住宅ローン金利動向 2015年2月レポート

住宅ローン金利動向 2015年2月レポート

住宅ローンの動向をまとめた毎月のレポートです。住宅ローンを検討している方は参考にしていただければ幸いです。

主要住宅ローンの2015年1月から2015年2月の金利変動

• 国債金利が過去最低水準の0.285％に

• フラット35の金利も史上最低水準を更新

• 各銀行とも10年以上の固定金利を引き下げ

2015年2月も、どうように日銀の追加金融緩和が続いています。日銀は1月30日にも「当面の長期国債買い入れの運営」を公表するなど、物価上昇のための手を緩めていないのです。

この結果、国債金利はさらに下がり、過去最低水準の0.285％に低下。結果としてフラット35の金利は7か月連続で低下し、21年以上35年以下で1.37％と先月から0.1％も下がりました。

当然、国債金利が下がると影響が出るのはフラット35だけではなく、民間銀行各社の提供している10年以上の固定金利も、軒並み低下しているという状況になっています。

みずほ銀行、三菱ＵＦＪ銀行も当初10年固定金利で過去最低水準の金利にまで下がっています。当然、ネット銀行も、10年以上の固定金利を軒並み下げている状態です。

これに有力な融資先がない地方銀行や信用金庫なども住宅ローン顧客の獲得のために金利を下げているため、過去に例のない低金利競合が起きてしまっているのです。金融庁は過当競争を懸念して各銀行が適切にリスク管理しているか緊急調査をはじめるなど、異常事態と言っていいでしょう。

とはいえ、この状況は大きく変わることもなく、利用者にとっては空前のチャンスと言っても良いでしょう。固定金利はもちろん、変動金利も、当初10年固定金利も、すべてが低金利の状態なので、住宅価格は高止まりしてしまっていますが、金利のことを考えれば消費増税前に決断するタイミングと言っても過言ではないと思います。

主要住宅ローン最新トピック

長期金利が過去最低水準更新

新発10年国債利回り（長期金利）は、2015年1月3日時点で終値： 0.32％でしたが、2015年2月3日時点で終値： 0.23％とさらに0.09％下がっています。過去に例のない低金利水準を推し進めている状況です。背景は国債の品薄状態と日銀の追加金融緩和の発表ですが、11月の状態が12月も、年が変わった2015年1月も引き続き起こっているのです。さらに1月30日には日銀が国債買い入れを続けていくと発表までしています。長期金利の影響を受けて、フラット35の金利も7か月連続で史上最低水準を更新し、21年～35年の固定金利で1.37％となっています。

三菱ＵＦＪ銀行がネット銀行仕様の住宅ローンを展開

三菱ＵＦＪ銀行が三菱ＵＦＪ銀行の出資している子会社「じぶん銀行」専用のネット住宅ローンのサービス提供をはじめました。ここ数年、ネット銀行の登場によって、メガバンクの存在感が希薄化してしまっていたのですが、それを取り戻すべく、三菱ＵＦＪ銀行ブランドの住宅ローンをネット銀行仕様に仕立て直したのです。

具体的には、通常メガバンクは保証料が金利に0.2％上乗せされる分、事務手数料が32,400円と安くなっているのですが、金利の0.2％上乗せというのが保証料が無料のネット銀行と比較すると大きな負担になってしまうのです。

そこで、じぶん銀行が販売する三菱ＵＦＪ銀行ネット住宅ローンでは、保証料を無料にして、その代わりに事務手数料を借入額の2.16％にする形にしたのです。これはネット銀行とほぼ同じ設定なのです。

信頼性の高いメガバンクの住宅ローンでありながら、ネット銀行と同じ諸費用と低金利で利用できるメリットがあると言っていいでしょう。

三菱東京ＵＦＪネット住宅ローン[じぶん銀行専用] はこちら

りそな銀行の住宅ローンが借り換え限定で低金利に

りそな銀行は昨年末から借り換え専用の「りそな借り換えローン」をサービス提供しています。特徴はネット銀行並みの低金利とネット銀行と同じ形の諸費用設定です。

2015年2月時点の金利は

• 変動金利　0.650％
• 当初10年固定金利　0.850％
• 一般的なネット銀行：「保証料0円」＋「事務手数料借入額の2.16％」
• 一般的なメガバンク・地方銀行：「保証料金利＋0.2％」＋「諸費用 3万2400円」
• りそな借り換えローン：「保証料0円」＋「事務手数料借入額の2.16％」＋「諸費用 3万2400円」

と諸費用が3万2400円分ネット銀行よりも高くなってしまいますが、ほとんどネット銀行と変わらない諸費用設定に変更したのです。金利もネット銀行並みの低金利であるため、借り換えを検討している方には非常に有効な選択肢となっているのです。

りそな銀行住宅ローンはこちら

SBI新生銀行金利優遇キャンペーン実施

SBI新生銀行は変動金利（半年型）タイプ・当初固定金利タイプ（10年・15年）限定の「パワースマート住宅ローン当初借入金利年0.15％優遇キャンペーン」を実施しています。SBI新生銀行は以前は変動金利でネット銀行トップクラスの低金利を誇っていたのですが、ここ1年ほどはソニー銀行とイオン銀行の低金利競争に置いて行かれてしまっているため、ここにきてキャンペーンという形で金利を優遇し、低金利競争に参加することを意図していると考えられます。諸費用はイオン銀行やソニー銀行よりも安いのですが、やはりまだ変動金利の低金利競争ではソニー銀行やイオン銀行に分があるようです。

SBI新生銀行住宅ローンはこちら

フラット35の21年～35年金利が過去最低の1.37％に

フラット35の21年以上の金利が先月の1.47％からさらに下がって1.37％になりました。これは7か月連続の過去最低金利の更新であり、長期金利が低金利で安定していることが理由となっています。民間銀行よりは長期金利の影響が反映されるのが遅い為、来月もさらに下がる可能性が高いと言えます。

12月新設住宅着工、前年同月対比14.7％減。10か月連続の減少

12月の新設住宅着工戸数は前年同月対比で14.7％減の7万6416戸を記録しました。これで10か月連続の減少となっています。「持家」が25.5％減、「分譲住宅」が10.5％減と消費増税の1年半の延期もあり、消費者の購入が慎重になった結果、住宅関連企業の投資もより一層慎重になったことが浮き彫りになっています。14年通年の新設住宅着工戸数でも、前年比9.0％減の89万2261戸とリーマンショック以来のマイナス成長となっています。

マンション価格、戸建て価格とも大きな動きはなし

マンション価格が前月対比1.37％増。戸建て価格は前月対比0.22％増という結果になりました。前年対比でみると、マンション価格は10.08％増、戸建ては2.97％増という状況です。戸建ては昨年から大きな価格変動はありませんが、資材の高騰、人件費の高騰もあり、マンションの価格は昨年対比で高い状態が続いています。

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