間違え その3.2014年4月の消費増税は前がお得?後がお得?
確かに3000万円の物件であれば、消費税は5%から8%になるため、引渡し(最終決済)が2014年3月31日以降になれば3%分の90万円は支払額が増加してしまいます。これ自体は正しいのですが、今期の予算で延長されるのが確実な住宅ローン減税の内容が入っていません。物件の1%が10年間減税される制度が消費増税のタイミングから実行されるのです。2014年3月31日以前であれば、上限が年間20万円。以降であれば上限が年間40万円です。これが10年分なので、3000万円の物件であれば、概算ではありますが消費増税前であれば年間20万円×10年の減税、消費増税後であれば年間30万円×10年の減税なので、約100万円減税幅が増えるのです。実際には残高に対しての1%なので厳密にシミレーションしてみなければどちらが得かはわかりませんが、それでも増税前が絶対にいいというほどではないのです。
間違え その4.物件の価格は需要とともに増加、供給戸数も増加中
2013年は、ほとんどの不動産会社の営業マンが消費増税とアベノミクスの金利低下を武器に営業をします。逆に言うと、不動産会社も駆け込み需要があると想定して供給戸数も昨年同月対比で1.5倍に迫るいきおいなのです。駆け込み需要のタイミングは、物件価格が高くなるので、みんなが買いたいと思っているから人気の物件がなくなるというのはウソになります。その分、供給しようとしているので、しかも高い金額になっているのです。上手に駆け込み需要を外せば、消費増税分ぐらいは安い価格で購入できる可能性すらあるのです。
検証:実際に2014年4月の消費増税を受けての結果検証
消費税が増税されるということによって、物件価格がどのくらい上昇したのでしょうか?
- 2014年2月の階で2693万円でした。
- 2013年2月の2531万円ですので、増加分は182万円です。
消費増税が終わって、2か月の2014年5月のデータでは2656万円と37万円ほど価格が下がっています。当然、この平均価格は当面下がり続けることが予測されます。
一方、消費税の増税分3.0%は、住宅ローン減税の拡大幅とほとんど相殺することができる設定になっているため、増税での損得はゼロなのです。
つまり、結果として不動産会社の営業トークのように「消費増税の前に買っておいた方が良いというのは間違えなのです。」現時点でも、約40万円ほどは増税後の方がお得になっていますし、住宅価格は反動減によって今後もなだらかに低下していくことが予測されるため、より増税後のお得幅の方が拡大するはずなのです。
2015年10月の消費税の10%への増税のときにも、営業トークに惑わされないように準備することが大切です。