5月の国債金利上昇の理由
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- 作者: 住宅ローン比較
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5月の国債金利上昇の理由
2013/5/5
2013年5月、10年ものの国債金利が上昇し、住宅ローンの固定金利が大手都市銀行は足並みをそろえて上昇した。日銀の国債買い入れで金利下降が叫ばれていたが、これは一体どういうことなのだろうか?
10年もの国債金利は上昇したわけではない
実際は、3月末の新発10年国債金利は、約0.45%という過去最低水準を記録したが、4月末には、約0.6%に反発し、住宅ローンの固定金利の上昇にいたった。しかし、去年の5月の国債金利は0.9%と全体的には低下傾向が続いているのである。
国債金利が反発した理由
通常、国債は、買い手が増えれば国債の価格が上昇し、価格が上昇すれば金利が下がるという仕組みになっている。買い手が多いのだから、金利を上げなくても取引が成立するからである。しかし、今回は日銀が2年間に2倍の資金供給を目指し、国債を買い取ると発表したのだから、大口の買い手が登場したということである。通常であれば、大口の買い手が登場したことで、国債の価格が上昇し、金利が下がることになるはずだったが、今まで国債を持っていた投資家が大口の買い手の登場により、値上がりを予測した売り抜けをしようと殺到したことで、一時的に買い手よりも売り手が増え、国債の価格が下降し、金利が上昇することになったのだ。
国債金利の今後と住宅ローン金利の今後は?
反発自体は一時的なもので、国債の金利は、大口の買い手が登場したことには変わりがないため、中期的には国債金利は下がると予測されている。
ただし、そのあとはアベノミクスの景気対策次第と言えるだろう。本当に景気が良くなり、経済活動が活発化すれば、金利は上昇局面を迎えるはずである。しかし、インフレターゲットによる物価上昇が起きただけでは金利が大きく上昇するとは思えない。個人の収入が増え、消費が増加して初めて金利上昇の局面になるからである。