トランプ大統領就任で住宅ローン金利が上昇する理由
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- 作者: 住宅ローン比較
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トランプ大統領就任で住宅ローン金利が上昇する理由
2016/11/29
2016年11月8日、アメリカ大統領にトランプ氏が就任しました。これは住宅ローン金利にどのような影響があるのでしょうか?
トランプ大統領就任後の為替変動
米ドル/円の為替レート
11月8日の就任確定直後
11月8日:安値1ドル104.294円 → 11月9日:安値1ドル101.184円
11月9日から反転
11月9日:安値1ドル101.184円 → 11月28日:安値1ドル111.356円
なぜ、円安になったの?
元々、トランプ大統領の過激な発言を投資家は不安視していました。
「どう動くかわからない」からです。
大統領就任後も過激発言を実行し続けるのであれば、株や為替などに与える影響が大きく、投資家としては
「予測できない常態だから一旦様子見しておきたい。」
と考えたのです。
結果として、安全な資産(為替の影響を受けにくい資産)として「日本円」「日本国債」が買われていたのです。
- 国債が買われる = 国際金利が低下する
ということを意味するので
- 円高/ドル安
- 国債金利の低下
という状況が起きていました。
就任直後は、ドル売りが増加し、円高が加速したのですが・・・
就任してみると
- 意外とトランプさんは無茶なことを言わない。
- 過激発言もトーンダウン。
- 選挙のパフォーマンスだった。
と見る投資家が増えてきてトランプ氏の政策である「大幅な減税」「インフラ投資」によるアメリカ経済の回復を期待する動きが顕著になってきたのです。
就任から1日すぎると
- ドル高
- ドル高に影響されて円安
- 円安ドル高は日本の輸出企業が儲かるので日経平均の上昇
- 日本国債から株や為替などのリスクオンの状態に
という流れが起きたのです。
日経平均
一時的に日本国債に逃げていた投資家のお金が「もう大丈夫。攻めよう」となったため、国債の買い手が減り、長期金利(新発10年国債利回り)も上昇したのです。
新発10年国債利回り/直近20営業日
新発10年国債利回り/直近1年
11月8日:-0.07%
11月25日:+0.03%
0.10%の上昇
長期金利が11月の10日前後から上昇しているため、12月の各社の住宅ローン金利も0.1%程度上昇することが予想されます。
円安の進行に比較すれば長期金利への影響は少ない
トランプ大統領就任で住宅ローン金利が上昇するといっても、金利は0.1%上昇程度のものです。
日銀の国債買い入れやマイナス金利も続いているので、それほど急激に長期金利は上昇しないのです。
また、トランプ大統領の期待値込みのドル高/円安ですので、実際にトランプ大統領が今後どう動くかで元のドル安/円高になる可能性は多分にあります。
「トランプ大統領就任の影響で今後の住宅ローン金利がどうなるのか?」は経済の専門家でも読み切れるものではありません。
「どういう時に金利が上昇するのか?」を理解したうえで、金利上昇リスクを抱える変動金利を選ぶ場合は、金利上昇時の対策も加味して住宅ローンを検討しましょう。