住宅ローン金利動向 2013年7月レポート
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- 作者: 住宅ローン比較
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住宅ローン金利動向 2013年7月レポート
住宅ローンの動向をまとめた毎月のレポートです。住宅ローンを検討している方は参考にしていただければ幸いです。
主要住宅ローンの2013年6月から2013年7月の金利変動
銀行 | プラン | 6月 | 7月 | 変動幅 |
---|---|---|---|---|
SBI新生銀行 住宅ローン | 固定15年 | - | 1.95% | - |
住信SBIネット銀行 住宅ローン | 固定5年 当初引下 | 1.06% | 1.11% | 0.05% |
固定10年 当初引下 | 1.53% | 1.43% | -0.10% | |
固定15年 当初引下 | 2.11% | 2.17% | 0.06% | |
固定35年 | 2.44% | 2.49% | 0.05% | |
ソニー銀行 住宅ローン | 変動金利 | 0.80% | 0.79% | -0.012% |
固定5年 | 1.38% | 1.30% | -0.082% | |
固定10年 | 1.79% | 1.74% | -0.052% | |
固定15年 | 2.25% | 2.25% | 0.000% | |
固定25年 | 2.64% | 2.60% | -0.039% | |
固定35年 | 2.64% | 2.60% | -0.039% | |
フラット35 | 固定21年~35年以内 | 2.03% | 2.05% | 0.02% |
三菱UFJ銀行 住宅ローン | 固定10年 | 1.60% | 1.70% | 0.10% |
固定15年上限 | 3.15% | 3.25% | 0.10% | |
固定25年上限 | 2.73% | 2.89% | 0.16% | |
固定35年上限 | 2.83% | 2.97% | 0.14% | |
三井住友銀行 住宅ローン | 固定10年 | 1.60% | 1.70% | 0.10% |
固定15年 | 2.58% | 2.51% | -0.07% | |
固定25年 | 2.83% | 2.76% | -0.07% | |
みずほ銀行 住宅ローン | 固定5年上限 | 1.55% | 1.60% | 0.05% |
固定10年上限 | 1.80% | 1.85% | 0.05% | |
固定15年上限 | 2.20% | 2.25% | 0.05% | |
固定25年上限 | 2.45% | 2.50% | 0.05% | |
固定35年上限 | 2.55% | 2.60% | 0.05% | |
東京スター銀行 住宅ローン | 固定5年 | 1.45% | 1.60% | 0.15% |
固定10年 | 2.25% | 2.45% | 0.20% |
- ネット銀行は、金利を維持、低下
- フラット35は、固定金利21年超が微増
- 三菱UFJ銀行は、固定金利全体約0.1%増加
- 三井住友銀行は、10年固定0.1%増加、15年、25年0.07%低下
- みずほ銀行は、固定金利全体約0.05%増加
新発10年物国債の金利が上昇した5月末に比べて、国差金利も落ち着きを取り戻し、0.855%と少し低下した。その影響を受け、6月金利を押し上げた各銀行とも長期の固定金利を維持もしくは多少変動させた程度の動きにとどまっている。
しかし、特徴的なのはメガバンクが足並みをそろえて、10年当初固定金利を0.1%高くしたことである。昨年1.3%と非常に低金利で打ち出した10年当初固定金利を徐々に元の水準に戻していく動きが強まっている。これは国債金利の上昇の影響ではなく、銀行側の利幅の問題と、3年当初固定などに販売のウェイトを移行していることがうかがえる。
逆にネット銀行は、各行とも大きく金利を動かさず、キャンペーンの強化で借り換え需要を狙う戦略を組み立てている。SBI新生銀行は借り換えで0.1%優遇、住信SBIネット銀行は5万円プレゼント、SBIモーゲージはネットでの借り換え査定の強化とCM展開など、メガバンクが弱腰になっているときに、強気の攻めに出ている形だ。
主要住宅ローン最新トピック
3年固定金利での顧客獲得が激化
昨年12月に日本銀行が打ち出した「貸出増加支援制度」は日銀が民間銀行に4年間の期限付きで金利0.1%で融資をする制度である、各銀行ともこの制度を利用し、当初3年固定の住宅ローンサービスをこぞって展開している。もともとは三井住友銀行が打ち出したサービスに各銀行が乗っかった形になっている。
当初3年固定は、見た目上、金利が低い。住信SBIネット銀行は0.59%、三井住友銀行は、0.6%である。これはネット銀行の変動金利よりも低い。ただし、これは単なる3年間限定のものであり、4年目以降は金利は上がるため、実際あまり意味がない。はじめから変動金利で借りた方が安くすむ。見た目の金利に騙されないように注意したいところ。
ネット銀行が借り換えキャンペーンを強化中
SBI新生銀行は「パワースマート住宅ローン」の借り換え利用で金利を0.1%優遇するキャンペーンを実施。2013年8月16日(金)までの申し込みが必要だ。住信SBIネット銀行は、住宅ローン借換えでもれなく50,000円プレゼントキャンペーンを実施中。これは平成25年7月31日(水)までの借り換え実行が必要である。ネット銀行は、繁忙期が過ぎ、借り換え利用者の囲い込みに注力しているのだ。固定金利を足並みそろえてあげているメガバンクに対する対策とも言えるだろう。
5月新設住宅着工、前年同月対比14.5%増
国土交通省が発表した平成25年5月の住宅着工の動向では、新設住宅着工戸数は前年同月比14.5%増の7万9751戸。これは9カ月連続の増加という結果である。住宅ローンの金利上昇を背景に、購入が増加し、中でも分譲マンションの着工数が増加している。実際のところは、消費増税の来年4月の駆け込み需要を狙ったディベロッパーが売り物の数をそろえるために分譲マンションを着工しているということだろう。
戸建価格は下降、マンション価格は下降
東京のマンション価格の平均は2013年5月で3096万円と前月の3126万円から2か月連続で下がった。東京の戸建の価格の平均は2013年5月で3887万円と前月の4346万円と急降下した結果になった。6月は住宅価格が下がる時期。住宅ローンの金利が横ばいの中、実は物件価格が下がっているため、多くの人が様子見をしている今こそ買い時という判断も大いにあり得るだろう。
住宅ローン政策関連トピック
住宅購入者への給付金の給付方針が決定!最大30万円
自民、公明両党は、消費増税による駆け込み需要を均すために、住宅購入者向けの給付金制度の与党案を固めた。2014年4月の8%の消費増税で年収が510万円以下の世帯を対象に最大30万円を現金で支給する。
もともと、住宅ローン減税の上限の拡大は、中堅所得層にとっては、適用できる所得税や住民税がもともとすくないため、あまり意味がなさなかった。その分を現金給付で賄うのは理にかなっていると言えるだろう。
しかし、まだ具体的な詳細は決まっておらず、住宅ローン減税と組み合わせても、増税後の方がお得になると考えるのは、あさはかである。給付金額は10万円~30万円とされており、年収が510万円に近ければ10万円ほどの給付にとどまるだろう。3000万円の物件購入で90万円の増税負担がある中、10万円と減税枠の拡大で果たしてお得になるのだろうか、はなはだ疑問である。物件価格を考えれば、価格が落ちて、様子見の人が増えるこの夏が掘り出し物物件を見つけるタイミングではないだろうか。