住宅ローン金利動向 2017年10月レポート

住宅ローン金利動向 2017年10月レポート

住宅ローンの金利動向・金利推移をまとめた毎月のレポートです。住宅ローンを検討している方は参考にしていただければ幸いです。

主要住宅ローンの2017年9月から2017年10月の金利変動

• 衆議院解散総選挙で政局の不透明感から国債金利上昇
• 10年もの国債金利（長期金利）は上昇
• 10年以上の固定金利も上昇
• 変動金利もキャンペーン終了によりやや上昇
• フラット35の制度変更

10年もの国債金利（長期金利）は2017年9月4日時点で－0.005％でしたが、2017年10月5日時点で0.075％と国債金利は0.08％上昇しました。

8月末の北朝鮮の軍事衝突リスクが高まったため、リスクオフの安全資産である「円買い」「日本国債買い」により国債金利は大幅に低下していたのですが、9月17日には、安倍総理の衆議院解散総選挙の意向がメディアに伝えられたのです。

政権与党である自民党が圧勝する見通しであれば国債金利に影響はそれほど及ばないものですが、小池都知事が希望の党を創設し、民進党を吸収するなど、野党の攻勢の方が目立ち、「政局は不透明な状況」と判断する投資家が増えているのです。

国債は国の借金ですから、「日本の信用」と置き換えることもできます。政局が不透明になり政権交代の可能性が強まれば、国債を買い控える、国債を売る傾向が強くなり、国債金利も上昇するのです。

これが0.1％を超える金利上昇であれば、日銀が買い支えるため、金利は上がりにくいのですが、金利は0.075％と0.1％以内の上昇ですので、日銀もそれほど慌てていません。

結果として、2017年10月は金利が上昇することになりました。

また、その他のトピックスとしては、フラット35が制度変更をして、「団信付き」を基本とした金利体系に変更しました。ただし、団信なしのプランも選べるので、今までと大きな違いはありません。

主要住宅ローン最新トピック

長期金利は大幅上昇

新発10年国債利回り（長期金利）は、2017年9月4日時点で－0.005％でしたが、2017年10月5日時点で0.075％と国債金利は0.08％上昇しました。衆議院の解散総選挙によって、政局の不透明感が強まってきたからです。国債の買い控え、国債の売りが強まり、国債金利も上昇しています。

ネット銀行の変動金利競争は抜きつ抜かれつの状況

毎月のように変動するネット銀行による変動金利の低金利競争はじぶん銀行と住信SBIネット銀行がリードしています。無条件の分、若干じぶん銀行が有利と考えて良いでしょう。2017年10月は、りそな銀行が「ネット向けの借り換えプラン」を0.440％まで引き下げ、一躍トップに躍り出ました。りそな銀行はネット銀行ではありませんが、「ネット申し込み専用プラン」でネット銀行に対抗している形になります。

1. りそな銀行（借り換え）：0.440％

2. 住信SBIネット銀行（借り換え）：0.447％

3. 住信SBIネット銀行：0.477％

4. じぶん銀行（無条件）：0.497％

5. ソニー銀行（頭金1割以上）：0.499％

6. イオン銀行：0.570％

7. SBI新生銀行：0.600％

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住信SBIネット銀行の疾病保障の保障範囲が拡大

2017年5月以前

8疾病保障のみ（女性はガン診断給付金）

ガン（悪性新生物）、急性心筋梗塞、脳卒中、高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎

2017年6月～

精神障害等を除く。すべての病気・ケガの疾病保障（女性はガン診断給付金）

ガン（悪性新生物）、急性心筋梗塞、脳卒中、高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎、その他の病気やケガ

となります。

どちらも、

• 就業不能状態になると住宅ローン返済額が保険で支払われる。（8疾病保障以外の病気・ケガは入院での就業不能状態）
• 就業不能状態が1年経過すると住宅ローン残債が保険で支払われる。

保障で、無料付帯です。住宅ローンの中で非常に有利な保障設定と言えます。

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メガバンクは揃って金利を引き上げ。1.2％台に入る銀行も増加

各銀行の当初10年固定金利（保証料0.2％込）

• 三菱ＵＦＪ銀行　1.250%
• 三井住友信託銀行銀行　1.250%～1.800%
• 三井住友銀行　1.250%
• りそな銀行　1.250%
• みずほ銀行　1.000%～1.450%

メガバンクは、ネット銀行と比較して当初10年固定金利を打ち出していますが、長期金利の上昇に伴い、徐々に金利を引き上げています。2017年10月は、国債金利は上昇しましたが、上昇したのが月の下旬だったてめ、各銀行とも金利は据え置きにしています。来月は上昇する可能性が高いといえます。

フラット35の制度変更

フラット35は、今までは「団信任意加入」「団信なし」を特徴として訴求してきた住宅ローンですが、今回の制度変更により「団信料込みの金利」が基本となりました。団信特約料が月々の返済額に織り込まれるということです。

ただし、団信への加入は必須ではなく、団信なしでも、金利が低いプランへの加入が可能ですので、それほど大きな変更ではありません。

同時に、フラット35Sの金利引き下げ幅が0.30％から0.25％に狭まっています。

配偶者控除は150万円以下に上限引き上げで2017年度の税制改正大綱決定

配偶者控除は配偶者の年収が103万円以下の場合に所得税から38万円を控除できる仕組みですが、2017年度の税制改正大綱決定で150万円以下への引き上げが決定しました。配偶者の所得が150万円以下であれば、引き続き所得税から38万円を控除できることになります。一方で、歳出を変えないために、世帯主の年収制限を設定し、世帯主の年収が1120万円を超える世帯の場合には、控除額が減る設定となっています。

配偶者控除上限引き上げ詳細はこちら

8月新設住宅着工、前年同月対比2.30％減。2ヶ月連続の減少

8月の新設住宅着工戸数は前年同月対比で2.0％減の8万562戸を記録しました。「持家」が7.4％減、「分譲住宅」が12.0％増、「貸家」が4.9％減となっています。相続税対策の貸家建設は順調に増加していましたが、6月に20か月ぶりに減少に転じ、そのまま減少が続いている形になります。

8月のマンション価格は上昇、戸建て価格は大幅低下

マンション価格が前月対比2.41％増の3238万円。戸建て価格は前月対比5.91％減の3281万円という結果になりました。前年対比でみると、マンション価格は7.59％増、戸建ては3.05％減となっています。長期化する低金利の影響を受けて、昨年対比で見るとマンション価格の伸びが引き続き大きい状況です。一方で戸建て価格はそれほど価格変動はなく、マンションと同レベルの価格帯になっています。

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