住宅ローン金利動向 2015年5月レポート

住宅ローン金利動向 2015年5月レポート

住宅ローンの動向をまとめた毎月のレポートです。住宅ローンを検討している方は参考にしていただければ幸いです。

主要住宅ローンの2015年4月から2015年5月の金利変動

• フラット35sの金利が低下

• 各銀行とも金利をやや引き下げ

• 長期国債金利が5月に入り上昇傾向

• SBIモーゲージが「ARUHI」に改名

2015年4月の国債金利は0.375％で、2015年5月の国債金利は0.36％とやや低下しました。とくに4月27日～28日と　ゴールデンウイーク前には0.3％を切る形になったため、各銀行ともに金利を0.05％～0.10％引き下げた形となったのです。

ただし、5月に入り国債金利は上昇局面となりゴールデンウイーク明けの5月7日には0.435％まで上昇しました。この状況は連休中に米国やドイツの長期金利が大幅上昇（国債価格は大幅下落）した影響で、日本国債も朝方に売りが増えたことが要因になっています。

日本国債も、ドイツや米国と同じように「国債価格が下落する＝長期金利が上昇する」と投資家が考え、売りが増え、買い控えが起こったのです。

結果として買いが少ない分、国際価格は下がり、金利は上がる結果となっています。この状況が続けば2015年6月の住宅ローン金利は全体的に上昇することが予測されます。そのため、このタイミングでの住宅ローン申込みも急増している状況なのです。

5月以内に融資実行まで行かなければ、5月の金利適用はありませんが、比較的長期金利の影響が遅く出てくるフラット35などは狙い目かもしれません。直近の住宅ローン利用を検討している方は素早い行動が求められるでしょう。

主要住宅ローン最新トピック

長期金利がやや上昇

新発10年国債利回り（長期金利）は、2015年4月3日時点で終値： 0.375％でしたが、2015年5月1日時点で終値： 0.360％とやや下がった形になります。これに連動して各銀行の住宅ローン金利も、やや引き下げという判断になっています。

5月7日に長期金利が一時0.435％まで上昇

ゴールデンウイーク明けの5月7日の長期金利は一時0.435％まで上昇しました。5月1日時点で0.360％だったことを考えると急激な上昇と言えるでしょう。ゴールデンウイーク中のアメリカとドイツの国債金利の上昇に日本国債も引っ張られた形です。この水準が月末まで続くのであれば2015年6月の住宅ローン金利は上昇することが予測されます。

今のタイミングで住宅ローンを申込めば、5月内に融資実行であれば金利の低い状態で住宅ローンを組むことが可能です。審査後の融資実行が6月になれば6月の上昇した金利が適用されてしまうので注意が必要です。

フラット35sの金利が引き下げ

省エネルギー性、耐震性などに優れた住宅で適用されるフラット35sの金利が平成26年度補正予算の閣議決定をうけて引き下げられました。

楽天銀行フラット35の2015年4月時点の金利では

金利の引き下げ幅が　▲年0.3％　→　▲年0.6％

• 15年以上～20年以下：0.63％（11年目以降 年1.23％）
• 21年以上～35年以下：0.86％（11年目以降 年1.46％）

となり、当初10年間の金利引下げが拡大しているのです。変動金利並みの低金利でフラット35の固定金利が利用できるので見逃せないポイントと言っていいでしょう。

楽天銀行フラット35はこちら

メガバンクが続々とネット住宅ローンを展開

みずほ銀行がネットからの申込み専用の「ネット住宅ローン」をサービスインしました。また、三菱ＵＦＪ銀行が三菱ＵＦＪ銀行の出資している子会社「じぶん銀行」専用のネット住宅ローンを展開する、りそな銀行はネット申込みで借り換え専用の住宅ローンを展開するなど、ここにきてメガバンク・大手都市銀行のネット用住宅ローンが続々と増えてきています。

背景にあるのは、店舗を持たないネット銀行の低金利の住宅ローンにメガバンクが存在感を奪われてしまっている現状があるからです。

知名度や安心感でいえばメガバンクが優位なのは変わりありませんが、住宅ローンの金利は0.1％低金利なだけでも、数十万円の返済負担の差となってしまいます。そのため、インターネット経由で自分で住宅ローンを探して申込むむ方はネット銀行を利用する傾向が強くなっているのです。

それに対抗するために、メガバンクはネットからの申込みであれば通常よりも低金利にするネット専用の住宅ローンで奪われる一方だった顧客の奪い返しに力を入れはじめたのです。

とはいえ、まだまだネット銀行の方が低金利な状況は変わらないため、さらに低金利のサービスにできるかが大きなポイントと言えます。

SBIモーゲージが「ARUHI」に改名

SBIモーゲージが5月1日より社名を改め、新経営体制で第2創業期を開始すると発表。同社は5月1日より社名が「ARUHI」（アルヒ）となる。家電、家具、キッチン用品から、引っ越し、水宅配に至るまでさまざまな提携先企業のサービスを優待価格で受けることができるサービスや住宅購入を検討する世代にも適した日本初の不動産情報ウェブサービス「ARUHI 家探しサービス」を開始するなど、新しい住まいさがしのサービスへと変革する計画となっています。ただし、住宅ローンに関してはフラット35が主力であることは変わらないと予測されます。

3月新設住宅着工、前年同月対比0.7％増。13か月ぶりの上昇

3月の新設住宅着工戸数は前年同月対比で0.7％増の6万9887戸を記録しました。13か月ぶりの上昇となった。持ち家の減少率が低下し、相続税増税前の節税対策の一環として貸家が増加したことで上昇という結果になりました。「持家」が1.4％減、「分譲住宅」が4.9％減となる一方、「貸家」が4.6％増となっています。

マンション価格・戸建て価格ともに上昇。物価上昇の煽り

マンション価格が前月対比0.1％減。戸建て価格は前月対比4.02％減という結果になりました。前年対比でみると、マンション価格は8.83％増、戸建ては0.92％増という状況です。食料品の価格上昇などがニュースに取り上げられていますが、インフレの足音は物件にも着実に影響しているようです。ただし、直近でみると繁忙期である3月～4月が終わったため価格は一服すると予測されます。

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