ゆうちょ銀行の住宅ローン参入に壁
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- 作者: 住宅ローン比較
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ゆうちょ銀行の住宅ローン参入に壁
2013/3/2
2012年9月に住宅ローンやカードローンなどの参入認可を金融庁と総務省に申請していたゆうちょ銀行であるが、そのタイミングで民営化委員会は参入を条件付きで容認した。この流れで2013年春には事業を開始したいと意気込んでいたゆうちょ銀行であるが、風向きが変わってきた。
2月28日、安倍内閣の麻生金融担当相は、金融機関の経営トップとの意見交換時に「融資審査能力なんてありませんから無理ですよ」と意見を述べた。実際に、住宅ローンは収益性も以前に比べて非常に低くなり、ネット銀行を巻き込んだ競争が激化している。そのタイミングでローン審査の甘い銀行は、当然債権回収が不能になり、赤字を出すしかなくなってしまう。ゆうちょ銀行にローン審査ノウハウがないのは、自明の理であるが、それを明言したことに大きな意味があるのではないだろうか。
実際には、金融機関のトップは、ゆうちょ銀行が出す住宅ローンやカードローンに対して、採算度外視で低金利商品を出されると、民業が圧迫されると危機感をいだいていたところ。心強い発言と感じているだろう。
ゆうちょ銀行はこれから金融庁と総務省の認可のために、再度計画の全面的見直しを余儀なくされそうだ。ただし、住宅ローン利用者にとっては、女性向け、高齢者向け、自営業向けと、審査が通りにくい属性向けの住宅ローンやカードローンの商品化を企画していたゆうちょ銀行の参入遅れは残念なところ。しかし、この属性はより審査が難しくなる属性である。国の税金で動いているゆうちょ銀行の赤字はそのまま、国民に返ってくるためいたしかたないのではないだろうか。