営業トークのウソ第4回
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- 親カテゴリ: 住宅ローンの達人が教える
- カテゴリ: 営業トークのウソ
- 作者: 住宅ローン比較
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営業トークのウソ第4回
不動産屋さんの住宅営業のセールストークで2013年4月現在もっともタイムリーなものをご紹介します。
- 住宅購入検討者 : 「住宅ローンの金利って上がってしまうのですかね?」
- 不動産の営業 : 「安倍政権のアベノミクスで、株価も急上昇しているじゃないですか、あれと同じで金利もすぐに上昇してしまいますよ。」
- 住宅購入検討者 : 「えっそうなんですか?」
- 不動産の営業 : 「はい。もう来月、再来月にも上がってしまうので早くした方が返済額が少なくてすみますよ。」
- 住宅購入検討者 : 「なるほど・・・。」
- 不動産の営業 : 「もう住宅ローンの低金利も終わってしまいますからね。」
誰だって、アベノミクスで、株価が上がった、円安になっていった。ことに対して危機感を煽れば、金利もすぐにあがってしまうのではないかと思い、不動産屋さんにとっては、住宅を売る最後の決心を誘導することができるのです。
間違えその6.本当に金利はすぐにあがるのか?
まず、絶対にないとは言い切れません。ただし、住宅ローンの金利がどうやって決まるのか?を把握していれば、その可能性は限りになく低いことに気がつきます。
- 住宅ローンの変動金利は、政策金利と呼ばれる日本銀行が民間銀行に融資する金利に連動する
- 住宅ローンの長期固定金利は、10年ものの国債金利に連動する
ことになります。
まず変動金利ですが、銀行は通常日本銀行から融資をしてもらいます。日本銀行というのは、銀行のための銀行であって個人に貸さずに銀行に貸すための銀行なのです。民間の銀行はこの調達金利に自分たちの取り分をのせて、個人の方や法人に貸付をすることによって収益を得ています。この調達金利が低ければ、個人に貸付をする金利が低くくても、収益を得ることが可能です。景気が悪い局面では日銀はこの調達金利を抑えることによって、企業や個人への貸付金利を低く抑える政策を取ります。これがゼロ金利政策と呼ばれるもので、日本ではバブル崩壊後の2001年から2006年、そしてリーマンショックの2008年から続いている政策になります。
この政策が続けば、調達金利が低いので、今の住宅ローンの金利も低いままなのです。この政策が解除されるのは景気回復が終わった後なのです。今すぐに日本が景気回復できるかというとそうではありません。すなわち住宅ローンの金利も当面は維持傾向だと考えられます。
長期固定金利は、10年ものの国債金利に連動します。アベノミクスでは、日銀が国債を2倍民間銀行から買い取ることで資金を市場に供給し、物価上昇を狙うと日銀総裁が発表しました。日銀が国債を買い取るということは、国債の金利は下がることになります。買い手が多いということは、金利が下がっても買う人がいるということなのです。つまり、長期固定金利は下がっていくと考えられます。実際、2013年4月では国債金利は10年ぶりの最低水準を記録しています。
つまり、不動産屋の言うような「すぐに金利が上がってしまいます。」というのはウソなのです。