日銀のマイナス金利と住宅ローン金利への影響!住宅ローン金利はまだ下がる?
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- 作者: 住宅ローン比較
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日銀のマイナス金利と住宅ローン金利への影響!住宅ローン金利はまだ下がる?
2016/1/30
日銀が2016年1月29日に「マイナス金利の導入」を発表しました。「マイナス金利って何?」というのが多くの方の感想だと思いますが、実は住宅ローンにも大きな影響を与える可能性が高いのです。
マイナス金利とは
銀行に預金をすると、多かれ少なかれ利息が付きます。
1000万円を0.1%の金利の銀行に預ければ、1年後には利息の1万円がつくので1001万円に残高が増えます。
「当たり前ですよね。」
しかし、マイナス金利の場合
1000万円を-0.1%の銀行に預けたら、1年後には利息の1万円がマイナスになり、999万円の残高に減ってしまうのです。
これがマイナス金利です。
「えっ、そんなの誰も預金しないでしょっ?」
そう思わせるためのマイナス金利なのです。
心配しないでほしいのは、今回の日銀の「マイナス金利の導入」は銀行が日銀に預金している当座預金の一部に適用されるものなので、一般の人が預金する預金口座の金利がマイナスになるわけではありません。
日銀のマイナス金利とは
民間銀行は日銀に当座預金の口座を作って、預金をすることが義務付けられています。
日銀が「銀行の銀行」と呼ばれる所以です。
銀行が日銀に預金している金利がマイナス金利になるということは、預けているとどんどん資産が減ってしまうので、銀行の収益が悪化してしまいます。
銀行も「えっ、そんなの誰も預金しないでしょっ?」という気持ちになるということです。
そこで銀行が日銀への預金額を減らし、その金額分を企業への融資に使ってくれれば、企業の設備投資が増え、市場に出回るお金が増え、企業の業績が上がり、従業員給与が上がり、消費が活発化し、物価が上がる・・・
と景気の好循環ができるという日銀の目論みになっています。
当然、こんなに理想通りのシナリオで動く可能性は低いのですが、それでもマイナス金利を導入したのには理由があるのです。
日銀がマイナス金利を導入した背景
2016年は年初から、株価が大きく下がっています。
日経平均株価
なぜ、こんなに株価がさがったかというと
- 中国経済の失墜
- 原油安
- 中東情勢の悪化
- 米国の利上げ
- ・・・
などさまざまな要因が絡み合っているのですが、外国人投資家が「世界経済が不安定なので、一時的に安全な投資先である円や日本国債に資産を移動しよう」という流れが起きてしまい、円高が進んでしまったからなのです。
円/米ドル
今の株高の状態というのは、円安だから輸出企業の業績が上がることが前提になっているため、円高になると途端に株価がさがってしまうのです。
株価がさがれば、安倍政権は「アベノミクス失敗」とたたかれ、夏に控えた参院選でも苦戦してしまうのは目に見えているので、これはまずいとなって、日銀に金融政策で「円安誘導」できる対策を求めたのです。
その結果がマイナス金利なのです。
マイナス金利の住宅ローンへの影響
住宅ローン顧客獲得競争の激化
銀行の立場になって考えてみてください。
日銀へ預金するとマイナス金利で資産が減るのであれば、別の投資先へ資産を振り分けなければなりません。
しかし、「リスクの高い企業融資を増やすのか?」と言われると、人口が減少し、成長が見込めない市場が多い中で、「企業自体が設備投資に積極的じゃない」「回収が見込めない企業が多い」状況で企業融資を増やすという判断は難しいというのが銀行の本音なのです。
じゃあ、安全な投資先ってどこ?
となると「住宅ローン」が有力な候補になるのです。
住宅ローンの場合、住宅という明確な担保があり、住宅価格はオリンピックまでは上昇すると考えられています。担保もあるし、保証会社を使えば、貸し倒れのリスクも回避できる、有望な投資先なのです。
多くの銀行が「住宅ローン」の融資額を引き上げようとするはずです。
- 住宅ローン審査の基準を低くする
- 住宅ローン金利を低金利にする
- 住宅ローンの付加価値サービスを拡大する
といった動きがさらに激化してくることが予測されます。
国債金利の低下
住宅ローンの金利と連動しているのが国債金利です。
日銀の当座預金が低金利になれば、日本国債を買いたいという方が増えるため、金利はさらに下がります。
国債金利が下がれば、住宅ローン金利もさらに下がるのです。
つまり、今以上に住宅ローン金利が下がる可能性もあるのです。
住宅ローンがマイナス金利になる可能性すらある!?
実はデンマークは2012年にマイナス金利を導入している先輩です。
デンマークの場合、住宅ローン金利もマイナス金利になっているのです。
住宅ローンを借りたら、利息収入が得られる・・・という不思議な状態が起こっているのです。
日本ではさすがに住宅ローン金利がマイナスになる状況は起きないと思いますが、金利がさらに下がる可能性は高まっているのです。
まとめ
日銀のマイナス金利の導入は
- 銀行の住宅ローン顧客獲得競争を激化させる
- 国債金利をさらに低下させる
効果が期待されるため、さらに住宅ローン金利が下がることが予想されるのです。
ただし、この金利低下は一時的なものなので、今後の金利上昇がなくなるわけではありません。
金利上昇への対策は行ったうえで、低金利の住宅ローンをチェックし続けることをおすすめします。