住宅ローン金利動向 2014年1月レポート

住宅ローン金利動向 2014年1月レポート

住宅ローンの動向をまとめた毎月のレポートです。住宅ローンを検討している方は参考にしていただければ幸いです。

主要住宅ローンの2013年12月から2014年1月の金利変動

•  固定金利は微増傾向
• 変動金利は維持傾向
• 住信SBIネット銀行「Mr.住宅ローン」が変動金をさらに金利引下げ

住宅ローンの固定金利に連動する新発10年物国債の金利が年末にかけて上昇を示した。これは年末にかけて株価がさらに高騰したため、安全資産であった国債が売られたことが原因である。しかし、これは日銀が国債買取の発表をした直後の4月にも同様の要因で国債金利の上昇があったため、一服すればまた下がるのではないかと考えられる。

それ以外の金利はほとんど変わらない状況となっている。変動金利で金利が変動したのは住信SBIネット銀行「Mr.住宅ローン」が0.005％金利を引き下げたぐらいである。

住信SBIネット銀行 「Mr.住宅ローン」が、0.675％→0.670％

2014年は消費増税の年であり、4月1日以降は消費税率8％が適用される。5％の消費税率を適用させるためには、3月までに物件の引き渡しが必要である。3月までと4月以降で住宅ローンの金利、物件の価格も大きく変動すると考えられるため、住宅ローンを検討している方には判断が求められる重要になる年だろう。

主要住宅ローン最新トピック

国債金利がまた上昇傾向に

新発10年国債利回りは、5月末の0.92％から、7月末で0.79％、8月末0.74％、9月末0.69％、9月末0.605％まで低下。しかし、ここにきて低下傾向がひと段落した。12月末で0.705％と、9月末と比較しても0.1％上昇しているという金利になっている。これを受けて、2014年1月の金利は、10年固定金利以上の固定金利は軒並み0.05％前後上昇した。要因は、年末の株高に対して、さらに安全資産の国債が売られて金利が上昇したことである。ただし、この現象は日銀が国債買取の発表をした3月にも起こっており、一服すればまた国債金利も下降するものと考えられる。

住信SBIネット銀行の「Mr.住宅ローン」さらに金利引下げ

住信SBIネット銀行だけが2014年1月も「Mr.住宅ローン」の金利を引き下げた。0.675％と低金利であったが、さらに0.670％と金利の引き下げを行った。新商品の投入で積極的な販売を意図しているものと思われる。

住信SBIネット銀行の「Mr.住宅ローン」はこちら

2014年4月の消費増税に向けた競争がさらに激化

消費増税が4月に迫り、残すところ後3か月でどれだけ住宅を売れるのか？というところに不動産会社は入ってきている。しかし、消費税5％で購入できるのは、3月末までに引き渡しが完了する物件でなければならない。3月に向けて駆け込み需要を狙って、3月末引き渡し物件の販売競争が激化するのではないだろうか。

11月新設住宅着工、前年同月対比14.1％増

11月の新設住宅着工戸数は前年同月対比で14.1％の9万1475戸を記録した。これで15か月連続で前年同月対比の着工戸数を上回ったことになる。先月が7.1％の前年同月対比であったことを考えると2倍の伸びを示した。これは2013年9月までに契約すれば消費税5％で良いという経過措置があったため、9月に契約だけ取った分を着工し始めたことから大幅に伸びたものと考えられる。

戸建価格は下降、マンション価格は上昇

1月のマンションの平均価格は2659万円と前月対比+2.07％と増加。前年対比で見ると5.75％の価格増加になっている。戸建は平均価格は3172万円で前月比-3.69％、前年同月対比-2.52％と昨年と比較するとやや低い数字となっている。消費増税のための駆け込み需要による価格の高騰は、戸建てよりも価格の安いマンションに影響が大きいようだ。

住宅ローン政策関連トピック

2014年度の与党「税制改正大綱」決定

2014年度の与党「税制改正大綱」が決定した。住宅に関する税制の改正を解説

新築住宅にかかわる固定資産税の減額措置

新築住宅を購入後、所有者が毎年納税する固定資産税を一戸建ての場合は3年間、マンションの場合は5年間1/2に減額する（2016年3月31日まで）

認定長期優良住宅にかかわる特例措置

長期優良住宅に認定された住宅を取得した場合、所有権保存登記・所有権移転登記の税率を軽減し、不動産取得税の控除額を拡大する

居住用財産の買換え等にかかわる特例措置

マイホームの買い替えをして、売却で利益が出た場合、損失が出た場合の課税の繰り延べ、損失の給与所得控除

などである。特に中古住宅の購入時の税制優遇として、所有権移転登記の税率が軽減されたことが注目である。また、中古住宅の住宅ローン減税などの適用要件が緩和された。以前までは購入時に耐震基準に適合していなければならなかったが、今後は耐震改修を行った場合には優遇措置が受けられるようになる。2014年は中古住宅流通市場が伸びる年になるかもしれない。

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