住宅ローン金利動向 2014年3月レポート

住宅ローン金利動向 2014年3月レポート

住宅ローンの動向をまとめた毎月のレポートです。住宅ローンを検討している方は参考にしていただければ幸いです。

主要住宅ローンの2014年2月から2014年3月の金利変動

• 10年以上の固定金利が全体的に低下
• みずほ銀行の金利引下げ幅が大きい
• フラット35が90％超えの借入可能に

固定金利と連動する「新発10年国債金利」が先月からさらに引き下がりました。3月3日時点で0.575％というのは、昨年日銀が国債の借り入れを発表する前の低金利水準に戻ったことを意味します。

これに連動するようにメガバンクを中心に10年以上の固定金利が0.05％～0.15％金利が下がっています。

また、大きな動きとしてはフラット35の借り入れが物件取得価格の90％が最大でしたが、これが90％を超える借り入れが可能になりました。物件購入価格の100％でも借り入れが可能ということです。金利は融資率90％以下の場合と90％超の2段階金利が適用される形になっています。自己資金が少ない方でもフラット35を利用できるメリットがある一方、90％超えの場合の金利が90％以下の金利と比較して＋0.4％前後の上昇になってしまうデメリットがあります。

実質的にはこれだけ金利が上がってしまってはフラット35であるメリットがなくなってしまうため、90％超の借入はおすすめしません。

また、大きな動きのひとつとしては、みずほ銀行の金利引下げ幅が-0.15％～-0.20％と一番大きい形となっています。メガバンクの中でもみずほ銀行の住宅ローンは、三井住友銀行、三菱ＵＦＪ銀行の陰に隠れてしまい、存在感がありませんでしたが、今後は住宅ローンにも力を入れていくのかもしれません。

主要住宅ローン最新トピック

長期金利がさらに低下。日銀発表前の状態に

新発10年国債利回り（長期金利）は、5月末の0.92％から、徐々に低下し、9月末0.605％まで低下しました。 この長期金利は、2014年03月03日時点の終値で0.575％と日銀の国債買い入れ発表以前の低金利水準に近づいてきており、昨年対比でも低金利になっています。国債金利が下がったため、各銀行の10年以上の固定金利も引き下げられています。

フラット35の金利プラン増加

今までは、フラット35と言えば、「21年以上35年以下」「20年以下」の2つの金利プランしかありませんでしたが、3月から「融資率9割以下」と「融資率9割超」で2種類の金利が加わったため、計4種類の金利プランに増えました。今まで物件の購入価格の90％までしか借り入れができませんでしたが、金利が高くなっても構わないのであれば90％を超えても借り入れができるということです。また、フラット35Sも、当初10年間と11年目以降の金利を分けるなど、フラット35の選択肢が増加していると言えるでしょう。

三井住友銀行で「自然災害時返済一部免除特約付住宅ローン」の取り扱い開始

日本では初となる災害時、地震・噴火・津波の大規模災害で自宅が全壊した場合にローン残高の半分を補償してくれる、返済が免除になる住宅ローン特約の取り扱いを開始しました。もともとの火災保険に付帯した地震保険では全壊時に半額までは保証されるため、残りの半額部分を保証してくれる特約になります。ただし、この特約は金利0.5％の上乗せとかなり負担が大きくなるのも事実です。総返済額でいえば、300万～400万前後の負担増になるため、現実的には利用しにくいサービスと言えます。

1月新設住宅着工、前年同月対比12.3％増

1月の新設住宅着工戸数は前年同月対比で12.3％の7万7843戸を記録しました。これで17か月連続で前年同月対比の着工戸数を上回ったことになります。とはいえ、2013年12月が8万9578戸であることを考えると消費増税の駆け込み需要と連動した着工増というのも、沈静化しつつあることがうかがえます。

戸建価格は上昇、マンション価格も上昇

1月のマンションの平均価格は2673万円と前月対比+0.52％と微増。前年対比で見ると6.55％の価格増加になっています。戸建は平均価格は3205万円で前月比+1.03％、前年同月対比-2.92％とこちらは価格が昨年対比で下がっていることになります。マンション価格も、戸建て価格も、消費増税前の駆け込み需要は終わりに近づくにつれて物件のストックを少しでも売り切る必要があるため、2月、3月も価格は下がっていくのではないでしょうか。

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