中古住宅購入型リフォーム一体型ローン、市場拡大
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- 作者: 住宅ローン比較
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中古住宅購入型リフォーム一体型ローン、市場拡大
2012/11/5 SankeiBiz
中古の一戸建て住宅やマンションの購入資金と一括して、リフォーム資金を借りられるサービスが広がっている。リフォーム単独でローンを組むより金利負担が軽い上、長期の借り入れも可能。手続きもまとめてできるメリットがある。金融機関は、中古住宅を買って好みの改修をしたい人の需要を見込んでいる。
「本体物件価格とリフォーム代金が住宅ローン一つでOK」。みずほ銀行は2010年春から、中古住宅購入とリフォームの一体型ローンの取り扱いを本格的に始めた。「件数、金額とも少しずつ増えている」(広報)という。
リフォーム融資は従来の単独型だと無担保なため、金利は固定、変動ともに高めになる。返済期間はみずほの場合、最長でも15年、金額も500万円までだ。
一体型は購入する物件を担保にするため、通常の住宅ローンと同様の低金利を設定できる。返済期間もみずほの商品は最長35年で、購入、リフォームを合わせて1億円まで借りられる。買うときとリフォーム時で分割融資を受けることも可能だ。
みずほでリフォーム資金500万円を単独で15年借りる場合、変動金利だと年3.975%(10月時点)。この金利が返済終了まで続くと仮定して試算すると、毎月の返済額は3万6921円、利息の総額は約164万5000円になるという。これを一体型で借りると金利(変動)は最高で1.075%。リフォームローンの部分に限ると、期間15年なら返済額は月3万89円(利息総額約41万6000円)で、35年ローンも返済額は月1万4289円(同約100万1000円)と安くなる計算だ。
一体型ローンはほかのメガバンクや、りそな銀行も売り出している。9月には三井住友信託銀行が、物件の担保評価額の120%まで借りられるローンを始めた。住宅金融支援機構も7月から、一体型の「リフォームパック」を扱っている。
金融機関が一体型ローンに力を入れる背景には、景気低迷による収入減などで中古住宅の需要拡大が見込まれていることがある。国土交通省が5年ごとに「今後の住み替えの意向」を消費者に聞く購入意識調査によると、08年末時点で「新築」の希望は51.5%と、03年末の53.7%から減少。逆に「中古」と「特にこだわらない」は計36.8%で、前回の32.5%からじわりと増えた。ファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんは「少し古めでも耐震基準を満たし、好きな仕様にして買える家ならニーズはある」と指摘。「一体型などのリフォームローンがうまく活用されれば、住宅購入の可能性は広がる。新築だと高額なローンを組みがちだが、それを避ける選択肢が増えることにもなる」と話している。
住宅ローン比較ラボ編集部コメント
実は、中古住宅市場というのは、欧米では住宅流通の7割から9割の巨大産業であり、新築よりも圧倒的な規模を誇る市場なのですが、対する日本の状況は13.5%と非常に少ない状況になっている。理由としては、新築好きの国民性と、小さい敷地での相続が繰り返されるたえに、住宅の寿命が欧米が80年に対して日本が30年になってしまっていることが原因でした。
しかし、中古住宅を取り巻く環境に大きな改革の波がおきています。人口の減少フェーズに入ったため、供給過多の状況が続き、中古住宅の価格がいっそう安くなり、相続される側の方が少なくなる高齢化社会も手伝って、今後は非常に伸びていく市場だと考えられています。
それに伴い、各金融機関ともに中古住宅向けの住宅ローンを開発しているという裏側があります。ただ、気をつけなければならないのは、物件の担保としての価値がはじめから少ないため、新築に比べて融資額や金利が変わってくる可能性があります。これについては、各銀行に相談しましょう。